熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)
労働衛生一般・原理・過去23回中17回、関連する論点が出題
原理
汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やす。湿度が高いと蒸発しにくく、熱がこもる。体温調節が追いつかないと体温が上昇する(熱中症)。WBGTは湿球温度の比重が大きい。熱に慣れていない人は、基準値が低い。
この原理で解ける論点は10個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(5問)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
労働衛生一般
得点必須S原理で解く
暑熱又は寒冷の環境及びその人体への影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)高温状態では、脳に血液を十分に送ることができず、一時的な脳虚血による立ちくらみを起こすことがあり、これを熱失神という。
- (2)熱中症が重症になると、大量の発汗により体温が著しく下がることが多い。
- (3)体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基づく放熱のバランスによって一定に保たれている。
- (4)凍瘡とは、しもやけのことで、低温の環境下において、手足の末梢部に発生しやすい。
- (5)長時間の低温ばく露により、腰痛症を生じることがある。
正答 (2)
熱中症が重症になると、体温を調節するしくみが働かなくなり、体温は著しく上昇します。発汗によって体温が下がるとする選択肢2は誤りです。
重症の熱中症(Ⅲ度)では、汗が出なくなって皮膚が乾き、体温が 40℃以上になることもあります。意識障害を伴う、命に関わる状態です。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:初見の選択肢ですが、原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」(過去23回中17回出題)を理解していれば、解けます。
原理から解く:熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)(過去23回中17回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「高温状態では、脳に血液を十分に送ることができず、一時的な脳虚血による立ちくらみを起こすことがあり、これを熱失神という」
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「熱中症が重症になると、大量の発汗により体温が著しく下がることが多い(誤りの記述)」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (3)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基づく放熱のバランスによって一定に保たれている」
- (4)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「凍瘡とは、しもやけのことで、低温の環境下において、手足の末梢部に発生しやすい」
- (5)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「長時間の低温ばく露により、腰痛症を生じることがある。」
重い熱中症では発汗が止まり体温が上がる。低体温症にアルコールを与えない。凍瘡(しもやけ)は凍結を伴わない障害。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
労働衛生一般
得点必須S原理で解く
温熱環境及び人体の適応等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及びナトリウム等の塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称である。
- (2)日射がある場合のWBGT値は、次の式で求められる。 WBGT値 = 0.7×自然湿球温度 + 0.2×黒球温度 + 0.1×乾球温度
- (3)熱へのばく露が中断すると、4日程度で順化の顕著な喪失が始まり、3~4週間後には熱への順化は完全に失われる。
- (4)WBGT基準値は、同一作業であっても、熱に順化していない人では、熱に順化している人より小さい値となる。
- (5)高温環境下での熱けいれんは、水分の摂取不足によって起こる。
正答 (5)
熱けいれんは、大量に汗をかいたときに、水分だけでなく塩分も失われ、真水や塩分濃度の低い飲料を補給すると血液中の塩分濃度が低下して起こる、痛みを伴う筋肉のけいれんです。水分の摂取不足で起こるとする選択肢5は誤りです。
(参考:環境省「熱中症環境保健マニュアル」4章 資料や文献「熱中症はどのようにして起こるのか」)
熱中症は高温多湿の環境で体内の水分と塩分のバランスが崩れるなどして起こる障害の総称(選択肢1)、日射がある場合の WBGT は 0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度(選択肢2)、熱へのばく露が中断すると4日程度で順化の喪失が始まり、3〜4週間後には完全に失われます(選択肢3)。WBGT 基準値は、熱に順化していない人のほうが小さく(厳しく)なります(選択肢4)。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:初見の選択肢ですが、原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」(過去23回中17回出題)を理解していれば、解けます。
原理から解く:熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)(過去23回中17回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全23回中4回出題(出題確率17%)論点「熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及びナトリウム等の塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称である」
- (2)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「日射がある場合のWBGT値は、次の式で求められる。 WBGT値 = 0.7×自然湿球温度 + 0.2×黒球温度 + 0.1×乾球温度」
- (3)正しい記述:全23回中2回出題(出題確率9%)論点「熱へのばく露が中断すると、4日程度で順化の顕著な喪失が始まり、3~4週間後には熱への順化は完全に失われる」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全23回中10回出題(出題確率43%)/同じ記述の出題:5回論点「WBGT 基準値は、同一作業であっても、暑熱非順化者の方が暑熱順化者よりも、低い値となる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (5)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「高温環境下での熱けいれんは、水分の摂取不足によって起こる。(誤りの記述)」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
重い熱中症では発汗が止まり体温が上がる。低体温症にアルコールを与えない。凍瘡(しもやけ)は凍結を伴わない障害。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
令和元年度 第2回(2020年2月実施)
労働衛生一般
得点必須S原理で解く
温熱環境及び熱中症に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)WBGT基準値は、同一作業であっても、熱に順化していない人の方が熱に順化している人よりも、大きい値となる。
- (2)WBGT基準値は、身体に対する負荷が大きな作業の方が、負荷が小さな作業より小さい値となる。
- (3)高温環境下での熱けいれんは、塩分喪失と水分過剰補給によって起こる。
- (4)実効温度は、人の温熱感に基礎を置いた指標で、気温、湿度及び気流の総合効果を温度目盛りで表したものである。
- (5)放熱は、ふく射、伝導、蒸発などの物理的な過程で行われ、蒸発には発汗と不感蒸泄によるものがある。
