計算・穴埋め・組合せ問題の解き方|有機溶剤
有機溶剤は、20問のうち計算問題が毎回3〜4問、物質名を選ぶ問題(物性の比較など)が毎回3問台、穴埋め・組合せ問題が毎回2問前後出る。形式が決まっていて、型ごとに「解き方の手順」と「ひっかけパターン」を覚えれば、考えずに解ける問題が多い。この章はその型をまとめる。GCの装置や捕集法の記述問題(誤っているものを選ぶ形)は、第8部の論点の章で扱う。
導入クイズ
Q1 25 ℃・1気圧で、蒸気 1 mol は何 L になるか(作業環境測定の約束)。
① 22.4 L ② 24.45 L ③ 25 L
Q2 活性炭管に捕集したトルエンを脱着するのに使う溶媒はどれか。
① 精製水 ② 二硫化炭素 ③ 塩酸
Q3 ガスクロマトグラフで、カラム温度を高くすると、試料成分の保持時間はどうなるか。
① 長くなる ② 短くなる ③ 変わらない
答え:Q1は②(25 ℃・1気圧のモル体積は 24.45 L/mol。ppm の換算に使う)。Q2は②(活性炭に吸着した無極性の溶剤は、二硫化炭素で脱着する。精製水では脱着できない)。Q3は②(温度が高いほど、成分が固定相に分配される割合が小さくなり、保持時間は短く、ピークの間隔は狭くなる)。3問とも、この章の「解き方まとめ」の1行で答えが出る。
1. この章で扱う問題の全体像
有機溶剤は、平成27年度〜令和8年度の第1回(8月)12回・240問のうち、計算問題が43問(毎回3〜4問)、物質名を選ぶ問題が40問(毎回3問台)、穴埋め・組合せ問題が27問(毎回2問前後)ある。ランクは、12回のうち出た回数で付けた(S:9回以上、A:5〜8回、B:4回以下)。
| 型(典型テーマ) | 形式 | 出た回数/12回 | よく出る問番号 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| テーマ1 C測定・D測定の濃度(サンプラー) | 計算 | 6 | 問18・19 | A |
| テーマ2 ピーク幅・理論段数・分離度 | 計算 | 10 | 問11・14・18 | S |
| テーマ3 吸光光度の計算(モル吸光係数・捕集液) | 計算 | 7 | 問16〜19 | A |
| テーマ4 標準ガスの濃度(真空捕集瓶) | 計算 | 5 | 問14・18・19 | A |
| テーマ5 捕集率(2本直列のインピンジャー) | 計算 | 5 | 問4・18・19 | A |
| テーマ6 検知管の併行測定(換算値変換係数) | 計算 | 4 | 問7 | B |
| テーマ7 活性炭管の気中濃度・体積分率 | 計算 | 3 | 問18・19 | B |
| テーマ8 固体捕集法の組合せ(捕集管と脱着溶媒) | 組合せ | 7 | 問5・6 | A |
| テーマ9 カラム温度(保持時間・分離) | 穴埋め | 6 | 問10〜13 | A |
| テーマ10 吸光光度の装置・原理の穴埋め | 穴埋め | 7 | 問15〜17 | A |
| テーマ11 吸光光度の発色法(二硫化炭素・アセトン) | 穴埋め | 3 | 問15・17 | B |
| テーマ12 物性の比較(蒸気圧・沸点・密度・極性・水への溶解) | 物質選択 | 12 | 問1〜3 | S |
| テーマ13 GCの溶出順・テーリング | 物質選択 | 10 | 問8〜13 | S |
問1〜3は、ほぼ毎年「物性の比較」。ここは計算せず、物質ごとの数値・性質を覚えておけば解ける。計算問題は問14(ピーク幅)と問18・19(サンプラー・捕集)に固まっている。
2. 計算問題の典型テーマ
テーマ1 C測定・D測定の濃度(サンプラー)[A]
