問15
吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)通常、青色溶液の可視部の主な吸収波長域は、赤色溶液のそれより短波長側にある。
- (2)定量分析の測定波長は、吸収極大を示す波長のみでなく、共存物質や発色試薬自身による影響のない波長を選ぶこともある。
- (3)液層の長さが同一の場合、透過率(%)の値が大きいほど、対象物質の試料液中の濃度は低い。
- (4)溶液の濃度1 mol・L⁻¹、かつ、液層の長さ1 cmのときの吸光度の値をモル吸光係数という。
- (5)発色させた液は、時間の経過とともに退色することがあるので、発色の状態が安定しているうちに測定する。
正答 (1)
補色の関係から、青色の溶液は、赤〜橙色の光(長波長側)を吸収し、赤色の溶液は、緑色の光(短波長〜中間の波長)を吸収します。したがって、青色溶液の主な吸収波長域は、赤色溶液のそれより長波長側にあります。「短波長側にある」とする選択肢1は誤りです。
測定波長は、吸収極大のほか、共存物質や発色試薬自身の影響のない波長を選ぶこともあります。透過率が大きいほど、濃度は低いです。モル吸光係数は、濃度1 mol/L、液層1 cmのときの吸光度です。発色後の液は、退色することがあるので、安定しているうちに測定します。
(参考:『機器分析の実務[特定化学物質・金属類・有機溶剤]』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「溶液の色と吸収波長(補色の関係)」(過去12回中6回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:溶液の色と吸収波長(補色の関係)(過去12回中6回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:2回論点「通常、青色溶液の可視部の主な吸収波長域は、赤色溶液のそれより長波長側にある」原理「溶液の色と吸収波長(補色の関係)」:全12回中6回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「定量分析の測定波長として、吸収極大を示す波長又は共存物質や発色試薬自身による影響のない波長を選ぶ」原理「発色反応の測定条件」:全12回中7回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:4回論点「光路長が同一の場合、透過率(%)の値が大きいほど、対象物質の試料液中の濃度は低い」原理「吸光度と透過率の関係」:全12回中12回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「溶液の濃度1mol·L⁻¹、かつ、液層の長さ1cmのときの吸光度の値をモル吸光係数という」原理「モル吸光係数の性質」:全12回中5回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「発色させた液は、時間の経過とともに退色することがあるので、発色の状態が安定しているうちに測定する」原理「発色反応の測定条件」:全12回中7回出題
この問題のひっかけパターン:青色溶液の吸収波長域は赤色溶液より長波長側
補色の関係から、青色の溶液は、赤〜橙色の光(長波長側)を吸収し、赤色の溶液は、緑色の光(短波長〜中間の波長)を吸収します。したがって、青色溶液の主な吸収波長域は、赤色溶液のそれより長波長側にあります。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)