正答 (1)
WBGT 基準値は、同じ作業でも、暑熱に順化していない人の方が小さい(厳しい)値になります。順化していない人ほど熱中症になりやすいからです。「大きい値となる」とする選択肢1は誤りです。
実効温度は、気温・湿度・気流の総合効果を温度の目盛りで表した指標です(選択肢4)。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」(過去23回中17回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)(過去23回中17回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中10回出題(出題確率43%)/同じ記述の出題:3回論点「WBGT 基準値は、同一作業であっても、暑熱非順化者の方が暑熱順化者よりも、低い値となる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:4回論点「WBGT 基準値は、身体に対する負荷が大きな作業の方が、より小さい値となる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全23回中3回出題(出題確率13%)/同じ記述の出題:2回論点「高温環境下での熱けいれんは、塩分喪失と水分過剰補給によって起こる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全23回中6回出題(出題確率26%)/同じ記述の出題:4回論点「実効温度とは、気温、湿度及び気流の総合効果を示す温度感覚を表す指標である」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全23回中3回出題(出題確率13%)論点「放熱は、輻射、伝導、蒸発などの物理的な過程で行われ、蒸発には、発汗と不感蒸泄によるものがある」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
WBGT基準値は熱に順化していない人の方が小さい。WBGTが基準値を超えるとリスクが高い。日射ありは0.7×湿球+0.2×黒球+0.1×乾球、日射なしは0.7×湿球+0.3×黒球。実効温度とWBGTは別の指標。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第2回・2020年2月実施)
平成30年度 第2回(2019年2月実施)
労働衛生一般
得点必須S原理で解く
温熱環境に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)温度感覚を左右する環境要素は、気温、湿度、気流及びふく射(放射)熱であり、この4要素によって温熱環境が定まる。
- (2)熱中症はⅠ度からⅢ度までに分類され、このうちⅢ度が最も重症である。
- (3)WBGTには、基準値が定められており、WBGT値が基準値を超えている場合は、熱中症にかかるリスクが高まっていると判断される。
- (4)WBGTの基準値は、同一作業であっても、熱に順化していない人の方が熱に順化している人よりも、高い値となる。
- (5)熱の放散は、ふく射(放射)、伝導、蒸発などにより行われ、蒸発には発汗と不感蒸泄によるものがある。
正答 (4)
WBGT 基準値は、同じ作業でも、熱に順化していない人の方が低い(厳しい)値になります。「高い値となる」とする選択肢4は誤りです。
令和元年度第2回にも、同じ論点があります。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」(過去23回中17回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)(過去23回中17回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中7回出題(出題確率30%)/同じ記述の出題:1回論点「温度感覚を左右する環境条件は、気温、湿度、気流及び輻射(放射)熱である」
- (2)正しい記述:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:4回論点「熱中症はⅠ度からⅢ度までに分類され、このうちⅢ度が最も重症である」
- (3)正しい記述:全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「熱中症のリスク評価指標として、作業強度などに応じたWBGT基準値が示されている」
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中10回出題(出題確率43%)/同じ記述の出題:3回論点「WBGT 基準値は、同一作業であっても、暑熱非順化者の方が暑熱順化者よりも、低い値となる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「熱の放散は、放射(ふく射)、伝導、蒸発などの物理的な過程で行われる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
WBGT基準値は熱に順化していない人の方が小さい。WBGTが基準値を超えるとリスクが高い。日射ありは0.7×湿球+0.2×黒球+0.1×乾球、日射なしは0.7×湿球+0.3×黒球。実効温度とWBGTは別の指標。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成30年度 第2回・2019年2月実施)
平成29年度 第2回(2018年2月実施)
労働衛生一般
得点必須S原理で解く
温熱環境に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及びナトリウム等の塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称である。
- (2)高温環境下での熱痙攣は、発汗による塩分喪失と水分過剰補給によって起こる。
- (3)屋内の場合は、WBGTの値は自然湿球温度及び黒球温度の数値から算出される。
- (4)WBGT基準値は、同一作業であっても、熱に順化していない人の方が熱に順化している人よりも、高い値となる。
- (5)発汗のない状態でも皮膚及び呼吸器から水分が蒸発しており、これを不感蒸泄と呼ぶ。
正答 (4)
WBGT 基準値は、同じ作業でも、熱に順化していない人の方が低い値になります。「高い値となる」とする選択肢4は誤りです。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」(過去23回中17回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)(過去23回中17回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全23回中4回出題(出題確率17%)論点「熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及びナトリウム等の塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称である」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全23回中3回出題(出題確率13%)/同じ記述の出題:1回論点「高温環境下での熱けいれんは、塩分喪失と水分過剰補給によって起こる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全23回中6回出題(出題確率26%)/同じ記述の出題:4回論点「屋内の場合のWBGTは、自然湿球温度及び黒球温度の数値から算出される」
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中10回出題(出題確率43%)/同じ記述の出題:3回論点「WBGT 基準値は、同一作業であっても、暑熱非順化者の方が暑熱順化者よりも、低い値となる」原理「熱中症は体温調節の破綻(発汗・気化熱・湿度)」:全23回中17回出題
- (5)正しい記述:全23回中3回出題(出題確率13%)論点「発汗のない状態でも皮膚や呼吸器から水分が蒸発しており、これを不感蒸泄という」
WBGT基準値は熱に順化していない人の方が小さい。WBGTが基準値を超えるとリスクが高い。日射ありは0.7×湿球+0.2×黒球+0.1×乾球、日射なしは0.7×湿球+0.3×黒球。実効温度とWBGTは別の指標。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成29年度 第2回・2018年2月実施)