出題実績:12回中6回(令和3年度から毎年)。問18・19。作業者に付けた採取機器で集めた有機溶剤を、溶媒で脱着してGCで分析した結果から、空気中の濃度(ppm)を出す。**能動型(アクティブ)**は、ポンプで吸引した空気の量を使い、**受動型(パッシブ)**は、サンプリング速度から求める見かけの空気の量を使う。
解き方
- 脱着液中の量:分析結果の濃度(µg/mL)× 脱着溶媒の量(mL)。
- 脱着率で補正:÷ 脱着率(90%なら 0.90)。脱着しきれなかった分を戻す。
- 空気の量(L):能動型は、吸引流量(L/min)× サンプリング時間(min)。受動型は、サンプリング速度(cm³/min)× 時間(min)÷ 1000。
- mg/m³ にする:µg ÷ L = mg/m³。
- ppm にする:mg/m³ × 24.45 ÷ モル質量(25 ℃・1気圧)。
ひっかけパターン
- 脱着率で「掛ける」。(回収できたのが90%なので、割って元に戻す。)
- GCに注入した量(2 µL)を計算に使う。注入量は、濃度の計算に関係しない。
- 時間を分に直し忘れる(6時間は 360 min、15分の D 測定は 15 min)。
- 受動型の cm³ を L に直し忘れる。
例題(令和8年度第1回 問19)酢酸エチル。C測定を6時間。脱着溶媒 2 mL、分析結果 1750.0 µg/mL、吸引流量 0.1 L/min、脱着率 90%、M=88.1。
→ 1750.0 × 2 = 3500 µg。÷0.90 = 3889 µg。空気 0.1 × 360 = 36 L。3889/36 = 108 mg/m³。108 × 24.45/88.1 = 30 ppm。
例題(令和7年度第1回 問18)メチルエチルケトン。パッシブサンプラーで D測定を15分。分析結果 10.5 µg/mL、脱着溶媒 2 mL、サンプリング速度 12 cm³/min、脱着率 0.9、M=72.1。
→ 10.5 × 2 = 21 µg。÷0.9 = 23.3 µg。見かけの空気 12 × 15 = 180 cm³ = 0.18 L。23.3/0.18 = 130 mg/m³。130 × 24.45/72.1 = 44 ppm。
テーマ2 ピーク幅・理論段数・分離度[S]
出題実績:12回中10回。問11・14・18。クロマトグラム上の長さ(保持時間に相当する長さ、ピーク幅)から、理論段数、理論段相当高さ、カラムの長さ、分離度を出す。
解き方
- 理論段数:n = (4 t_R/W)²(t_R:保持時間に相当する長さ、W:ピーク幅。同じ単位で)。
- 理論段相当高さ:H = L/n(L:カラムの長さ)。カラムの長さ L = n × H。
- 分離度:R = 2 (t_R2 − t_R1)/(W1 + W2)。
- 長さの単位(mm と cm、秒と分)をそろえてから代入する。
ひっかけパターン
- ピーク幅が mm、保持時間が cm のように、単位が混ざっている(分離度では、同じ単位にそろえる)。
- 理論段数の 2乗を忘れる。H = L/n を、n/L にする。
- 分離度の分母は、2つのピーク幅の和(W1 + W2)。片方だけにしない。
例題(令和8年度第1回 問14)保持時間 A 142 秒、B 194 秒、ピーク幅 A 4 秒、B 6 秒。
→ R = 2 × (194 − 142)/(4 + 6) = 104/10 = 10.4 → 10。
例題(令和6年度第1回 問14)保持時間の長さ A 9 cm、B 12 cm、ピーク幅 A 10 mm、B 14 mm。
→ 幅を cm に直して 1.0、1.4。R = 2 × (12 − 9)/(1.0 + 1.4) = 6/2.4 = 2.5。
例題(令和5年度第1回 問14)保持時間の長さ 150 mm、ピーク幅 6.0 mm、理論段相当高さ 2.0 mm。カラムの長さは?
