鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)
金属類・物質別まとめ・過去12回中12回、問題に登場
測定方法(捕集法-分析法)
| 方法 | 捕集 | 前処理・抽出・発色 | 分析(装置・波長) | 参照 |
| ろ過捕集法-吸光光度分析法 |
グラスファイバーフィルター(ろ過捕集) |
酸で処理→弱アルカリ性でジチゾンと反応(赤色のキレート)→ベンゼンで抽出(単色法) |
吸光光度分析 |
p.157〜163 |
| ろ過捕集法-吸光光度分析法 |
グラスファイバーフィルター(ろ過捕集) |
酸で処理→弱アルカリ性でジチゾンと反応(赤色のキレート)→クロロホルムで抽出(混色法) |
吸光光度分析 |
p.163〜168 |
| ろ過捕集法-原子吸光分析法 |
グラスファイバーフィルター(ろ過捕集) |
酸で処理(水溶液のまま) |
フレーム原子吸光分析 |
p.168〜173 |
| ろ過捕集法-電気加熱式原子吸光分析法 |
グラスファイバーフィルター(ろ過捕集) |
酸で処理(水溶液のまま) |
電気加熱式原子吸光分析 |
p.173〜182 |
| ろ過捕集法-電気加熱式原子吸光分析法 |
グラスファイバーフィルター(ろ過捕集) |
酸で処理→キレート剤と有機溶媒で抽出・濃縮 |
電気加熱式原子吸光分析 |
p.182〜186 |
| ろ過捕集法-誘導結合プラズマ原子発光分析法 |
ろ過捕集 |
酸で処理 |
ICP-AES |
p.186〜187 |
| ろ過捕集法-誘導結合プラズマ質量分析法 |
ろ過捕集 |
酸で処理 |
ICP-MS |
p.187〜188 |
出典:『ガイドブック4 金属類』の物質別各論(各方法の「原理」の項)。本文で確認して、書き直したものです。詳しい条件(流量・採取時間・試薬の濃度など)は、ページで確認してください。
この物質が登場した過去問(40問・12回)
令和8年度 第1回(2026年8月実施)
金属類
失点やむなしD初見
次の金属のうち、常温、常圧で最も密度が小さいものはどれか。
- (1)鉛
- (2)水銀
- (3)ベリリウム
- (4)カドミウム
- (5)クロム
正答 (3)
金属の密度は、ベリリウムが約1.85 g/cm³、クロムが約7.2 g/cm³、カドミウムが約8.65 g/cm³、鉛が約11.3 g/cm³、水銀が約13.5 g/cm³です。ベリリウムは、軽い金属で、最も密度が小さいので、(3)です。(密度は、一般的な化学便覧の概数です。)
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:この形式の問題(選択肢が物質名などの問題)は、過去の出題がなく、初見です。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(選択肢が物質名などの問題):全12回中1回出題(出題確率8%)
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)
令和8年度 第1回(2026年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
作業環境空気中の鉛の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)フレーム原子吸光分析法において、鉄が多量に存在する場合は、鉛の分析値にプラスの影響を及ぼす。
- (2)電気加熱原子化原子吸光分析法では、灰化温度が高くとれないため、共存物質の影響を受けやすい。
- (3)誘導結合プラズマ発光分析法において、鉄が多量に存在する場合は、鉛の分析値にプラスの影響を及ぼす。
- (4)誘導結合プラズマ発光分析法において、試料捕集にグラスファイバーフィルターを用いた場合、酸処理後もフィルター繊維が残るため、分析装置に導入する前にろ過する必要がある。
- (5)原子吸光分析法において、鉛錯体を MIBKに抽出した場合には、抽出後、速やかに分析を行う。
正答 (1)
フレーム原子吸光分析法で、試料中に鉄が多量に存在する場合は、鉛の測定にマイナスの影響を及ぼします。「プラスの影響」とする選択肢1は誤りです。
電気加熱原子化原子吸光分析法は、グラスファイバーフィルターに捕集した鉛を、酸(2.5 M硝酸または3 M塩酸)で処理して、水溶液のまま測定します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(物質の表で解ける):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「誘導結合プラズマ発光分析法において、鉄が多量に存在する場合は、鉛の分析値にプラスの影響を及ぼす」
- (2)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「電気加熱原子化原子吸光分析法では、灰化温度が高くとれないため、共存物質の影響を受けやすい」
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「誘導結合プラズマ発光分析法において、鉄が多量に存在する場合は、鉛の分析値にプラスの影響を及ぼす」
- (4)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「誘導結合プラズマ発光分析法において、試料捕集にグラスファイバーフィルターを用いた場合、酸処理後もフィルター繊維が残るため、分析装置に導入する前にろ過する必要がある」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「原子吸光分析法において、鉛錯体を MIBKに抽出した場合には、抽出後、速やかに分析を行う」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)
令和8年度 第1回(2026年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
作業環境中の空気を20 L・min⁻¹で10分間捕集し、フィルター上に鉛を含む粒子を捕集した後、酸抽出などの前処理を行い100 mLの試料溶液を得た。試料溶液中の鉛濃度を電気加熱原子化原子吸光分析法により測定したところ、濃度は0.08 µg・mL⁻¹ であった。作業環境空気中の鉛の濃度として、正しい値は次のうちどれか。
- (1)0.004 mg・m⁻³
- (2)0.02 mg・m⁻³
- (3)0.04 mg・m⁻³
- (4)0.2 mg・m⁻³
- (5)0.4 mg・m⁻³
正答 (3)
試料溶液中の鉛の量は、0.08 µg/mL × 100 mL = 8 µg です。
捕集した空気の量は、20 L/min × 10 min = 200 L = 0.2 m³ です。
濃度 = 8 µg ÷ 0.2 m³ = 40 µg/m³ = 0.04 mg/m³
よって(3)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
試料液中の鉛の量÷吸引空気量(m³)で濃度を求める。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
金属類
得点必須Aトレンド
金属の化学的性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)クロムは、希硝酸に溶ける。
- (2)コバルトは、塩酸に溶ける。
- (3)カドミウムは、硝酸に溶ける。
- (4)鉛は、硝酸に溶ける。
- (5)ニッケルは、濃硝酸に溶ける。
正答 (5)
ニッケルは、濃硝酸には、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて溶けません。「濃硝酸に溶ける」とする選択肢5は誤りです。
クロムは希硝酸に溶けます(濃硝酸では不動態になるので、希硝酸が正しいです)。コバルトは塩酸に溶けます。カドミウムと鉛は、硝酸に溶けます。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
水素化物発生原子吸光分析法によるヒ素の分析に関する次の記述の㋑から㋩までの[ ]に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。「石英繊維フィルターに捕集した試料を硝酸と硫酸の混酸で処理し、溶液化した。その溶液に1%ヨウ化カリウム溶液と[㋑]溶液を加え30 分間静置した。この溶液を反応フラスコに移し亜鉛末懸濁液を加え試料溶液中のAs(Ⅲ)イオンを還元し[㋺]を発生させた。[㋺]をアルゴンガスとともに水素炎に送り込み 193.70 nmの[㋩]を測定した。」
| ㋑ | ㋺ | ㋩ |
| (1) | 水素化ホウ素ナトリウム | アルシン | 吸光度 |
|---|
| (2) | 水素化ホウ素ナトリウム | アルシン | 発光強度 |
|---|
| (3) | 水素化ホウ素ナトリウム | スチビン | 発光強度 |
|---|
| (4) | 塩化スズ(Ⅱ) | アルシン | 吸光度 |
|---|
| (5) | 塩化スズ(Ⅱ) | スチビン | 吸光度 |
正答 (4)
ヒ素の水素化物発生原子吸光分析法の手順は、次のとおりです。
- 石英繊維フィルターに捕集し、混酸で処理して溶液にします。
- 1%ヨウ化カリウム溶液と塩化スズ(Ⅱ)溶液を加えて静置し、ヒ素を3価に還元します。
- 反応フラスコで、亜鉛末懸濁液を加えて、水素化ヒ素(アルシン)を発生させます。
- アルシンをアルゴンガスとともに水素炎に送り、193.70 nmの吸光度を測定します。
よって(4)です。水素化ホウ素ナトリウムを用いるのは、別の連続水素化物発生装置の方法です。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「砒素およびその化合物」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:砒素およびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(穴埋め・組合せの問題):全12回中1回出題(出題確率8%)
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
電気加熱式原子吸光分析法における鉛の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)水酸化アンモニウム-過酸化水素の添加は、塩化鉛の揮発を抑制するために行う。
- (2)最も吸収が強い共鳴線は 217.0 nm である。
- (3)217.0 nm の共鳴線より 283.3 nm の共鳴線の方が S / N 比が高い。
- (4)共存物質が存在する場合は灰化温度を高くする。
- (5)原子化温度を高くすると繰り返し精度が低下する。
正答 (4)
電気加熱式原子吸光分析法による鉛の測定では、灰化温度が高くとれないので、共存物質の影響を受けやすくなります。「共存物質があるときは灰化温度を高くする」とする選択肢4は誤りです。
塩化鉛は、鉛の原子蒸気が生成するより先に分子の形で蒸発してしまうので、過酸化水素や水酸化アンモニウム-過酸化水素を加えて、その揮発を防ぎます(選択肢1)。最も吸収が強い共鳴線は217.0 nmで、283.3 nmの共鳴線のほうが、S/N比が高いので、実際の測定では283.3 nmが使われます(選択肢2、3)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「水酸化アンモニウム-過酸化水素の添加は、塩化鉛の揮発を抑制するために行う」
- (2)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「最も吸収が強い共鳴線は217.0nmである。」
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」
