りん酸法の原理
鉱物性粉じん・原理・過去12回中10回、関連する論点が出題
原理
りん酸は、石英以外のけい酸塩を溶かし、石英を残す。クリストバライトは、一部溶けて、低く評価される。最適加熱条件で、石英の残渣率が高く、微斜長石は低い。
この原理で解ける論点は3個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(3問)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
王水添加りん酸法による遊離けい酸の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の値より低く評価されるので、りん酸法を用いることは適当ではない。
- (2)最適加熱条件として、リン酸の温度は 250 ~ 300 ℃、加熱時間は 11 ~13分間の範囲にあることが重要である。
- (3)微斜長石及び石英の両方の最適加熱条件を満足する加熱時間が複数存在する場合は、その中で最も短い時間で試料の処理を行う。
- (4)最適加熱条件は、微斜長石のりん酸残渣率が 1 % 以下で、かつ、石英のりん酸残渣率が 90 % 以上になるように決める。
- (5)フッ化水素酸処理の最適加熱条件は、白金るつぼに40 mgの石英と 5 mLのフッ化水素酸を入れて、ふっ化水素酸残渣率が1 %以下になるように決める。
正答 (4)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、次のとおりです。
- 微斜長石のりん酸残さが1%以下になる加熱時間の範囲と、石英のりん酸残さが95%以上になる加熱時間の範囲を求め、両方を満たす時間とします。「90%以上」とする選択肢4は誤りです。
- 両方の条件を満たす加熱時間が複数あるときは、短い時間を採用します(選択肢3)。
- フッ化水素酸処理は、白金るつぼに40 mgの石英と5 mLのフッ化水素酸を入れて、フッ化水素酸残さ率が1%以下になる条件とします(選択肢5)。
- クリストバライトやトリジマイトは、熱りん酸に溶けるので、含まれているとりん酸法では真の値より低く評価されます(選択肢1)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、論点「最適加熱条件は、石英のりん酸残渣が95%以上で、かつ、微斜長石のりん酸残渣が1%以下になるように決める」(過去12回中8回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
原理から解く:りん酸法の原理(過去12回中10回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:1回論点「クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の値より低く評価されるので、りん酸法を用いることは適当ではない」原理「りん酸法の原理」:全12回中10回出題
- (2)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「最適加熱条件として、リン酸の温度は 250 ~ 300 ℃、加熱時間は 11 ~13分間の範囲にあることが重要である」
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「微斜長石及び石英の両方の最適加熱条件を満足する加熱時間が複数存在する場合は、その中で最も短い時間で試料の処理を行う」
- (4)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:3回論点「最適加熱条件は、石英のりん酸残渣が95%以上で、かつ、微斜長石のりん酸残渣が1%以下になるように決める」原理「りん酸法の原理」:全12回中10回出題
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「フッ化水素酸処理の最適加熱条件は、白金るつぼに40 mgの石英と 5 mLのフッ化水素酸を入れて、ふっ化水素酸残渣率が1 %以下になるように決める」
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、次のとおりです。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
王水添加りん酸法による遊離けい酸の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の遊離けい酸含有率より低く評価される。
- (2)最適加熱条件を設定するための標準試料は、液相沈降法により10 µm以下に粒度調整したものを用いる。
- (3)微斜長石及び石英の両方の最適加熱条件を満足する加熱時間が複数存在する場合は、その中で最も短い時間で試料の処理を行う。
- (4)加熱終了後、室温まで冷却し、温湯(60~70℃)を加えてよく振とうし、試料中のシロップ状物質を溶解させる。
- (5)最適加熱条件は、微斜長石のりん酸残渣率が5%以下で、かつ、石英のりん酸残渣率が95%以上になるように決める。
正答 (5)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、微斜長石のりん酸残渣率が1%以下で、かつ、石英のりん酸残渣率が95%以上になるように決めます。「5%以下」とする選択肢5は誤りです。
クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、真の値より低く評価されます。標準試料は、液相沈降法で10 µm以下に粒度調整したものを使います。最適加熱条件が複数あるときは、最も短い時間を使います。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、論点「最適加熱条件は、石英のりん酸残渣が95%以上で、かつ、微斜長石のりん酸残渣が1%以下になるように決める」(過去12回中8回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
原理から解く:りん酸法の原理(過去12回中10回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の値より低く評価されるので、りん酸法を用いることは適当ではない」原理「りん酸法の原理」:全12回中10回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「最適加熱条件を設定するための標準試料は、液相沈降法により10μm以下に粒度調整したものを用いる」
- (3)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「微斜長石及び石英の両方の最適加熱条件を満足する加熱時間が複数存在する場合は、その中で最も短い時間で試料の処理を行う」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:3回論点「加熱終了後、室温まで冷却し、温湯を加えてよく振とうし、その後希ホウフッ化水素酸を加え、1時間以上静置する」
- (5)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:3回論点「最適加熱条件は、石英のりん酸残渣が95%以上で、かつ、微斜長石のりん酸残渣が1%以下になるように決める」原理「りん酸法の原理」:全12回中10回出題
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、次のとおりです。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
平成30年度 第1回(2018年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
王水添加りん酸法による遊離けい酸の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の遊離けい酸含有率より低く評価される。
- (2)最適加熱条件を設定するための標準試料は、液相沈降法により10μm以下に粒度調整したものを用いる。
- (3)最適加熱条件は、微斜長石のりん酸残渣が5%以下で、かつ、石英のりん酸残渣が95%以上になるように決める。
- (4)加熱終了後、室温まで冷却し、温湯(60~70℃)を加えてよく振とうし、試料中のシロップ状物質を溶解させる。
- (5)加熱溶解した試料は、メンブランフィルターを用いて吸引ろ過し、温希塩酸で数回洗浄する。
正答 (3)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、微斜長石のりん酸残渣が1%以下で、かつ、石英のりん酸残渣が95%以上になるように決めます。「5%以下」とする選択肢3は誤りです。同じ記述は、令和4年度第1回にも出題されています(出題実績)。
クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、真の値より低く評価されます。標準試料は、液相沈降法で10 µm以下に粒度調整したものを使います。加熱終了後、室温まで冷却し、温湯(60〜70℃)を加えてよく振とうします。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、論点「最適加熱条件は、石英のりん酸残渣が95%以上で、かつ、微斜長石のりん酸残渣が1%以下になるように決める」(過去12回中8回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
原理から解く:りん酸法の原理(過去12回中10回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の値より低く評価されるので、りん酸法を用いることは適当ではない」原理「りん酸法の原理」:全12回中10回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「最適加熱条件を設定するための標準試料は、液相沈降法により10μm以下に粒度調整したものを用いる」
- (3)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:3回論点「最適加熱条件は、石英のりん酸残渣が95%以上で、かつ、微斜長石のりん酸残渣が1%以下になるように決める」原理「りん酸法の原理」:全12回中10回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:3回論点「加熱終了後、室温まで冷却し、温湯を加えてよく振とうし、その後希ホウフッ化水素酸を加え、1時間以上静置する」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「静置した試料は、メンブランフィルターを用いて吸引ろ過し、温希塩酸で数回洗浄する」
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、次のとおりです。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成30年度 第1回・2018年8月実施)