→ n = (4 × 150/6.0)² = 100² = 10000。L = 10000 × 2.0 mm = 20000 mm = 20 m。
テーマ3 吸光光度の計算(モル吸光係数・捕集液)[A]
出題実績:12回中7回。問16〜19。三つの型がある。①有機溶剤を水で薄めて発色させ、モル吸光係数を出す。②気体を封入した石英セルの吸光度から、モル吸光係数を出す。③標準液と試料液を同じ操作で発色させ、吸光度の比から空気中の濃度を出す。
解き方
- 共通:A = ε c l。モル吸光係数 ε = A ÷ (c × l)(c:mol/L、l:cm)。
- ①薄めた溶液のモル濃度:体積 × 密度 = 質量。÷ モル質量 = mol。÷ 薄めた後の体積(L)。さらに薄めるごとに、体積の比を掛ける。
- ②気体のモル濃度:c = P/(RT)(P:atm、R = 0.082 atm·L/(K·mol)、T:絶対温度)。
- ③標準液と同じ操作なので、試料液の濃度 = 標準液の濃度 × 試料の吸光度 ÷ 標準の吸光度。捕集液の全量を掛けて、空気量(流量 × 時間)で割り、ppm にする。
ひっかけパターン:希釈の段階を1つ落とす(100 mL にして、さらに 1.00 mL を 100 mL にした、など)。密度を掛け忘れて mL をそのまま g にする。℃ を K にしない。
例題(令和6年度第1回 問18)有機溶剤 5.00 mL(密度 0.900、M=88.1)を 100 mL にし、その 1.00 mL を発色させて 100 mL にした。420 nm、l=1.00 cm で A=0.600。
→ 5.00 × 0.900 = 4.50 g、÷88.1 = 0.0511 mol。÷0.100 L = 0.511 mol/L。× 1.00/100 = 5.11×10⁻³ mol/L。ε = 0.600/(5.11×10⁻³ × 1.00) = 1.17×10² cm⁻¹·mol⁻¹·L。
例題(平成30年度第1回 問17)光路長 10.0 cm の気体用石英セルに、25 ℃で 6.00×10⁻³ 気圧の気体を封入し、A=0.400。
→ c = 6.00×10⁻³/(0.0821 × 298) = 2.45×10⁻⁴ mol/L。ε = 0.400/(2.45×10⁻⁴ × 10.0) = 1.63×10² cm⁻¹·mol⁻¹·L。
テーマ4 標準ガスの濃度(真空捕集瓶)[A]
出題実績:12回中5回(平成27年度、28年度、29年度、令和元年度、5年度)。問14・18・19。二硫化炭素に溶かした標準液を、マイクロシリンジで真空捕集瓶に入れて蒸発させ、標準ガスの濃度を出す。試料ガスとのピーク面積の比で、空気中の濃度を求める。
解き方
- 標準液中の有機溶剤の体積分率 = 有機溶剤の体積 ÷ 標準液の全体積(例:5.0 mL/50 mL = 0.10)。
- シリンジで採った量 × 体積分率 = 蒸発させる有機溶剤の体積(µL)。
- 体積 × 密度 = 質量。÷ モル質量 = mol。
- mol × 24.45 L/mol = 蒸気の体積(L)。÷ 真空捕集瓶の容積(L)= 標準ガスの濃度(ppm は 10⁶ 倍)。
- 試料ガスの濃度 = 標準ガスの濃度 × 試料のピーク面積の比。
ひっかけパターン:µL と mL を取り違える。標準液中の濃度(体積分率)を掛け忘れ、純物質の 5.0 µL として計算する。ピーク面積の比を逆にする(試料が 1/5 なら、標準ガスの濃度を 5 で割る)。
例題(令和5年度第1回 問18)酢酸エチル 5.0 mL を含む二硫化炭素溶液 50 mL から 5.0 µL を、1.0 L の真空捕集瓶に蒸発させて標準ガスにした。試料ガスのピーク面積は標準ガスの 1/5。密度 0.89、M=88。
→ 体積分率 0.10。5.0 µL × 0.10 = 0.50 µL = 5.0×10⁻⁴ mL。× 0.89 = 4.45×10⁻⁴ g。÷88 = 5.06×10⁻⁶ mol。× 24.45 = 1.24×10⁻⁴ L。÷1.0 L = 124 ppm。÷5 = 25 ppm。