- (4)誤った記述正答(物質の表で解ける):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「共存物質が存在する場合は灰化温度を高くする。(誤りの記述)」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「原子化温度を高くすると繰り返し精度が低下する。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
金属類
得点必須Aトレンド
金属の化学的性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)カドミウムは、希硝酸に溶ける。
- (2)クロムは、濃硝酸に溶ける。
- (3)バナジウムは、希硝酸と過酸化水素水の混合液に溶ける。
- (4)マンガンは、塩酸に溶ける。
- (5)鉛は、硝酸に溶ける。
正答 (2)
クロムは、濃硝酸には、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて溶けません。「濃硝酸に溶ける」とする選択肢2は誤りです。
カドミウムは希硝酸に、バナジウムは希硝酸と過酸化水素水の混合液に、マンガンは塩酸に、鉛は硝酸に溶けます。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、正答の選択肢の論点は、通算の回数は少なめですが、直近の回に集中して出題されています(トレンド)。押さえておけば、得点できるからです。
原理から解く:濃硝酸で不動態になる金属(クロム・鉄・ニッケル・アルミニウム)(過去12回中3回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「捕集されたカドミウムは、硝酸を用いて溶解する。」
- (2)誤った記述正答(直近のトレンド):全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「クロムは、濃硝酸に溶ける。(誤りの記述)」原理「濃硝酸で不動態になる金属(クロム・鉄・ニッケル・アルミニウム)」:全12回中3回出題
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「バナジウムは、希硝酸と過酸化水素水の混合液に溶ける。」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:4回論点「硝酸には、酸化力がある。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
クロムは、濃硝酸や王水に対しては、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて、ほとんど溶けません(希塩酸には溶けます)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
金属類
失点やむなしD初見
金属化合物Ⓐとその化学式Ⓑとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。
| Ⓐ | Ⓑ |
| (1) | 過マンガン酸カリウム | KMnO₄ |
|---|
| (2) | 塩化カドミウム | CdCl₂ |
|---|
| (3) | 三酸化二ヒ素 | As₂O₃ |
|---|
| (4) | 硝酸鉛 | PbNO₃ |
|---|
| (5) | クロム酸カリウム | K₂CrO₄ |
正答 (4)
硝酸鉛の化学式は、鉛が2価の陽イオン(Pb²⁺)、硝酸イオンが1価の陰イオン(NO₃⁻)なので、Pb(NO₃)₂です。「PbNO₃」とする選択肢4は誤りです。
過マンガン酸カリウムはKMnO₄、塩化カドミウムはCdCl₂、三酸化二ヒ素はAs₂O₃、クロム酸カリウムはK₂CrO₄で、いずれも正しい化学式です。
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:この形式の問題(穴埋め・組合せの問題)は、過去の出題がなく、初見です。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(穴埋め・組合せの問題):全12回中1回出題(出題確率8%)
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
金属類
得点必須S暗記で解く
水素化物発生原子吸光分析法による作業環境空気中のヒ素の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)石英繊維ろ紙に捕集した試料の加熱溶解には、硝酸と硫酸の混酸を用いる。
- (2)試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる。
- (3)亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。
- (4)ヒ素の原子化には、空気-アセチレンフレームを用いる。
- (5)ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を 10 M 硝酸で溶解して調製する。
正答 (4)
水素化物発生原子吸光分析法では、ヒ素を水素化ヒ素(アルシン)にして、アルゴン気流で原子化部に導き、波長193.70 nmの吸光度を測ります。燃料と助燃ガスは、水素とアルゴンを用います。「空気-アセチレンフレームを用いる」とする選択肢4は誤りです。
試料は、石英繊維フィルターに捕集し、硝酸と硫酸の混酸で加熱溶解します。予備還元には、ヨウ化カリウムと塩化スズ(Ⅱ)を使い、水素化ヒ素の発生には、亜鉛末の懸濁液を使います。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、論点「原子化には、アセチレン-空気炎を用いる。」(過去12回中9回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:砒素およびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
原理から解く:フレームの種類と原子化(過去12回中11回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中12回出題(出題確率100%)/同じ記述の出題:7回論点「試料の捕集には、石英繊維ろ紙を用いる。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (4)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中9回出題(出題確率75%)/同じ記述の出題:1回論点「原子化には、アセチレン-空気炎を用いる。」原理「フレームの種類と原子化」:全12回中11回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:1回論点「ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を10M硝酸で溶解して調製する。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
ろ過捕集法-溶媒抽出-原子吸光分析法による作業環境空気中の鉛の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)鉛を MIBK に抽出するキレート剤には、DDTCのほかAPDCなどが使用できる。
- (2)鉛の DDTC 錯体は、弱酸性で MIBK に抽出される。
- (3)妨害金属元素をマスキングするために、酒石酸ナトリウム-カリウム溶液を抽出時に加える。
- (4)溶媒抽出法により、陰イオンなどの干渉を低減することができる。
- (5)MIBK 抽出液は、水層から分離した後、1時間以内に分析する。
正答 (2)
鉛のろ過捕集法―溶媒抽出―原子吸光分析法では、アンモニア水を加えて、弱アルカリ性(m-クレゾールパープルで確認)にして、DDTC錯体をMIBKに抽出します。「弱酸性」とする選択肢2は誤りです。
キレート剤には、DDTCのほか、APDCも使えます。酒石酸ナトリウム-カリウム溶液で、妨害金属をマスキングします。溶媒抽出で、陰イオンなどの干渉を減らせます。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (2)誤った記述正答(物質の表で解ける):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「鉛のDDTC錯体は、弱酸性でMIBKに抽出される。(誤りの記述)」
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「酒石酸ナトリウムカリウムは、マスキング剤として用いられる。」原理「緩衝剤・マスキング剤・還元剤」:全12回中11回出題
- (4)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「溶媒抽出法により、陰イオンなどの干渉を防ぐことができる。」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「MIBK抽出液は、水層から分離した後、1時間以内に分析する。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
金属類
何とか得点B暗記で解く
作業環境空気中の鉛を、30 L・min⁻¹ の一定流量で 10 分間ガラス繊維ろ紙に捕集した。そのガラス繊維ろ紙を共栓試験管に入れ、2.5 mol・L⁻¹ 硝酸 50 mLで抽出した。その後、抽出液を 100 mLメスフラスコ中に吸引ろ過し、洗液を加え精製水で 100 mLに調製した。このろ液を原子吸光光度計で測定したところ、鉛濃度は 0.15 µg・mL⁻¹となった。作業環境空気中の鉛濃度として、正しい値は次のうちどれか。
- (1)0.010 mg・m⁻³
- (2)0.025 mg・m⁻³
- (3)0.050 mg・m⁻³
- (4)0.100 mg・m⁻³
- (5)0.150 mg・m⁻³
正答 (3)
次の順で計算します。
- 試料液中の鉛の量:0.15 µg/mL × 100 mL = 15 µg
- 捕集した空気の量:30 L/min × 10 min = 300 L = 0.3 m³
- 濃度:15 µg ÷ 0.3 m³ = 50 µg/m³ = 0.050 mg/m³
よって(3)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:この形式の問題(計算問題)は、全12回中3回出題されており、解き方を押さえれば、何とか得点できるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中3回出題(出題確率25%)
試料液中の鉛の量(µg/mL×mL)÷吸引空気量(m³)=µg/m³。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
令和5年度 第1回(2023年8月実施)
金属類
失点やむなしD初見
金属及び金属化合物の性質を示す次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ベリリウムは銀白色の金属であり、銅にベリリウムを添加したベリリウム銅は火花を出しにくい特徴を有している。
- (2)バナジウムは耐食性と耐熱性にすぐれており、ドリルなどの工具用合金に使用されている。
- (3)酸化クロム(Ⅵ)は、緑色で化学的に安定である。
- (4)インジウム酸化物は、液晶ディスプレイの透明電極材料として使用される。
- (5)鉛は融点が低く加工しやすい金属であり、鉛ガラスは放射線遮蔽物として使用されている。
正答 (3)
酸化クロム(Ⅵ)(三酸化クロム、CrO₃)は、暗赤色の結晶で、強い酸化力をもつ不安定な物質です。「緑色で化学的に安定」なのは、酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)です。選択肢3は誤りです。
