粒子のブラウン運動と拡散
鉱物性粉じん・原理・過去12回中12回、関連する論点が出題
原理
小さい粒子ほど、また、温度が高いほど、拡散係数が大きい。粒径5 µm以上では、拡散は無視できる。拡散で衝突・凝集して、個数濃度が減る速度は、個数濃度による。
この原理で解ける論点は4個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(3問)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S原理で解く
空気中の粒子の挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ブラウン運動している粒子の拡散係数は、絶対温度に比例する。
- (2)空気中でブラウン運動する粒子の個数濃度が半減するのに要する時間は、初期濃度が 10 倍になれば約 10 倍となる。
- (3)平衡帯電状態では粒子が大きいほど1個当たりの平均帯電量は多い。
- (4)電界中での帯電している粒子の移動速度は、粒径が小さいほど大きい。
- (5)遠心力場における粒子の移動速度は、角速度の二乗に比例する。
正答 (2)
ブラウン運動をする粒子が、互いに衝突して凝集する(凝集によって個数濃度が減る)とき、個数濃度が半減するのに要する時間は、初期濃度に反比例します。初期濃度が10倍になると、個数濃度が半減する時間は約1/10になります。「約10倍となる」とする選択肢2は誤りです。
拡散係数は絶対温度に比例します。粒子が大きいほど、1個あたりの平均帯電量は多くなります。遠心力場における粒子の移動速度は、角速度の2乗に比例します。
なお、「ブラウン運動する粒子の個数濃度が半減するのに要する時間は、濃度が1/10になれば約10倍となる」という記述は、令和3年度第1回の問題でも、正しい記述として出題されています。この問題の正誤は、出題実績にもとづいて判断しています。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「粒子のブラウン運動と拡散」(過去12回中12回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:粒子のブラウン運動と拡散(過去12回中12回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「粒子のブラウン運動による拡散係数は、温度が高いほど大きい。」原理「粒子のブラウン運動と拡散」:全12回中12回出題
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中4回出題(出題確率33%)/同じ記述の出題:1回論点「空気中でブラウン運動する粒子の個数濃度が半減する時間は、濃度が1/10になれば約10倍となる」原理「粒子のブラウン運動と拡散」:全12回中12回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「平衡帯電状態では粒子が大きいほど1個当たりの平均帯電量は多い。」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:1回論点「電界中での帯電している粒子の移動速度は、粒径が小さいほど大きい。」原理「帯電粒子の電界中の移動」:全12回中8回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「遠心力場における粒子の移動速度は、角速度の二乗に比例する。」原理「遠心力場の粒子の運動」:全12回中8回出題
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和6年度 第1回(2024年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S原理で解く
媒質中の粒子の挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ブラウン運動している粒子の拡散係数は、絶対温度に反比例する。
- (2)空気中に浮遊する粒子を捕集して、それぞれの大きさを計測し、平均粒子径を求める場合、個数基準平均径の方が質量基準平均径より小さくなる。
- (3)平衡帯電状態では粒子が大きいほど1個当たりの平均帯電量は多い。
- (4)同じ大きさの球形粒子では、空気力学相当径は粒子の密度の平方根に比例する。
- (5)遠心力場における粒子の移動速度は、角速度の二乗に比例する。
正答 (1)
ブラウン運動をしている粒子の拡散係数は、絶対温度に比例します。「反比例する」とする選択肢1は誤りです。
個数基準の平均径は、小さい粒子が多いので、質量基準の平均径より小さくなります。平衡帯電状態では、粒子が大きいほど、1個あたりの平均帯電量は多くなります。空気力学相当径は、粒子の密度の平方根に比例します。遠心力場における粒子の移動速度は、角速度の2乗に比例します。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「粒子のブラウン運動と拡散」(過去12回中12回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:粒子のブラウン運動と拡散(過去12回中12回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「粒子のブラウン運動による拡散係数は、温度が高いほど大きい。」原理「粒子のブラウン運動と拡散」:全12回中12回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)論点「空気中に浮遊する粒子を捕集して、それぞれの大きさを計測し、平均粒子径を求める場合、個数基準平均径の方が質量基準平均径より小さくなる」
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「平衡帯電状態では粒子が大きいほど1個当たりの平均帯電量は多い。」
- (4)正しい記述:全12回中2回出題(出題確率17%)論点「同じ大きさの球形粒子の空気力学相当径は、粒子の密度の平方根に比例する」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「遠心力場における粒子の移動速度は、角速度の二乗に比例する。」原理「遠心力場の粒子の運動」:全12回中8回出題
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)
平成29年度 第1回(2017年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S原理で解く
空気中の粒子のブラウン運動及び帯電粒子の挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)粒子の帯電量が同じであれば、粒子の電界中での移動速度は電界強度が大きいほど速い。
- (2)粒子の帯電量が同じであれば、粒子の電界中での移動速度は粒径が小さいほど速い。
- (3)粒子のブラウン運動による拡散係数は、絶対温度に反比例する。
- (4)微小粒子がブラウン運動で衝突・凝集して粒子の個数が減少する速度は、粒子の個数濃度によって変化する。
- (5)流体とともに運動している粒子のブラウン運動による拡散効果は、粒径0.1μm以下の粒子で顕著となる。
正答 (3)
ブラウン運動による粒子の拡散係数は、絶対温度に比例します。「絶対温度に反比例する」とする選択肢3は誤りです。同じ記述は、令和6年度第1回にも出題されています(出題実績)。
粒子の帯電量が同じであれば、電界中での移動速度は、電界強度が大きいほど速く、粒径が小さいほど速くなります。微小粒子がブラウン運動で衝突・凝集して減る速度は、粒子の個数濃度によって変わります。ブラウン運動による拡散効果は、粒径0.1 µm以下の粒子で顕著になります。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、原理「粒子のブラウン運動と拡散」(過去12回中12回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:粒子のブラウン運動と拡散(過去12回中12回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:2回論点「電界中での帯電している粒子の移動速度は、粒径が小さいほど大きい。」原理「帯電粒子の電界中の移動」:全12回中8回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:2回論点「電界中での帯電している粒子の移動速度は、粒径が小さいほど大きい。」原理「帯電粒子の電界中の移動」:全12回中8回出題
- (3)誤った記述正答(原理から解ける):全12回中6回出題(出題確率50%)/同じ記述の出題:1回論点「粒子のブラウン運動による拡散係数は、温度が高いほど大きい。」原理「粒子のブラウン運動と拡散」:全12回中12回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)論点「微小粒子がブラウン運動で衝突・凝集して粒子の個数が減少する速度は、粒子の個数濃度に依存する」原理「粒子のブラウン運動と拡散」:全12回中12回出題
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「流体とともに運動している粒子のブラウン運動による拡散効果は、粒径0.1μm以下の粒子で顕著となる」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成29年度 第1回・2017年8月実施)