テーマ5 捕集率(2本直列のインピンジャー)[A]
出題実績:12回中5回(平成28年度、30年度、令和2年度、4年度、8年度)。問4・18・19。捕集率が同じミゼットインピンジャーを2本つないで、それぞれに捕集された量から、1本の捕集率を出す。
解き方
- 捕集率を η とする。1本目で捕集されなかった(1 − η)の割合が、2本目に入って、そのうち η が捕集される。
- 2本目の量 / 1本目の量 = (1 − η)。
- η = 1 − (2本目 / 1本目)。
ひっかけパターン:2本目を「全体(1本目+2本目)」で割る。1本目を全体で割った値(捕集率のように見える値)が、選択肢に並んでいる。
例題(令和8年度第1回 問18)1本目 0.800 mg、2本目 0.0600 mg。
→ 0.0600/0.800 = 0.075。η = 1 − 0.075 = 0.925 = 92.5%。(誤答の 93.0% は、0.800/(0.800 + 0.0600) の値。)
例題(令和4年度第1回 問4)1本目 800 µg、2本目 120 µg。
→ 120/800 = 0.15。η = 0.85 = 85%。(誤答の 87% は、800/(800 + 120) の値。)
テーマ6 検知管の併行測定(換算値変換係数)[B]
出題実績:12回中4回(平成29年度、令和2年度、3年度、7年度)。問7。混合有機溶剤で、検知管法の使用が認められる場合に、併行測定のGCの結果と検知管の指示値から、換算値変換係数を出す。
解き方
- GCの結果から、換算値を出す。換算値 = Σ(各成分の濃度 ÷ その成分の管理濃度)。
- 換算値変換係数 = 換算値 ÷ 検知管の指示値(ppm)。単位は ppm⁻¹。
ひっかけパターン:成分ごとの管理濃度で割らず、濃度をそのまま足す。係数を、検知管の指示値 ÷ 換算値(逆数)にする。キシレンの管理濃度(50 ppm)を、200 ppm と取り違える。
例題(令和7年度第1回 問7)トルエン 10 ppm(管理濃度 20)、酢酸エチル 14 ppm(200)、1,1,1-トリクロロエタン 8.0 ppm(200)、キシレン 4.0 ppm(50)。検知管(トルエン用)は 15 ppm。
→ 換算値 = 10/20 + 14/200 + 8.0/200 + 4.0/50 = 0.5 + 0.07 + 0.04 + 0.08 = 0.69。係数 = 0.69/15 = 0.046 ppm⁻¹。
テーマ7 活性炭管の気中濃度・体積分率[B]
出題実績:12回中3回(平成28年度、29年度、30年度)。問18・19。活性炭管で捕集して脱着した量から、気中濃度を出す(令和5年度第1回の C測定にも、同じ手順が出ている)。
解き方:テーマ1と同じ。脱着液中の量 ÷ 空気量(流量 × 時間)= mg/m³。× 24.45 ÷ モル質量 = ppm。体積分率を聞く型(気体の体積を前後で測る)は、捕集前後の気体の物質量の差 ÷ 捕集率 = 捕集された物質の量、を使い、PV = nRT で mol にそろえる。
例題(平成30年度第1回 問19)アセトン。0.2 L/min で 10分。脱着液 1.0 mL 中に 0.1 µg/µL、M=58。
→ 0.1 µg/µL × 1000 µL = 100 µg。空気 2 L。50 mg/m³。50 × 24.45/58 = 21 ppm → 20 ppm。
3. 穴埋め・組合せ・物質選択の典型テーマ
テーマ8 固体捕集法の組合せ(捕集管と脱着溶媒)[A]
出題実績:12回中7回(平成27年度、29年度、令和元年度、3年度、5年度、6年度、7年度)。問5・6。「測定対象有機溶剤/捕集管/脱着溶媒」の組合せのうち、不適当なものを選ぶ。
覚える表(デザイン・サンプリングの実務(A・B測定編 上)の固体捕集法の表にもとづく。適当な組を示す)
| 有機溶剤 | 活性炭管の脱着溶媒 | シリカゲル管の脱着溶媒 |