ベリリウム銅は、火花を出しにくい合金です。バナジウムは、耐食性・耐熱性にすぐれ、工具用合金に使われます。インジウム酸化物は、液晶ディスプレイの透明電極材料です。鉛ガラスは、放射線の遮蔽に使われます。
細かい論点なので、深追いは禁物です。酸化クロム(Ⅵ)と酸化クロム(Ⅲ)の色や安定性は、一般的な化学便覧の知識で、プロジェクトの教科書では確認していません。根拠の確認は後回しにしています。
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:いずれも初見の選択肢であり、問題のテーマとしても頻出テーマではないからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「ベリリウムは銀白色の金属であり、銅にベリリウムを添加したベリリウム銅は火花を出しにくい特徴を有している」
- (2)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「バナジウムは耐食性と耐熱性にすぐれており、ドリルなどの工具用合金に使用されている」
- (3)誤った記述正答(初見):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「酸化クロム(Ⅵ)は、緑色で化学的に安定である。(誤りの記述)」
- (4)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「インジウム酸化物は、液晶ディスプレイの透明電極材料として使用される」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「鉛は融点が低く加工しやすい金属であり、鉛ガラスは放射線遮蔽物として使用されている」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)
令和5年度 第1回(2023年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
金属酸化物の酸への溶解に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)酸化コバルト(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。
- (2)酸化鉛(Ⅱ)は、硝酸に溶ける。
- (3)酸化ニッケル(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。
- (4)酸化クロム(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。
- (5)酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。
正答 (4)
酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)は、化学的に非常に安定で、塩酸にほとんど溶けません。「塩酸に溶ける」とする選択肢4は誤りです。
酸化コバルト(Ⅱ)、酸化ニッケル(Ⅱ)、酸化マンガン(Ⅳ)は塩酸に、酸化鉛(Ⅱ)は硝酸に溶けます。
この選択肢と同様の記述は、平成30年度第1回、令和元年度第1回の問題でも出題され、誤りとして扱われています。この問題の正誤は、出題実績にもとづいて判断しています。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「酸の性質と試料の溶解」(過去12回中8回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:酸の性質と試料の溶解(過去12回中8回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)論点「酸化コバルト(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:4回論点「硝酸には、酸化力がある。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「酸化ニッケル(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。」
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:3回論点「酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)は、化学的に非常に安定で、塩酸にほとんど溶けません。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)
令和5年度 第1回(2023年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
作業環境空気中の鉛の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)フレーム原子吸光光度法による鉛の直接法では、酸化炎を使用する。
- (2)原子吸光分析法において、最も強い吸収を受ける共鳴線は 283.3 nm である。
- (3)DDTC と鉛のキレートは、弱酸性から弱アルカリ性の範囲で形成される。
- (4)電気加熱式原子吸光分析法では、塩化鉛は鉛の原子蒸気の生成よりも先に分子の形で蒸発するため、灰化温度が高くとれない。
- (5)誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES 法)では、鉄が多量に共存する場合、測定値に正の影響を及ぼす。
正答 (2)
鉛の原子吸光分析法で、最も強い吸収を示す共鳴線は217.0 nmです。283.3 nmは、実際の測定でS/N比が高いので使われる共鳴線です。「最も強い吸収を受ける共鳴線は283.3 nm」とする選択肢2は誤りです。
電気加熱式原子吸光分析法では、塩化鉛が鉛の原子蒸気より先に分子の形で蒸発するので、灰化温度が高くとれません。DDTCと鉛のキレートは、弱酸性から弱アルカリ性で形成されます。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「フレーム原子吸光光度法による鉛の直接法では、酸化炎を使用する。」
- (2)誤った記述正答(物質の表で解ける):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「原子吸光分析法において、最も強い吸収を受ける共鳴線は 283.3 nm である(誤りの記述)」
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「DDTCと鉛のキレート形成の至適pHは、弱アルカリ性である。」
- (4)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「電気加熱式原子吸光分析法では、鉛の塩化物が低い温度で蒸発しやすいため、灰化温度を高くできない」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:1回論点「誘導結合プラズマ発光分光分析法と比べて感度が高い。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
金属類
得点必須Aトレンド
元素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ヒ素は、典型元素である。
- (2)カドミウムは、遷移元素である。
- (3)ベリリウムは、軽金属元素である。
- (4)水銀は、常温で液体である。
- (5)鉛は、両性金属である。
正答 (2)
カドミウムは、周期表の12族の元素で、d軌道が満たされているため、IUPACの定義では遷移元素に含めません(典型元素として扱われます)。「カドミウムは、遷移元素である」とする選択肢2は誤りです。
ヒ素は典型元素、ベリリウムは軽金属元素です。水銀は、常温で唯一の液体の金属です。鉛は、酸にもアルカリにも溶ける両性金属です。
細かい論点なので、深追いは禁物です。カドミウムを遷移元素に含めない扱い(IUPACの定義)は、プロジェクトの教科書で確認できておらず、一般的な化学の知識による説明です。根拠の確認は後回しにしています。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、正答の選択肢の論点は、通算の回数は少なめですが、直近の回に集中して出題されています(トレンド)。押さえておけば、得点できるからです。
原理から解く:周期律(イオン化エネルギー・イオン半径)(過去12回中3回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「ヒ素は、典型元素である。」
- (2)誤った記述正答(直近のトレンド):全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「遷移元素には、金属元素ではないものがある。(誤りの記述)」原理「周期律(イオン化エネルギー・イオン半径)」:全12回中3回出題
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「ベリリウムは、軽金属元素である。」
- (4)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「水銀は、常温で液体である。」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「鉛は、両性金属である。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
水素化物発生原子吸光分析法によるヒ素の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)石英繊維ろ紙に捕集した試料の加熱溶解には、硝酸と硫酸の混酸が用いられる。
- (2)試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅳ)溶液とヨウ化カリウム溶液が用いられる。
- (3)水素化ヒ素の発生には、亜鉛粉末懸濁液が用いられる。
- (4)ヒ素の原子化には、水素-アルゴンフレームが用いられる。
- (5)ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を水酸化ナトリウム溶液に溶解した後、硫酸と塩酸を加えて調製する。
正答 (2)
水素化物発生原子吸光分析法では、試料液のヒ素を三価にする予備還元に、塩化スズ(Ⅱ)溶液と、ヨウ化カリウム溶液を使います。「塩化スズ(Ⅳ)溶液」とする選択肢2は誤りです。
石英繊維ろ紙に捕集した試料は、硝酸と硫酸の混酸で加熱溶解します。水素化ヒ素(アルシン)の発生には、亜鉛粉末懸濁液を使います。原子化には、水素-アルゴンフレームを使います。標準原液は、三酸化二ヒ素を水酸化ナトリウム溶液に溶かし、硫酸と塩酸を加えて調製します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「水素化物発生法の還元」(過去12回中11回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
物質の表で解く:砒素およびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
原理から解く:水素化物発生法の還元(過去12回中11回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中12回出題(出題確率100%)/同じ記述の出題:7回論点「試料の捕集には、石英繊維ろ紙を用いる。」
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:1回論点「試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:3回論点「亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「水素化ヒ素を加熱して原子化する。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:2回論点「ヒ素標準液は、酸化ヒ素(Ⅲ)をアルカリ溶液に溶解して調製する。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
