検量線法・標準添加法・内標準法
分析に関する概論・原理・過去23回中7回、関連する論点が出題
原理
検量線法は、標準液と同じ条件で、濃度と応答を結ぶ。標準添加法は、試料の成分の影響を補正。内標準法は、注入量などの変動を補正する。
この原理で解ける論点は11個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(6問)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
分析に関する概論
何とか得点B原理で解く
定量方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)標準添加法を用いる場合は、検量線は直線でなくてはならない。
- (2)標準添加法を用いる場合は、試料溶液中の共存成分が既知である必要がある。
- (3)絶対検量線法の標準溶液は、分析試料溶液と似た成分組成となるように調製する。
- (4)内標準法と標準添加法を併用することが可能である。
- (5)内標準法では、分析試料溶液と標準溶液の両方に内標準物質を添加する。
正答 (2)
標準添加法は、試料溶液そのものに標準物質を加えて検量線を作るので、試料中の共存成分の影響が自動的に打ち消されます。共存成分が何かを知っている必要はないので、選択肢2は誤りです。
共存成分が分からない、または標準溶液で再現できない試料に強いのが、標準添加法の長所です。その代わり、検量線が直線であることが前提になります(選択肢1)。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:初見の選択肢ですが、原理「検量線法・標準添加法・内標準法」(過去23回中7回出題)を理解していれば、解けます。
原理から解く:検量線法・標準添加法・内標準法(過去23回中7回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全23回中4回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:3回論点「標準添加法を用いる場合は、検量線は直線でなくてはならない。」原理「検量線法・標準添加法・内標準法」:全23回中7回出題
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「標準添加法を用いる場合は、試料溶液中の共存成分が既知である必要がある(誤りの記述)」原理「検量線法・標準添加法・内標準法」:全23回中7回出題
- (3)正しい記述:全23回中4回出題(出題確率17%)/同じ記述の出題:1回論点「検量線の標準液は、分析試料の成分組成と近くなるようにする。」原理「検量線法・標準添加法・内標準法」:全23回中7回出題
- (4)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「内標準法と標準添加法を併用することが可能である。」
- (5)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「内標準法では、分析試料溶液と標準溶液の両方に内標準物質を添加する」原理「検量線法・標準添加法・内標準法」:全23回中7回出題
標準添加法は共存成分が未知でも使える(直線性が前提)。内標準法は誤差を相殺して精度が上がる。直線範囲でも誤差は一定ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和6年度 第2回(2025年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP- AES法)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)試料溶液に懸濁物が含まれる場合は、あらかじめろ過する必要がある。
- (2)原子吸光分析と比較して、検量線が直線となる濃度範囲が広い。
- (3)ネブライザーによる液体試料導入のほか、還元気化による気体試料導入も可能である。
- (4)内標準物質として、測定対象物質の安定同位体を使用する。
- (5)共存する妨害物質に応じて、測定波長を選択する。
正答 (4)
ICP 発光分光分析法の内標準物質には、試料に含まれない別の元素(イットリウムなど)を用います。安定同位体を内標準に使うのは、質量の違いを見分けられる ICP 質量分析法などの方法で、発光の波長では同位体を区別できないため、ICP-AES では使えません。選択肢4は誤りです。
ICP 発光分光分析法は、検量線の直線範囲が広く、多くの元素を同時に測れるのが特徴です。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「ICP発光分析法」(過去23回中10回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
原理から解く:検量線法・標準添加法・内標準法(過去23回中7回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「ろ過材に捕集した試料をそのまま分析できる。」
- (2)正しい記述:全23回中3回出題(出題確率13%)/同じ記述の出題:1回論点「原子吸光分析と比較して、検量線が直線となる濃度範囲が広い。」
- (3)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「ネブライザーによる液体試料導入のほか、還元気化による気体試料導入も可能である」
- (4)誤った記述正答(ひっかけパターンに該当):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「内標準物質として、測定対象物質の安定同位体を使用する。(誤りの記述)」原理「検量線法・標準添加法・内標準法」:全23回中7回出題