|---|---|---|
| トルエン、キシレン、n-ヘキサン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン、酢酸エチル | 二硫化炭素 | トルエン・キシレン・n-ヘキサン・メチルエチルケトン:アセトン/クロロベンゼン:メタノール/酢酸エチル:N,N-ジメチルホルムアミド |
| イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール、エチルエーテル | N,N-ジメチルホルムアミド | アセトン:メタノール/イソプロピルアルコール:N,N-ジメチルホルムアミド/メタノール:精製水 |
考え方:活性炭は、無極性の溶剤の吸着力が強いので、二硫化炭素で脱着する。シリカゲルは、メタノールやアセトンのような極性の溶剤の捕集に向く。アルコールなど極性の高い溶剤を活性炭に捕集したときは、二硫化炭素でなく、N,N-ジメチルホルムアミドなどで脱着する。精製水で脱着できるのは、シリカゲル管に捕集したメタノールだけ。
ひっかけパターン:「クロロベンゼン/活性炭管/精製水」「n-ヘキサン/活性炭管/精製水」(無極性の溶剤は、活性炭から精製水では脱着できない)。「メタノール/活性炭管/二硫化炭素」(メタノールはシリカゲル管+精製水の組が典型。活性炭管なら N,N-ジメチルホルムアミド)。
テーマ9 カラム温度(保持時間・ピークの間隔)[A]
出題実績:12回中6回(平成29年度、令和元年度、3年度、5年度、7年度、8年度)。問10〜13。同族化合物の複数成分を分析するとき、カラム温度が上下すると、何が変わるかを穴埋めで問う。
覚え方:温度を高くすると、成分は固定相に留まりにくくなる(分配が小さくなる)。だから保持時間が短くなり、ピークとピークの間隔が狭くなる(分離が悪くなる)。温度を低くすると、すべて逆。
| カラム温度 | 固定相への分配 | 保持時間 | ピークの間隔・分離 |
|---|---|---|---|
| 高い | 小さい | 短い | 狭い・悪い |
| 低い | 大きい | 長い | 広い・良い |
ひっかけパターン:「高い/大きく/広く」のように、一部だけ逆の組。穴埋めの語(分配・保持時間・間隔・分離)が文によって違うが、「温度↑ → 分配↓ → 保持時間↓ → 間隔↓」の連鎖で、どの語でも決まる。
例題(令和8年度第1回 問10)「カラム温度が[㋑]ほど試料成分の固定相への分配が[㋺]なるので、ピークとピークの間隔は[㋩]なる。」
→ 正答は「低い/大きく/広く」。(低温 → 分配大 → 間隔広)
例題(令和7年度第1回 問11)「カラム温度が[㋑]ほど保持時間が[㋺]なり、分離は[㋩]なる。」
→ 正答は「低い/長く/良く」。
テーマ10 吸光光度の装置・原理の穴埋め[A]
出題実績:12回中7回(平成27年度、28年度、29年度、令和元年度、2年度、4年度、8年度)。問15〜17。光源・波長選択部・セルの組合せと、吸光度の式を問う。
覚える表
| 測定する波長 | 光源 | 単色光にする部分 | 試料液を入れるセル |
|---|---|---|---|
| 可視部(例:520 nm) | タングステンランプ | モノクロメータ | ガラスセル |
| 紫外部(例:250 nm、300 nm) | 重水素ランプ | モノクロメータ | 石英セル |
- 単色光にするのは、モノクロメータ(回折格子など)。スリット単独では単色光にならない。
- ガラスは紫外光を吸収するので、紫外部には石英セル。プラスチックセルは使わない。
- 吸光度 A = log₁₀(I₀/I)。ランベルト・ベールの法則で A = k c d(c:濃度、d:液層の長さ、k:比例定数)。I/I₀ を入れた式や、k/(cd) の組は誤り。
ひっかけパターン:可視部なのに重水素ランプ(または、紫外部なのにタングステンランプ)。モノクロメータをスリットに替える。ガラスセルを紫外部に使う。
