問13
王水添加りん酸法による遊離けい酸の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)クリストバライトが含まれる試料をりん酸法で測定すると、遊離けい酸含有率は、真の値より低く評価されるので、りん酸法を用いることは適当ではない。
- (2)最適加熱条件として、リン酸の温度は 250 ~ 300 ℃、加熱時間は 11 ~13分間の範囲にあることが重要である。
- (3)微斜長石及び石英の両方の最適加熱条件を満足する加熱時間が複数存在する場合は、その中で最も短い時間で試料の処理を行う。
- (4)最適加熱条件は、微斜長石のりん酸残渣率が 1 % 以下で、かつ、石英のりん酸残渣率が 90 % 以上になるように決める。
- (5)フッ化水素酸処理の最適加熱条件は、白金るつぼに40 mgの石英と 5 mLのフッ化水素酸を入れて、ふっ化水素酸残渣率が1 %以下になるように決める。
正答 (4)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、次のとおりです。
- 微斜長石のりん酸残さが1%以下になる加熱時間の範囲と、石英のりん酸残さが95%以上になる加熱時間の範囲を求め、両方を満たす時間とします。「90%以上」とする選択肢4は誤りです。
- 両方の条件を満たす加熱時間が複数あるときは、短い時間を採用します(選択肢3)。
- フッ化水素酸処理は、白金るつぼに40 mgの石英と5 mLのフッ化水素酸を入れて、フッ化水素酸残さ率が1%以下になる条件とします(選択肢5)。
- クリストバライトやトリジマイトは、熱りん酸に溶けるので、含まれているとりん酸法では真の値より低く評価されます(選択肢1)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、ひっかけパターンである選択肢(正答)から、容易に正答を割り出すことができるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中1回出題(出題確率8%)/似た記述を含めると3回(25%)
- (2)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中2回出題(出題確率17%)
- (4)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中3回出題(出題確率25%)
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)
この問題のひっかけパターン:王水添加りん酸法の最適加熱条件(微斜長石1%以下・石英95%以上)
王水添加りん酸法の最適加熱条件は、次のとおりです。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)