問9
金属の定量に用いられる試薬に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)pH指示薬のチモールブルーは、アルカリ性側では黄色から青色に変色する。
- (2)塩酸ヒドロキシルアミンは、キレート剤として用いられる。
- (3)ジチゾン(ジフェニルチオカルバゾン)は、多くの金属とキレートを形成する。
- (4)ジフェニルカルバジドは、硫酸酸性下でクロム(Ⅵ)の発色に用いられる。
- (5)硫酸アンモニウムは、溶媒抽出の際に塩析剤として用いられる。
正答 (2)
塩酸ヒドロキシルアミンは、還元剤として使う試薬です(たとえば、水銀の測定で、過剰の過マンガン酸カリウムを還元します)。キレート剤ではないので、選択肢2は誤りです。
チモールブルーは、アルカリ性側で黄色から青色に変色するpH指示薬です。ジチゾンは、多くの金属とキレートを形成します。ジフェニルカルバジドは、硫酸酸性下で、クロム(Ⅵ)の発色に使います。硫酸アンモニウムは、溶媒抽出で塩析剤として使います。
(参考:『作業環境測定ガイドブック4 金属類 物質別各論』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「緩衝剤・マスキング剤・還元剤」(過去12回中11回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:緩衝剤・マスキング剤・還元剤(過去12回中11回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「pH指示薬のチモールブルーは、アルカリ性側では黄色から青色に変色する」
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「塩酸ヒドロキシルアミンは、還元剤として用いられる。」原理「緩衝剤・マスキング剤・還元剤」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「ジチゾン(ジフェニルチオカルバゾン)は、多くの金属とキレートを形成する」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中7回出題(出題確率58%)/同じ記述の出題:1回論点「ジフェニルカルバジドは、バナジウムとも反応し発色する。」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:2回論点「硫酸アンモニウムは、溶媒抽出の際に抽出効率を高めるために用いられる」
この問題のひっかけパターン:塩酸ヒドロキシルアミンは還元剤(キレート剤ではない)
塩酸ヒドロキシルアミンは、還元剤として使う試薬です(たとえば、水銀の測定で、過剰の過マンガン酸カリウムを還元します)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)