例題(令和8年度第1回 問17)300 nm で吸光度を測る。→ 重水素ランプ / モノクロメータ / 石英セル。(令和元年度第1回 問15 の 250 nm の問題と同じ型)
例題(令和4年度第1回 問16)520 nm で吸光度を測る。→ タングステンランプ / モノクロメータ / ガラスセル。
テーマ11 吸光光度の発色法(二硫化炭素・アセトン)[B]
出題実績:12回中3回(平成29年度、令和3年度、7年度)。問15・17。物質ごとの捕集液・発色・波長を、㋑㋺㋩で問う。
覚える流れ(過去問の正答と、ガイドブック5(有機溶剤関係)を出典とする解説にもとづく)
| 物質 | 測定法の流れ |
|---|---|
| 二硫化炭素 | ジエチルアミン銅溶液に捕集 → 捕集液が黄金色を呈したら吸引をやめる → 420 nm 付近で吸光度 |
| アセトン | エタノールに捕集 → 水酸化カリウムを加える → サリチルアルデヒドを加えて発色 → エタノールで希釈 → 500 nm 付近の極大吸収波長 |
| メタノール | クロモトロープ酸法で定量する(図の吸光光度計の構成を問う型が出ている) |
ひっかけパターン:二硫化炭素に「ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(色も波長も同じ黄金色・420 nm)」を入れる。赤桃色・530 nm(ピリジン、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン)や、紫色・510 nm にする。アセトンの捕集液を精製水にする、発色を亜硝酸ナトリウムにする、波長を 540 nm にする。
テーマ12 物性の比較(蒸気圧・沸点・密度・極性・水への溶解)[S]
出題実績:12回すべて。問1〜3。「次の有機溶剤のうち、〜が最も大きい(小さい)ものはどれか」の形で、物質名を選ぶ。計算は要らない。覚えるのは、沸点の順と、いくつかの性質。
覚える表① 沸点(℃、1気圧)。蒸気圧は沸点の逆順(沸点が低い溶剤ほど、25 ℃の蒸気圧が高い)。
| 沸点の範囲 | 溶剤(沸点の低い順) |
|---|---|
| 〜70 ℃ | エチルエーテル 約35*、二硫化炭素 46.3、アセトン 約56*、酢酸メチル 57.8、メタノール 64.7、テトラヒドロフラン 66、n-ヘキサン 68.7 |
| 70〜100 ℃ | 1,1,1-トリクロロエタン 73.9、酢酸エチル 76.8、メチルエチルケトン 79.6、イソプロピルアルコール 約82*、酢酸イソプロピル 89.4 |
| 100〜150 ℃ | トルエン 110.6、酢酸イソブチル 116.5、1-ブタノール 117.3、エチレングリコールモノメチルエーテル 124.5、クロロベンゼン 132.2、m-キシレン 約139*、酢酸イソペンチル 142 |
| 150 ℃〜 | N,N-ジメチルホルムアミド 153.0、シクロヘキサノン 156 |
(沸点は、労働衛生の知識の表の値。*は、過去問の解説にある概数で、表では確かめていない。)
覚える表② そのほかの性質
| 問われ方 | 覚えること(過去問の解説にある概数。化学便覧の概数) |
|---|---|
| 25 ℃の密度が最も小さい | n-ヘキサン 約0.66 < エチルエーテル 約0.71 < アセトン・メタノール 約0.79 < メチルエチルケトン 約0.80 < トルエン 約0.87 < 酢酸エチル 約0.90 < 酢酸メチル 約0.93 < N,N-ジメチルホルムアミド 約0.94。水より重いのは、二硫化炭素(約1.26)とクロロベンゼン(約1.11) |
| 水に限りなく溶ける | メタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル |
| 水への溶解が限られる | エチルエーテル 約7 g/100 mL、n-ブタノール・酢酸エチル 約8、シクロヘキサノン 約9。m-キシレンは、ほとんど溶けない |