- (5)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「共存する妨害物質に応じて、測定波長を選択する。」
軸方向観測は高感度で低濃度向き、横方向観測は高濃度向きで干渉に強い。内標準には測定対象とは別の元素を使う。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第2回・2025年2月実施)
令和5年度 第1回(2023年8月実施)
分析に関する概論
何とか得点B原理で解く
検量法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)測定結果が検量線の濃度範囲を超えた場合は、試料溶液を希釈して再測定する。
- (2)測定値と濃度が本来比例関係にあるにもかかわらず検量線が直線とならない場合は、分析条件を再検討する必要がある。
- (3)標準添加法は、測定対象物質濃度がゼロの時に測定値がゼロとみなせる場合に使用可能である。
- (4)内標準法は、測定対象物質と内標準物質のそれぞれの測定値に誤差があるため、測定精度が下がる。
- (5)内標準物質には、測定対象物質と物理的、化学的によく似た物質を選択する。
正答 (4)
内標準法は、試料と標準溶液の両方に同じ量の内標準物質を加え、測定対象物質との信号の比で定量する方法です。注入量のばらつきや装置の感度の変動が打ち消されるので、測定精度は向上します。「精度が下がる」とする選択肢4は誤りです。
内標準物質には、測定対象物質と性質がよく似ていて、試料には含まれない物質を選びます(選択肢5)。
標準添加法は共存成分が未知でも使える(直線性が前提)。内標準法は誤差を相殺して精度が上がる。直線範囲でも誤差は一定ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)
令和4年度 第2回(2023年2月実施)
分析に関する概論
得点必須A暗記で解く
検量線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)測定結果が検量線の濃度範囲を超えた場合は、試料溶液を希釈して再測定する。
- (2)標準添加法を用いる場合は、検量線は直線でなくてはならない。
- (3)検量線の標準液は、分析試料の成分組成と近くなるようにする。
- (4)内標準物質としては、測定対象物質と物理的、化学的によく似た物質を選択する。
- (5)検量線の直線範囲内であれば、測定結果の誤差は一定である。
正答 (5)
検量線の直線範囲内でも、測定結果の誤差が一定になるわけではありません。一般に、濃度が低いほど、測定値に対する誤差の割合は大きくなります。選択肢5は誤りです。
検量線の両端に近いところでは誤差が大きくなりやすいので、試料の濃度が検量線の中ほどに来るように調製するのが望ましいとされています。
軸方向観測は高感度で低濃度向き、横方向観測は高濃度向きで干渉に強い。内標準には測定対象とは別の元素を使う。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第2回・2023年2月実施)
令和3年度 第2回(2022年2月実施)
分析に関する概論
何とか得点B原理で解く
検量線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)測定結果が検量線の濃度範囲を超えた場合は、試料溶液を希釈して再測定する。
- (2)標準添加法を用いる場合は、検量線は直線でなくてはならない。
- (3)検量線の標準液は、分析試料の成分組成と近くなるようにする。
- (4)内標準物質としては、測定対象物質と物理的、化学的によく似た物質を選択する。
- (5)検量線の直線範囲内であれば、測定結果の誤差は一定である。
正答 (5)
検量線の直線範囲内でも、測定結果の誤差が濃度によらず一定になるわけではありません。選択肢5は誤りです。
濃度範囲を超えたときは試料を希釈して再測定し(選択肢1)、標準添加法では検量線が直線である必要があります(選択肢2)。標準液は試料の成分組成に近づけ(選択肢3)、内標準物質は、測定対象物質と物理的・化学的によく似たものを選びます(選択肢4)。
標準添加法は共存成分が未知でも使える(直線性が前提)。内標準法は誤差を相殺して精度が上がる。直線範囲でも誤差は一定ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第2回・2022年2月実施)
令和元年度 第2回(2020年2月実施)
分析に関する概論
何とか得点B原理で解く
検量線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)測定結果が検量線の濃度範囲を超えた場合は、試料溶液を希釈する。
- (2)検量線の濃度範囲は、検量線が直線となる範囲とする。
- (3)検量線の標準液の成分組成は、分析試料の成分組成と近くなるように調製する。
- (4)検量線が直線にならないときは、標準添加法を用いる。
- (5)内標準法における内標準物質は、測定対象物質と物理的、化学的によく似た性質の物質を用いる。
正答 (4)
検量線が直線にならないときは、直線となる濃度範囲で検量線を作るか、試料を希釈して直線範囲に収めます。標準添加法は、検量線が直線であることを前提とする方法なので、直線にならないときに用いるのは誤りです。選択肢4は誤りです。
令和7年度第1回にも、標準添加法は検量線が直線であることが前提、という記述があります。
標準添加法は共存成分が未知でも使える(直線性が前提)。内標準法は誤差を相殺して精度が上がる。直線範囲でも誤差は一定ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第2回・2020年2月実施)