物質量・モル質量・アボガドロ定数
分析に関する概論・原理・過去23回中9回、関連する論点が出題
原理
物質量(mol)は、粒子の数を、アボガドロ定数(6.02×10²³)で割ったもの。質量÷モル質量で求める。
n = m ÷ M
この原理で解ける論点は15個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(8問)
令和8年度 第1回(2026年8月実施)
分析に関する概論
得点必須Sトレンド
エチレン(C₂H₄)とエタン(C₂H₆)の燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)エチレンの完全燃焼に必要な酸素の物質量は、エチレンの物質量の3倍である。
- (2)エタンの完全燃焼に必要な酸素の物質量は、エタンの物質量の5倍である。
- (3)エチレンの完全燃焼で生成する二酸化炭素と水の物質量は等しい。
- (4)エタンの完全燃焼で生成する二酸化炭素の物質量は、エタンの物質量の2倍である。
- (5)エタンの完全燃焼で生成する水の物質量は、エタンの物質量の3倍である。
正答 (2)
完全燃焼の反応式を書いて、係数を比べます。
C₂H₄ + 3O₂ → 2CO₂ + 2H₂O
C₂H₆ + 7/2 O₂ → 2CO₂ + 3H₂O
エタンの完全燃焼に必要な酸素は、エタンの 3.5 倍(7/2 倍)です。選択肢2は「5倍」としているので誤りです。
炭化水素 CₘHₙ の完全燃焼では、二酸化炭素が m 個、水が n/2 個できるので、必要な酸素は m + n/4 個になります。この関係を使えば、反応式を書かなくても係数を確かめられます。
- (1)正しい。C₂H₄ 1 mol に O₂ は 3 mol。
- (2)誤り。C₂H₆ 1 mol に O₂ は 3.5 mol。
- (3)正しい。CO₂ も H₂O も 2 mol ずつで等しい。
- (4)正しい。C₂H₆ 1 mol から CO₂ は 2 mol。
- (5)正しい。C₂H₆ 1 mol から H₂O は 3 mol。
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
分析に関する概論
得点必須Sトレンド
空気中でメタン(CH₄)、エタン(C₂H₆)を完全燃焼させたときの反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)メタンの完全燃焼に必要な酸素量は、メタンの物質量の2倍である。
- (2)エタンの完全燃焼に必要な酸素量は、エタンの物質量の3.5倍である。
- (3)メタンの完全燃焼で生成する二酸化炭素量は、メタンの物質量と等しい。
- (4)エタンの完全燃焼で生成する二酸化炭素量は、エタンの物質量と等しい。
- (5)いずれの反応でも、二酸化炭素の他に水蒸気が発生する。
正答 (4)
エタン(C₂H₆)の完全燃焼は 2C₂H₆ + 7O₂ → 4CO₂ + 6H₂O なので、エタン1 mol から二酸化炭素は 2 mol できます。エタンの物質量と「等しい」とする選択肢4は誤りです。
メタンは CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O で、酸素量はメタンの2倍、二酸化炭素量はメタンと等しくなります(選択肢1・3)。エタンの酸素量は 3.5 倍(選択肢2)で、どちらも水蒸気が発生します(選択肢5)。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、正答の選択肢の論点は、直近の回に集中して出題されています(トレンド)。通算の回数以上に、次も出やすいので、最優先で押さえるべきだからです。
原理から解く:物質量・モル質量・アボガドロ定数(過去23回中9回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「メタンの完全燃焼に必要な酸素量は、メタンの物質量の2倍である。」原理「物質量・モル質量・アボガドロ定数」:全23回中9回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「エタンの完全燃焼に必要な酸素量は、エタンの物質量の3.5倍である」原理「物質量・モル質量・アボガドロ定数」:全23回中9回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「エチレンの完全燃焼で生成する二酸化炭素と水の物質量は等しい。」原理「物質量・モル質量・アボガドロ定数」:全23回中9回出題
- (4)誤った記述正答(直近のトレンド):全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「エチレンの完全燃焼で生成する二酸化炭素と水の物質量は等しい。」原理「物質量・モル質量・アボガドロ定数」:全23回中9回出題
- (5)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「いずれの反応でも、二酸化炭素の他に水蒸気が発生する。」
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
令和2年度 第2回(2021年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
空気中でメタン(CH₄)を完全燃焼させたときに、生成する二酸化炭素の物質量に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)メタンの0.5倍の物質量である。
- (2)メタンの等倍の物質量である。
- (3)メタンの1.5倍の物質量である。
- (4)メタンの2倍の物質量である。
- (5)メタンの4倍の物質量である。
正答 (2)
メタンの完全燃焼は CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O で、メタン1分子から二酸化炭素1分子ができます。よって、生成する二酸化炭素の物質量はメタンと等倍で、(2)が正しいものです。