| 極性が最も高い | 水酸基(−OH)をもつアルコール(イソブチルアルコールなど)、アミド結合をもつ N,N-ジメチルホルムアミド > エーテル・エステル(中程度)> トルエン・クロロベンゼン(低い)> n-ヘキサン(無極性) |
| 水を加えて振ると、ほぼ等量で2相に分かれ、下層をとって水を加えてもまた2相 | 水にほとんど溶けず、水より重い二硫化炭素 |
| 分子中の酸素原子の数 | 分子式から数える(アセトン 1、酢酸イソブチル 2、N,N-ジメチルホルムアミド 1、キシレン 0、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 3) |
ひっかけパターン:「最も小さい」を「最も大きい」と取り違える。蒸気圧は、沸点が最も高い溶剤が最も小さい。二硫化炭素は、沸点が低い(46 ℃)ので、60 ℃では気体、一方、25 ℃の密度は水より大きい。「モル質量も蒸気圧も大きい」の組合せは、モル質量は分子の大きさ、蒸気圧は沸点の低さで、別々に判断する。
例題(令和8年度第1回 問1)25 ℃の飽和蒸気圧が最も小さいのは、エチレングリコールモノメチルエーテル、1,1,1-トリクロロエタン、二硫化炭素、n-ヘキサン、メチルエチルケトンのどれか。
→ 沸点が最も高いのは、エチレングリコールモノメチルエーテル(124.5 ℃)。
例題(令和8年度第1回 問3)アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、キシレン、酢酸イソブチル、N,N-ジメチルホルムアミドの酸素原子の合計数は?
→ 1 + 3 + 0 + 2 + 1 = 7。
例題(令和7年度第1回 問1)モル質量も蒸気圧も、Ⓑより Ⓐ の方が大きい組は?(酢酸メチル/メタノールなど)
→ 酢酸メチル(モル質量約74、沸点57.8 ℃)は、メタノール(約32、64.7 ℃)より、モル質量が大きく、沸点が低い(蒸気圧が大きい)ので、正答は「酢酸メチル/メタノール」。
テーマ13 GCの溶出順・テーリング[S]
出題実績:12回中10回。問8〜13。「トルエンより保持時間の長い(短い)溶剤」「溶出の早い順」「テーリングを起こしやすい溶剤」を選ぶ。
解き方
- 無極性カラム(メチルシリコン系、OV-1 など):成分は、おおよそ沸点の低い順に溶出する。
- ポリエチレングリコール20M(PEG 20M)のカラム:過去問の解説では、同じく、おおよそ沸点の低いものから溶出するとして、答えを決めている。
- 「トルエンより保持時間が長い」= トルエンより沸点が高い(110.6 ℃を超える)溶剤。「短い」= 沸点が低い溶剤。
- テーリング:極性の高い溶剤(アルコールなど、水酸基をもつもの)が、無極性カラムで、固定相との相互作用が弱く、カラムや注入口の活性点に吸着して起こす。選択肢の中で最も極性が高いもの(メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)を選ぶ。
ひっかけパターン:PEG 20M で、極性が高いからと、アルコールを遅く溶出するものとして、先に選んでしまう(過去問は、沸点で決まる問題として出ている)。「長い」と「短い」の取り違え。
例題(令和8年度第1回 問8)PEG 20M のカラムで、トルエンより保持時間の長いのは、メタノール、二硫化炭素、m-キシレン、酢酸メチル、メチルエチルケトンのどれか。
→ トルエン(110.6 ℃)より沸点が高いのは、m-キシレン(約139 ℃)。
例題(令和7年度第1回 問8)メチルシリコン系の無極性カラムで、保持時間が最も長いのは、酢酸メチル、イソプロピルアルコール、n-ヘキサン、シクロヘキサノン、アセトンのどれか。
→ 沸点が最も高いシクロヘキサノン(156 ℃)。
4. 解き方まとめ・公式まとめ
解き方まとめ(計算問題)
- 何を聞かれているかで、型を決める:サンプラー(C・D測定)→ テーマ1、ピーク幅・段数・分離度 → テーマ2、吸光度・モル吸光係数 → テーマ3、真空捕集瓶 → テーマ4、2本のインピンジャー → テーマ5、検知管の併行測定 → テーマ6。