金属類
何とか得点B消去法で解く
作業環境測定における鉛の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)フレーム原子吸光分析法の直接法では、還元炎を使用する。
- (2)フレーム原子吸光分析法の直接法では、鉄が多量に共存すると鉛の測定値に負の誤差を生じる。
- (3)電気加熱式原子吸光分析法では、鉛の塩化物が低い温度で蒸発しやすいため、灰化温度を高くできない。
- (4)誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)による鉛の測定では、鉄が多量に共存する場合、測定値に正の誤差を生じることがある。
- (5)誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)による鉛の測定では、質量数208のイオン強度(カウント数)を測定し、定量する。
正答 (1)
フレーム原子吸光分析法の直接法では、酸化炎を使います。「還元炎を使用する」とする選択肢1は誤りです。
フレーム法で鉄が多量に共存すると、鉛の測定値に負の誤差が生じます。電気加熱式原子吸光分析法では、塩化鉛が低い温度で蒸発するので、灰化温度を高くできません。ICP-AESでは、鉄が多量に共存すると、正の誤差が生じることがあります。ICP-MSでは、質量数208のイオン強度で定量します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、頻出のおとりパターンである選択肢を除外して、残り2つまで絞り込めるからです。2択になるので、2回に1回は得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(初見):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「フレーム原子吸光分析法の直接法では、還元炎を使用する。(誤りの記述)」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、測定値に負の誤差を与える」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「電気加熱式原子吸光分析法では、鉛の塩化物が低い温度で蒸発しやすいため、灰化温度を高くできない」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:1回論点「誘導結合プラズマ発光分光分析法と比べて感度が高い。」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:1回論点「誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS法)で分析する試料液は、硝酸酸性が望ましい」原理「ICPの原理」:全12回中9回出題
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
令和3年度 第1回(2021年8月実施)
金属類
余裕があれば得点C暗記で解く
次の合金の主たる成分ⒶとⒷとの組合せとして誤っているものはどれか。
| 合金 | Ⓐ | Ⓑ |
| (1) | 真鍮 | 銅 | 亜鉛 |
|---|
| (2) | 青銅 | 銅 | ニッケル |
|---|
| (3) | はんだ | 鉛 | スズ |
|---|
| (4) | ステンレス鋼 | 鉄 | クロム |
|---|
| (5) | 金アマルガム | 金 | 水銀 |
正答 (2)
合金の主たる成分は、次のとおりです。
- 真鍮(黄銅):銅と亜鉛
- 青銅(ブロンズ):銅とスズ。ニッケルではないので、選択肢2は誤りです。
- はんだ:鉛とスズ(現在は、鉛を含まないものも多い)
- ステンレス鋼:鉄とクロム(とニッケル)
- 金アマルガム:金と水銀
よって(2)です。
この問題は、余裕があれば得点したい問題です(学習の優先度:低。過去に1回だけ出題)。
理由:この形式の問題(穴埋め・組合せの問題)は、過去に1回出題されています。余裕があれば、解き方を押さえておくと得点できるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(穴埋め・組合せの問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第1回・2021年8月実施)
令和3年度 第1回(2021年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料中の測定対象物質の濃度と原子吸光の吸光度との間には、ベールの法則が成り立つ。
- (2)測定対象元素の光源には、重水素放電ランプが用いられる。
- (3)フレーム法では、均一な微粒子をバーナーに送る必要がある。
- (4)電気加熱式原子吸光法では、アルゴンや窒素などの不活性気体を通じながら黒鉛炉を加熱する。
- (5)還元気化法で発生させたヒ素の水素化物は、加熱石英セル内で熱分解し、原子化する。
正答 (2)
原子吸光分析法の光源には、測定対象元素の中空陰極ランプ(または無電極放電ランプ)を使います。重水素放電ランプは、バックグラウンド補正に使う光源で、測定対象元素の光源ではありません。「測定対象元素の光源には、重水素放電ランプが用いられる」とする選択肢2は誤りです。
吸光度と濃度の間には、ベールの法則が成り立ちます。フレーム法では、均一な微粒子をバーナーに送る必要があります。電気加熱式では、不活性ガスを通じながら黒鉛炉を加熱します。還元気化法で発生させたヒ素の水素化物は、加熱石英セル内で熱分解して原子化します。
(参考:『機器分析の実務[特定化学物質・金属類・有機溶剤]』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「吸光度測定の条件(吸収極大・加熱後は常温)」(過去12回中8回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:吸光度測定の条件(吸収極大・加熱後は常温)(過去12回中8回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「吸光度が濃度に比例することをベールの法則という。」
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「測定波長が紫外部にある場合は、光源に重水素放電管を用いる。」原理「吸光度測定の条件(吸収極大・加熱後は常温)」:全12回中8回出題
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「フレーム法では、均一な微粒子をバーナーに送る必要がある。」
- (4)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「電気加熱式原子吸光法では、アルゴンや窒素などの不活性気体を通じながら黒鉛炉を加熱する」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「還元気化法で発生させたヒ素の水素化物は、加熱石英セル内で熱分解し、原子化する」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第1回・2021年8月実施)
令和3年度 第1回(2021年8月実施)
金属類
何とか得点B消去法で解く
ベリリウムの蛍光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料の捕集には、ガラス繊維ろ紙を用いる。
- (2)採取した試料を硫酸(1+10)で処理し、試料溶液を調製する。
- (3)試料溶液をアルカリ性にした後、モリンを加えて最終試料溶液とする。
- (4)試料中の亜鉛による妨害を抑制するために、シアン化カリウムを加える。
- (5)モリンが還元されて蛍光強度が低下するのを防ぐために、塩化スズ(Ⅱ)溶液を加える。
正答 (5)
ベリリウムの蛍光光度分析法では、塩化スズ(Ⅱ)を、モリンの酸化を防いで、蛍光強度が低下しないようにするために加えます(還元剤として働きます)。「モリンが還元されて蛍光強度が低下するのを防ぐ」とする選択肢5は、酸化と還元の向きが逆なので誤りです。
試料は、ガラス繊維ろ紙に捕集します。採取した試料を硫酸(1+10)で処理し、アルカリ性にしてから、モリンを加えます。シアン化カリウムは、亜鉛による妨害を抑制するために加えます。 塩化スズ(Ⅱ)は、モリンが酸化されるのを防ぐ作用がある試薬です(ガイドブックの記述)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、頻出のおとりパターンである選択肢を除外して、残り2つまで絞り込めるからです。2択になるので、2回に1回は得点できます。
物質の表で解く:ベリリウムおよびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)論点「ガラス繊維ろ紙で試料を捕集する。」
- (2)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「採取した試料を硝酸で処理し、試料液を調製する。」
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「試料液をアルカリ性にした後、モリンを加えて、最終試料液とする。」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「試料中の亜鉛による妨害を抑制するために、シアン化カリウムを加える」
- (5)誤った記述正答(初見):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「モリンが還元されて蛍光強度が低下するのを防ぐために、塩化スズ(Ⅱ)溶液を加える(誤りの記述)」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第1回・2021年8月実施)
令和3年度 第1回(2021年8月実施)
金属類
失点やむなしD初見
電気加熱式原子吸光分析法によるバナジウムの分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料の捕集には、ガラス繊維ろ紙を用いる。
- (2)市販の標準液を使用し、標準系列を調製する場合は、0.5 mol・L⁻¹ の塩酸で希釈する。
- (3)分析には、パイロチューブ型黒鉛炉を使用する。
- (4)灰化は、1000 ℃ 以下で行う。
- (5)原子化の時間は、長く設定する。
正答 (2)
電気加熱式原子吸光分析法による五酸化バナジウムの分析では、標準系列を、硝酸を用いて希釈して調製します。「0.5 mol/Lの塩酸で希釈する」とする選択肢2は誤りです。
試料の捕集には、ガラス繊維ろ紙を使います。パイロチューブ型の黒鉛炉を使い、灰化は1000℃以下で行います。バナジウムの原子化には高温が必要なので、原子化の時間は長く設定します。
同様の記述は、令和5年度第1回にも出題されています(出題実績)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:いずれも初見の選択肢であり、問題のテーマとしても頻出テーマではないからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)論点「ガラス繊維ろ紙で試料を捕集する。」
- (2)誤った記述正答(初見):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「市販の標準液を使用し、標準系列を調製する場合は、0.5 mol・L⁻¹ の塩酸で希釈する(誤りの記述)」
