問16
吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)吸光度は、試料液の濃度に比例し、光路長に反比例する。
- (2)T を透過率(%)、A を吸光度とすると、A = 2-log₁₀T が成り立つ。
- (3)二重結合を持つ化合物は、試料液が無色であっても紫外部の光を吸収する。
- (4)石英製セルは、全ての測定波長領域で用いることができる。
- (5)光路長が同一の場合、透過率(%)の値が大きいほど、対象物質の試料液中の濃度は低い。
正答 (1)
吸光度は、試料液の濃度に比例し、光路長にも比例します(A = ε・c・l)。「光路長に反比例する」とする選択肢1は誤りです。
透過率T(%)と吸光度Aの関係は、A = 2 − log₁₀T です。二重結合をもつ化合物は、無色でも紫外部の光を吸収します。石英セルは、全波長領域で使えます。透過率が大きいほど、光を吸収する物質が少なく、濃度は低いです。
(参考:『機器分析の実務[特定化学物質・金属類・有機溶剤]』)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、論点「吸光度は、対象物質の試料液中の濃度と液層の長さの積に比例する。」(過去12回中5回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
原理から解く:ランベルト・ベールの法則(過去12回中5回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:1回論点「吸光度は、対象物質の試料液中の濃度と液層の長さの積に比例する。」原理「ランベルト・ベールの法則」:全12回中5回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)論点「Tを透過率(%)、Aを吸光度とすると、log₁₀T=2-Aが成り立つ」原理「吸光度と透過率の関係」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「二重結合を持つ化合物は、紫外部の光を吸収する。」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:5回論点「石英セルは、紫外領域の測定に用いられる。」原理「セル・光源の材質と波長(ガラスは紫外を吸収する)」:全12回中10回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:4回論点「光路長が同一の場合、透過率(%)の値が大きいほど、対象物質の試料液中の濃度は低い」原理「吸光度と透過率の関係」:全12回中12回出題
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)