炭化水素の燃焼では、二酸化炭素の物質量は炭素の数で決まります。メタンは炭素1つなので1倍です。
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第2回・2021年2月実施)
令和元年度 第2回(2020年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A原理で解く
- (1)アボガドロ定数の数の物質粒子(原子、分子、イオンなど)の物質量は、1モルである。
- (2)陽子数が同じで、中性子数が異なるものを同位体という。
- (3)分子量は、分子を構成する原子の原子量の総和である。
- (4)アボガドロ定数は、天然の炭素 12 g に含まれる原子数と同じである。
- (5)原子量は、¹²C の質量を基準として定められている。
正答 (4)
アボガドロ定数は、¹²C(炭素12)12 g に含まれる原子の数をもとに定められた値です。天然の炭素には ¹³C なども含まれるので、「天然の炭素 12 g」とする選択肢4は誤りです。
なお、2019年の SI の改定で、アボガドロ定数は 6.02214076 × 10²³ mol⁻¹ という定義値になりました。
単位はmol⁻¹(1molあたりの粒子の数)。値は定義値で、「天然の炭素12g中の原子数」ではない。
なぜ?「1molあたり何個」なので、単位は個÷mol=mol⁻¹になる。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第2回・2020年2月実施)
令和元年度 第2回(2020年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
空気中でメタン(CH₄)を完全燃焼させたときに、消費された酸素の物質量に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)メタンの 0.5 倍の物質量である。
- (2)メタンの等倍の物質量である。
- (3)メタンの 1.5 倍の物質量である。
- (4)メタンの2倍の物質量である。
- (5)メタンの3倍の物質量である。
正答 (4)
メタンの完全燃焼は CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O なので、消費される酸素の物質量はメタンの2倍です。よって(4)が正しいものです。
令和2年度第2回では、同じ反応式から生成する二酸化炭素(等倍)が問われています。
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第2回・2020年2月実施)
平成29年度 第2回(2018年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
エタン(C₂H₆)を酸素過剰の状態で燃焼させたとき、生成する二酸化炭素の物質量に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)エタンの0.5倍の物質量である。
- (2)エタンの等倍の物質量である。
- (3)エタンの1.5倍の物質量である。
- (4)エタンの2倍の物質量である。
- (5)エタンの4倍の物質量である。
正答 (4)
エタンの完全燃焼は 2C₂H₆ + 7O₂ → 4CO₂ + 6H₂O で、エタン1分子から二酸化炭素2分子ができます。よって、二酸化炭素の物質量はエタンの2倍で、(4)が正しいものです。
炭化水素の燃焼では、二酸化炭素の物質量は炭素の数で決まります。メタン(令和2年度第2回)は1倍、エタンは2倍です。
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成29年度 第2回・2018年2月実施)
平成28年度 第2回(2017年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
エタンを酸素過剰の状態で燃焼させたとき、生成する二酸化炭素の物質量に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)エタンの1/2の物質量である。
- (2)エタンと同じ物質量である。
- (3)エタンの2倍の物質量である。
- (4)エタンの3倍の物質量である。
- (5)エタンの4倍の物質量である。
正答 (3)
エタン(C₂H₆)1分子の燃焼で、二酸化炭素は2分子できます。よって、生成する二酸化炭素の物質量はエタンの2倍で、(3)が正しいものです。
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成28年度 第2回・2017年2月実施)
平成27年度 第2回(2016年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
メタンを酸素過剰の状態で燃焼させたとき、生成する二酸化炭素の物質量に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)メタンの1/2の物質量である。
- (2)メタンと同じ物質量である。
- (3)メタンの2倍の物質量である。
- (4)メタンの3倍の物質量である。
- (5)メタンの4倍の物質量である。
正答 (2)
メタンの完全燃焼は CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O なので、生成する二酸化炭素の物質量はメタンと同じです。よって(2)が正しいものです。
CaCO₃+2HCl、CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O など、反応式の係数がmolの比。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成27年度 第2回・2016年2月実施)