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「分析には、パイロチューブ型黒鉛炉を使用する。」
- (4)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「灰化は、1000℃以下で行う。」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「原子化の時間は、長く設定する。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第1回・2021年8月実施)
令和3年度 第1回(2021年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
作業環境空気中の鉛のろ過捕集法-原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸で加熱溶解して調製する。
- (2)鉛を MIBK に抽出するキレート剤には、APDC、DDTC などが用いられる。
- (3)キレート剤には、微量の重金属が混入している場合がある。
- (4)溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値にプラスの影響を及ぼす。
- (5)電気加熱式の灰化段階で、塩化鉛は蒸発しやすい。
正答 (4)
フレーム原子吸光分析法(溶媒抽出法を用いない)で、試料中に鉄が多量に共存すると、鉛の測定値にマイナスの影響を及ぼします。「プラスの影響を及ぼす」とする選択肢4は誤りです。
試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を、硝酸または塩酸で加熱溶解して調製します。キレート剤(APDC、DDTC)には、微量の重金属が混入している場合があります。電気加熱式の灰化段階では、塩化鉛が蒸発しやすいです。
同様の記述は、令和6年度第1回などにも出題されています(出題実績)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「干渉とその抑制」(過去12回中12回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
原理から解く:干渉とその抑制(過去12回中12回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液は、ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸に溶解して調製する。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「キレート剤には、微量の重金属が混入している場合がある。」
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値にプラスの影響を及ぼす」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「電気加熱式の灰化段階で、塩化鉛は蒸発しやすい。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第1回・2021年8月実施)
令和2年度 第1回(2020年8月実施)
金属類
得点必須Aトレンド
金属の化学的性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)クロムは、濃硝酸に溶ける。
- (2)コバルトは、塩酸に溶ける。
- (3)アンチモンは、王水に溶ける。
- (4)鉛は、硝酸に溶ける。
- (5)ニッケルは、希硝酸に溶ける。
正答 (1)
クロムは、濃硝酸には、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて溶けません。「濃硝酸に溶ける」とする選択肢1は誤りです。
コバルトは塩酸に、アンチモンは王水に、鉛は硝酸に、ニッケルは希硝酸に溶けます。同じ記述は、令和6年度第1回にも出題されています(出題実績)。
クロムは、濃硝酸や王水に対しては、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて、ほとんど溶けません(希塩酸には溶けます)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)
令和2年度 第1回(2020年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
金属の定量に用いられる試薬に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ブロムフェノールブルー溶液は、pH 4.6 以上で青紫色を示す。
- (2)N-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミン(NBPHA)は、バナジウムの発色試薬として用いられる。
- (3)塩酸ヒドロキシルアミンは、還元剤として用いられる。
- (4)ヒ素分析用亜鉛粉末は、水素化ヒ素を発生させるために用いられる。
- (5)ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムは、緩衝剤として用いられる。
正答 (5)
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC)は、金属とキレートをつくるキレート剤です。緩衝剤ではありません。「緩衝剤として用いられる」とする選択肢5は誤りです。
ブロムフェノールブルー溶液は、pH4.6以上で青紫色を示します。NBPHAは、バナジウムの発色試薬です。塩酸ヒドロキシルアミンは、還元剤です。ヒ素分析用亜鉛粉末は、水素化ヒ素を発生させるために使います。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」(過去12回中12回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)(過去12回中12回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)論点「ブロムフェノールブルー溶液は、pH4.6以上で青紫色を示す。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「吸光光度分析法の発色試薬には、N-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミンを用いる」
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「塩酸ヒドロキシルアミンは、還元剤として用いられる。」原理「緩衝剤・マスキング剤・還元剤」:全12回中11回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (5)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中3回出題(出題確率25%)論点「ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムは、緩衝剤として用いられる。(誤りの記述)」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC)は、金属とキレートをつくるキレート剤です。緩衝剤ではありません。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)
令和2年度 第1回(2020年8月実施)
金属類
得点必須A暗記で解く
作業環境空気中の鉛のろ過捕集法-原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)標準液の調製には、硝酸鉛を使用する。
- (2)鉛の分析は、安定した青色の炎で行う。
- (3)硫酸の使用は、干渉の原因となる場合がある。
- (4)測定波長 283.3 nm での感度は、217.0 nm に比べて高い。
- (5)溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、測定値に負の誤差を与える。
正答 (4)
鉛の最も強い吸収を示す共鳴線は、217.0 nmです。283.3 nmは、実際の測定でS/N比が高いので使われますが、感度は、217.0 nmに比べて低いです。「283.3 nmでの感度は、217.0 nmに比べて高い」とする選択肢4は誤りです。
標準液の調製には、硝酸鉛を使います。鉛の分析は、安定した青色の炎で行います。硫酸は、干渉の原因になることがあります。溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、測定値に負の誤差を与えます。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」(過去12回中6回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「標準液の調製には、硝酸鉛を使用する。」
- (2)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「鉛の分析は、安定した青色の炎で行う。」
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「硫酸は、干渉の原因となる。」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
- (4)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、測定値に負の誤差を与える」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)
令和2年度 第1回(2020年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
作業環境中の空気を 20 L・min⁻¹ で10分間捕集し、フィルター上に鉛を含む粒子を捕集した後、酸抽出などの前処理を行い 100 mL の試料溶液を得た。試料溶液中の鉛濃度を電気加熱式原子吸光分析法により測定したところ 0.06 µg・mL⁻¹であった。作業環境空気中の鉛の濃度として正しい値(単位 mg・m⁻³)は次のうちどれか。
- (1)0.01
- (2)0.03
- (3)0.06
- (4)0.12
- (5)0.30
正答 (2)
次の順で計算します。
- 試料溶液中の鉛の量:0.06 µg/mL × 100 mL = 6 µg
- 捕集した空気の量:20 L/min × 10 min = 200 L = 0.2 m³
- 濃度:6 µg ÷ 0.2 m³ = 30 µg/m³ = 0.03 mg/m³
よって(2)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
試料液中の鉛の量÷吸引空気量(m³)で濃度を求める。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)
令和元年度 第1回(2019年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
金属酸化物の酸への溶解に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。
- (2)酸化鉛(Ⅱ)は、硝酸に溶ける。
- (3)酸化亜鉛(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。
- (4)酸化クロム(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。
- (5)酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。
正答 (4)
酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)は、化学的に非常に安定で、塩酸にほとんど溶けません。「塩酸に溶ける」とする選択肢4は誤りです。同じ記述は、平成30年度第1回、令和5年度第1回にも出題されています(出題実績)。
酸化鉄(Ⅲ)、酸化亜鉛(Ⅱ)、酸化マンガン(Ⅳ)は塩酸に、酸化鉛(Ⅱ)は硝酸に溶けます。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「酸の性質と試料の溶解」(過去12回中8回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:酸の性質と試料の溶解(過去12回中8回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:2回論点「酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:4回論点「硝酸には、酸化力がある。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)/同じ記述の出題:4回論点「酸化亜鉛(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。」
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:3回論点「酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)は、化学的に非常に安定で、塩酸にほとんど溶けません。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第1回・2019年8月実施)
令和元年度 第1回(2019年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
水素化物発生原子吸光分析法によるヒ素の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)石英繊維ろ紙に捕集した試料の加熱溶解には、硝酸と硫酸の混酸が用いられる。
- (2)試料溶液のヒ素(Ⅴ)をヒ素(Ⅲ)に予備還元するために、塩化スズ(Ⅳ)が用いられる。
- (3)水素化ヒ素は、塩酸酸性溶液に亜鉛粉末を加えることで発生させる。
- (4)ヒ素の原子化には、水素-アルゴン炎が用いられる。
- (5)ヒ素の標準液は、三酸化二ヒ素を水酸化ナトリウムに溶解したのち、硫酸と塩酸を加えて調製する。
正答 (2)
水素化物発生原子吸光分析法では、試料溶液のヒ素(Ⅴ)をヒ素(Ⅲ)に予備還元するために、塩化スズ(Ⅱ)(とヨウ化カリウム)を使います。「塩化スズ(Ⅳ)」とする選択肢2は誤りです。同様の記述は、令和2年度第1回などにも出題されています(出題実績)。
石英繊維ろ紙に捕集した試料は、硝酸と硫酸の混酸で加熱溶解します。水素化ヒ素は、塩酸酸性溶液に亜鉛粉末を加えて発生させます。原子化には、水素-アルゴン炎を使います。ヒ素の標準液は、三酸化二ヒ素を水酸化ナトリウムに溶解したのち、硫酸と塩酸を加えて調製します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「水素化物発生法の還元」(過去12回中11回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
物質の表で解く:砒素およびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
原理から解く:水素化物発生法の還元(過去12回中11回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中12回出題(出題確率100%)/同じ記述の出題:7回論点「試料の捕集には、石英繊維ろ紙を用いる。」
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:1回論点「試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「水素化ヒ素を加熱して原子化する。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:2回論点「ヒ素標準液は、酸化ヒ素(Ⅲ)をアルカリ溶液に溶解して調製する。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第1回・2019年8月実施)
令和元年度 第1回(2019年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
ろ過捕集法-原子吸光分析法による鉛の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)グラスファイバーろ紙による捕集の場合、溶媒抽出によらないフレーム法では、ケイ酸による干渉が起こることがある。
- (2)鉛を MIBK に抽出するキレート剤には、APDC を用いることができる。
- (3)DDTC と鉛のキレート形成の至適 pH は、弱アルカリ性である。
- (4)溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値に正の誤差を生じる。
- (5)分析線 217.0 nm は、283.3 nm よりノイズが大きい。
正答 (4)
溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、鉛の測定値に負の誤差を生じます。「正の誤差を生じる」とする選択肢4は誤りです。同様の記述は、令和3年度第1回、令和6年度第1回にも出題されています(出題実績)。
グラスファイバーろ紙による捕集では、ケイ酸による干渉が起こることがあります。APDCは、鉛をMIBKに抽出するキレート剤として使えます。DDTCと鉛のキレート形成の至適pHは、弱アルカリ性です。分析線217.0 nmは、283.3 nmよりノイズが大きいです。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「干渉とその抑制」(過去12回中12回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
原理から解く:干渉とその抑制(過去12回中12回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「グラスファイバーろ紙による捕集の場合、溶媒抽出によらないフレーム法では、ケイ酸による干渉が起こることがある」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「DDTCと鉛のキレート形成の至適pHは、弱アルカリ性である。」
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「溶媒抽出によらないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、測定値に負の誤差を与える」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第1回・2019年8月実施)
平成30年度 第1回(2018年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
金属酸化物の酸への溶解に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)酸化ニッケル(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。
- (2)酸化クロム(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。
- (3)酸化コバルト(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。
- (4)酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。
- (5)酸化鉛(Ⅱ)は、硝酸に溶ける。
正答 (2)
酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)は、化学的に非常に安定で、塩酸にほとんど溶けません。「塩酸に溶ける」とする選択肢2は誤りです。同じ記述は、令和元年度第1回、令和5年度第1回にも出題されています(出題実績)。
酸化ニッケル(Ⅱ)、酸化コバルト(Ⅱ)、酸化マンガン(Ⅳ)は塩酸に、酸化鉛(Ⅱ)は硝酸に溶けます。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「酸の性質と試料の溶解」(過去12回中8回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:酸の性質と試料の溶解(過去12回中8回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「酸化ニッケル(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。」
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:3回論点「酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)論点「酸化コバルト(Ⅱ)は、塩酸に溶ける。」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:4回論点「硝酸には、酸化力がある。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
酸化クロム(Ⅲ)(Cr₂O₃)は、化学的に非常に安定で、塩酸にほとんど溶けません。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成30年度 第1回・2018年8月実施)
平成30年度 第1回(2018年8月実施)
金属類
得点必須A暗記で解く
水素化物発生原子吸光分析法によるヒ素の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)石英繊維ろ紙に捕集した試料の加熱溶解には、硝酸と硫酸の混酸を用いる。
- (2)試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる。
- (3)水素化ヒ素の発生には、亜鉛粉末懸濁液を用いる。
- (4)ヒ素の原子化には、水素-アルゴンフレームを用いる。
- (5)ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を希硝酸で溶解して調製する。
正答 (5)
ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を、水酸化ナトリウム溶液に溶解して調製します。「希硝酸で溶解して調製する」とする選択肢5は誤りです。同じ記述は、令和2年度第1回にも出題されています(出題実績)。
石英繊維ろ紙に捕集した試料は、硝酸と硫酸の混酸で加熱溶解します。予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを使います。水素化ヒ素の発生には、亜鉛粉末懸濁液を使います。原子化には、水素-アルゴンフレームを使います。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を10M硝酸で溶解して調製する。」(過去12回中4回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:砒素およびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中12回出題(出題確率100%)/同じ記述の出題:7回論点「試料の捕集には、石英繊維ろ紙を用いる。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:3回論点「亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「水素化ヒ素を加熱して原子化する。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (5)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:3回論点「ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を10M硝酸で溶解して調製する。」
ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を、水酸化ナトリウム溶液に溶解して調製します(のちに、硫酸や塩酸を加えて中和します)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成30年度 第1回・2018年8月実施)
平成30年度 第1回(2018年8月実施)
金属類
得点必須A暗記で解く
環境空気中の鉛のろ過捕集法-原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸で加熱溶解して調製する。
- (2)鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる。
- (3)キレート剤のDDTCは、酸によって分解されやすい。
- (4)電気加熱式では、塩化物としての蒸発を防ぐために過酸化水素水が添加される。
- (5)共鳴線217.0nmは、283.3nmよりもS/N比が高い。
正答 (5)
鉛の共鳴線のうち、217.0 nmは、光源強度が低く、ノイズが大きいので、S/N比は、283.3 nmより低くなります。「217.0 nmは、283.3 nmよりもS/N比が高い」とする選択肢5は誤りです。同様の記述は、令和3年度第1回などにも出題されています(出題実績)。
試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を、硝酸または塩酸で加熱溶解して調製します。鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを使います。DDTCは、酸によって分解されやすいです。電気加熱式では、塩化物としての蒸発を防ぐために、過酸化水素水を添加します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」(過去12回中6回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液は、ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸に溶解して調製する。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:3回論点「DDTCは、キレート剤として用いられる。」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (4)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「電気加熱式では、塩化物としての蒸発を防ぐために過酸化水素水が添加される」
- (5)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成30年度 第1回・2018年8月実施)
平成29年度 第1回(2017年8月実施)
金属類
得点必須A暗記で解く
環境空気中の鉛のろ過捕集法-原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸で加熱溶解して調製する。
- (2)キレート剤のDDTCは、酸によって分解されやすい。
- (3)溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値にマイナスの影響を及ぼす。
- (4)有機溶媒抽出後にフレーム法で分析する場合は、アセチレンの流量を減らす。
- (5)分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが小さい。
正答 (5)
鉛の分析線のうち、217.0 nmは、光源強度が低く、ノイズが大きい波長です。283.3 nmのほうが、ノイズが小さく、S/N比が高いので、実際の測定に使われます。「分析線217.0 nmは、283.3 nmよりノイズが小さい」とする選択肢5は誤りです。同様の記述は、平成30年度第1回などにも出題されています(出題実績)。
試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を、硝酸または塩酸で加熱溶解して調製します。DDTCは、酸によって分解されやすいです。溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、測定値にマイナスの影響を及ぼします。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」(過去12回中6回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液は、ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸に溶解して調製する。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:3回論点「DDTCは、キレート剤として用いられる。」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値にプラスの影響を及ぼす」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「アセチレンの流量を少なくしたフレームを用いる。」原理「フレームの種類と原子化」:全12回中11回出題
- (5)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:2回論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」
鉛の分析線のうち、217.0 nmは、光源強度が低く、ノイズが大きい波長です。283.3 nmのほうが、ノイズが小さく、S/N比が高いので、実際の測定に使われます。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成29年度 第1回・2017年8月実施)
平成29年度 第1回(2017年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
環境空気中の鉛を、30L/minの一定流量で10分間グラスファイバーろ紙に捕集した。そのろ紙を共栓試験管に入れ、2.5mol/L硝酸50mLで抽出した。その後、抽出液を200mLメスフラスコ中に吸引ろ過し、洗液を加え精製水で200mLに調製した。このろ液を原子吸光光度計で測定したところ、鉛濃度は0.24μg/mLとなった。環境空気中の鉛濃度として、正しい値は次のうちどれか。
- (1)0.08mg/m³
- (2)0.12mg/m³
- (3)0.16mg/m³
- (4)0.24mg/m³
- (5)0.32mg/m³
正答 (3)
次の順で計算します。
- 試料液中の鉛の量:0.24 µg/mL × 200 mL = 48 µg
- 捕集した空気の量:30 L/min × 10 min = 300 L = 0.3 m³
- 濃度:48 µg ÷ 0.3 m³ = 160 µg/m³ = 0.16 mg/m³
よって(3)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
試料液中の鉛の量(µg/mL×mL)÷吸引空気量(m³)=µg/m³。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成29年度 第1回・2017年8月実施)
平成28年度 第1回(2016年8月実施)
金属類
余裕があれば得点C暗記で解く
金属の化学的性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)カドミウムは、希硝酸に溶ける。
- (2)クロムは、王水に溶ける。
- (3)バナジウムは、希硝酸と過酸化水素水の混合液に溶ける。
- (4)水銀は、王水に溶ける。
- (5)鉛は、硝酸に溶ける。
正答 (2)
クロムは、濃硝酸や王水に対しては、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて、ほとんど溶けません(希塩酸には溶けます)。「クロムは、王水に溶ける」とする選択肢2は誤りです。
カドミウムは希硝酸に、バナジウムは希硝酸と過酸化水素水の混合液に、水銀は王水に、鉛は硝酸に溶けます。
細かい論点なので、深追いは禁物です。クロムが王水に溶けにくい(不動態になる)、という点は、プロジェクトの教科書で確認できておらず、一般的な化学の知識による説明です。根拠の確認は後回しにしています。
この問題は、余裕があれば得点したい問題です(学習の優先度:低。過去に1回だけ出題)。
理由:正答の選択肢の論点は、過去に1回だけ出題されています。頻出ではありませんが、既出なので、余裕があれば押さえておくと得点できるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「捕集されたカドミウムは、硝酸を用いて溶解する。」
- (2)誤った記述正答(過去に1回出題):全12回中2回出題(出題確率17%)論点「クロムは、王水に溶ける。(誤りの記述)」
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「バナジウムは、希硝酸と過酸化水素水の混合液に溶ける。」
- (4)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「クロムは、王水に溶ける。(誤りの記述)」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:4回論点「硝酸には、酸化力がある。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
クロムは、濃硝酸や王水に対しては、表面に緻密な酸化被膜(不動態)ができて、ほとんど溶けません(希塩酸には溶けます)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成28年度 第1回・2016年8月実施)
平成28年度 第1回(2016年8月実施)
金属類
得点必須S原理で解く
金属酸化物の酸への溶解に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。
- (2)酸化鉛(Ⅱ)は、硝酸に溶ける。
- (3)酸化クロム(Ⅲ)は、塩酸に溶けない。
- (4)酸化マンガン(Ⅳ)は、硝酸に溶ける。
- (5)酸化バナジウム(Ⅴ)は、硫酸に溶ける。
正答 (4)
酸化マンガン(Ⅳ)(MnO₂)は、塩酸に溶けますが、硝酸には溶けません。「硝酸に溶ける」とする選択肢4は誤りです。令和元年度第1回の問題では、「酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける」が、正しい記述として出題されています(出題実績)。
酸化鉄(Ⅲ)は塩酸に、酸化鉛(Ⅱ)は硝酸に、酸化バナジウム(Ⅴ)は硫酸に溶けます。酸化クロム(Ⅲ)は、塩酸に溶けません。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「酸の性質と試料の溶解」(過去12回中8回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:酸の性質と試料の溶解(過去12回中8回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:2回論点「酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:4回論点「硝酸には、酸化力がある。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:1回論点「酸化鉄(Ⅲ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「酸化マンガン(Ⅳ)は、塩酸に溶ける。」原理「酸の性質と試料の溶解」:全12回中8回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「酸化バナジウム(Ⅴ)は、硫酸に溶ける。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成28年度 第1回・2016年8月実施)
平成28年度 第1回(2016年8月実施)
金属類
得点必須A暗記で解く
水素化物発生原子吸光分析法によるヒ素の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)石英繊維ろ紙に捕集した試料の加熱溶解には、硝酸・硫酸の混酸が用いられる。
- (2)試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムが用いられる。
- (3)水素化ヒ素の発生には、亜鉛粉末懸濁液が用いられる。
- (4)ヒ素の原子化には、水素-アルゴンフレームが用いられる。
- (5)ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を希硝酸で溶解して調製する。
正答 (5)
ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を、水酸化ナトリウム溶液に溶解して調製します。「希硝酸で溶解して調製する」とする選択肢5は誤りです。同じ記述は、令和2年度第1回にも出題されています(出題実績)。
石英繊維ろ紙に捕集した試料は、硝酸・硫酸の混酸で加熱溶解します。予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを使います。水素化ヒ素の発生には、亜鉛粉末懸濁液を使います。原子化には、水素-アルゴンフレームを使います。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を10M硝酸で溶解して調製する。」(過去12回中4回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:砒素およびその化合物(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中12回出題(出題確率100%)/同じ記述の出題:7回論点「試料の捕集には、石英繊維ろ紙を用いる。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液のヒ素を三価にする予備還元には、塩化スズ(Ⅱ)とヨウ化カリウムを用いる」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:3回論点「亜鉛粉末懸濁液は、水素化ヒ素の発生に用いる。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「水素化ヒ素を加熱して原子化する。」原理「水素化物発生法の還元」:全12回中11回出題
- (5)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:3回論点「ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を10M硝酸で溶解して調製する。」
ヒ素の標準原液は、三酸化二ヒ素を、水酸化ナトリウム溶液に溶解して調製します(のちに、硫酸や塩酸を加えて中和します)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成28年度 第1回・2016年8月実施)
平成28年度 第1回(2016年8月実施)
金属類
得点必須A暗記で解く
環境空気中の鉛のろ過捕集法-原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸で加熱溶解して調製する。
- (2)鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC,DDTCなどが用いられる。
- (3)キレート剤のDDTCは、酸によって分解されやすい。
- (4)溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値にマイナスの影響を及ぼす。
- (5)分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが小さい。
正答 (5)
鉛の分析線のうち、217.0 nmは、光源強度が低く、ノイズが大きい波長です。283.3 nmのほうが、ノイズが小さく、S/N比が高いので、実際の測定に使われます。「分析線217.0 nmは、283.3 nmよりノイズが小さい」とする選択肢5は誤りです。同様の記述は、平成29年度第1回などにも出題されています(出題実績)。
試料液は、ガラス繊維ろ紙に捕集した試料を、硝酸または塩酸で加熱溶解して調製します。鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを使います。DDTCは、酸によって分解されやすいです。溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると、マイナスの影響を及ぼします。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」(過去12回中6回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液は、ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸に溶解して調製する。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:3回論点「DDTCは、キレート剤として用いられる。」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「溶媒抽出法を用いないフレーム法では、鉄が多量に共存すると測定値にプラスの影響を及ぼす」原理「干渉とその抑制」:全12回中12回出題
- (5)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:2回論点「分析線217.0nmは、283.3nmよりノイズが大きい。」
鉛の分析線のうち、217.0 nmは、光源強度が低く、ノイズが大きい波長です。283.3 nmのほうが、ノイズが小さく、S/N比が高いので、実際の測定に使われます。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成28年度 第1回・2016年8月実施)
平成27年度 第1回(2015年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
環境空気中の鉛のろ過捕集法-原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料液は、ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸に溶解して調製する。
- (2)鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC,DDTCなどが用いられる。
- (3)鉛の錯体を抽出したMIBK溶液は、測定まで常温で数時間の放置ができる。
- (4)溶媒抽出法により、陰イオンなどの干渉を防ぐことができる。
- (5)測定波長は、283.3nmが推奨される。
正答 (3)
鉛のAPDC・DDTCなどの錯体を抽出したMIBK溶液は、時間とともに状態が変わるので、速やかに測定します。「測定まで常温で数時間の放置ができる」とする選択肢3は誤りです。
試料液は、ろ紙に捕集した試料を、硝酸または塩酸に溶解して調製します。鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを使います。溶媒抽出法により、陰イオンなどの干渉を防げます。測定波長は、283.3 nmが推奨されます。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
細かい論点なので、深追いは禁物です。鉛錯体のMIBK溶液を、測定まで放置できない、という点は、ガイドブック4で確認できておらず、一般的な知識による説明です。根拠の確認は後回しにしています。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「試料液は、ろ紙に捕集した試料を硝酸又は塩酸に溶解して調製する。」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:4回論点「鉛をMIBKに抽出するキレート剤には、APDC、DDTCなどを用いる」原理「キレート剤による溶媒抽出(APDC・DDTC・MIBK)」:全12回中12回出題
- (3)誤った記述正答(物質の表で解ける):全12回中1回出題(出題確率8%)論点「鉛の錯体を抽出したMIBK溶液は、測定まで常温で数時間の放置ができる(誤りの記述)」
- (4)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「溶媒抽出法により、陰イオンなどの干渉を防ぐことができる。」
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「測定波長は、283.3nmが推奨される。」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成27年度 第1回・2015年8月実施)
平成27年度 第1回(2015年8月実施)
金属類
何とか得点B物質の表で解く
水溶液50mL中の鉛イオン40.0μgから形成されるDDTC錯体をMIBK5mLで抽出する。鉛イオンのDDTC錯体のMIBK相と水相との分配係数K、すなわち、抽出平衡後のMIBK相と水相との錯体の濃度比([鉛]MIBK相/[鉛]水相)を200と仮定した場合、水相に残る錯体の量(鉛イオン換算)として最も近い値は次のうちどれか。
- (1)1.70μg
- (2)1.80μg
- (3)1.90μg
- (4)2.00μg
- (5)2.10μg
正答 (3)
水相に残る錯体の量を m µg とすると、MIBK相には(40.0 − m)µg 入ります。濃度比が200なので、
((40.0 − m)/5 mL)/(m/50 mL)= 200
(40.0 − m)× 10 / m = 200
400 − 10m = 200m
m = 400/210 ≒ 1.90 µg
よって(3)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、物質別の暗記リスト(ガイドブックの物質別各論の表)の物質「鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)」から、解けるからです。過去の出題が少なくても、表を押さえておけば、得点できます。
物質の表で解く:鉛およびその化合物(アルキル鉛を除く)(ガイドブックの物質別各論)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
分配係数=[有機相]/[水相]。量を濃度(量÷体積)に直して方程式を立てる。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成27年度 第1回・2015年8月実施)