- 空気中の濃度は、必ず同じ5段:脱着液(または捕集液)中の量 → 脱着率で割る → 空気量(流量 × 時間)で割る → mg/m³(µg/L と同じ)→ × 24.45 ÷ モル質量で ppm。
- 単位をそろえる:分・時間、mm・cm、µL・mL、cm³・L。受動型は cm³ を L に。
- 答えは桁で当たりを付ける:選択肢は倍・半分で離れていることが多い。
- 誤答の形を知っておく:捕集率は「割る相手」、脱着率は「割る」、分離度は「分母が幅の和」、換算値は「管理濃度で割ってから足す」。
解き方まとめ(穴埋め・組合せ・物質選択)
- 固体捕集法:無極性(トルエン、キシレン、n-ヘキサンなど)→ 活性炭管 + 二硫化炭素。極性(メタノール、アセトンなど)→ シリカゲル管(メタノールは精製水で脱着)。精製水で活性炭管は脱着できない。
- カラム温度:高い → 分配小 → 保持時間短 → 間隔狭(分離悪)。低いは逆。
- 吸光光度の装置:可視 → タングステンランプ・ガラスセル。紫外 → 重水素ランプ・石英セル。単色光はモノクロメータ。
- 物性は沸点の順で決める:蒸気圧は沸点の逆順。GCの溶出は沸点の低い順。水より重いのは二硫化炭素とクロロベンゼン。極性が高いのは、アルコールと N,N-ジメチルホルムアミド。
公式まとめ
| テーマ | 公式・覚えること |
|---|---|
| 気中濃度(能動型) | 質量 = 脱着液の濃度 × 脱着溶媒の量 ÷ 脱着率。空気量(L)= 流量 × 時間。mg/m³ = µg ÷ L |
| 気中濃度(受動型) | 見かけの空気量 = サンプリング速度(cm³/min)× 時間 ÷ 1000(L)。GCへの注入量は使わない |
| ppm 換算 | ppm = mg/m³ × 24.45 ÷ モル質量(25 ℃・1気圧) |
| 理論段数 | n = (4 t_R/W)²。H = L/n。L = n × H |
| 分離度 | R = 2 (t_R2 − t_R1)/(W1 + W2) |
| 吸光度 | A = ε c l。ε = A/(c l)。気体のモル濃度 c = P/(RT) |
| 標準ガス | 標準液中の体積分率 × シリンジの量 → 体積 × 密度 ÷ モル質量 → mol × 24.45 L/mol ÷ 真空捕集瓶の容積 |
| 捕集率(2本直列) | η = 1 − (2本目の量/1本目の量) |
| 換算値変換係数 | 換算値 = Σ(濃度/管理濃度)。係数 = 換算値/検知管の指示値(ppm⁻¹) |
| 脱着・捕集管 | 無極性 → 活性炭管・二硫化炭素。メタノール → シリカゲル管・精製水 |
5. この章の過去問
アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、キシレン、酢酸イソブチル、N,N-ジメチルホルムアミドの分子中に含まれる酸素原子の合計数として、正しいものは次のうちどれか。
① 7 ② 8 ③ 9 ④ 10 ⑤ 11
正答 ①。テーマ12。酸素原子:アセトン1、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート3、キシレン0、酢酸イソブチル2、N,N-ジメチルホルムアミド1。合計7。
同族化合物の複数成分を含む試料を分析する際、ガスクロマトグラフの温度設定に関する次の記述の㋑から㋩の[ ]に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。「カラム温度は分析対象物質の沸点を基にして決められるが、カラム温度が[㋑]ほど試料成分の固定相への分配が[㋺]なるので、一般に、試料成分のピークとピークの間隔は[㋩]なる。」
① 低い / 小さく / 狭く ② 低い / 小さく / 広く ③ 低い / 大きく / 広く ④ 高い / 小さく / 広く ⑤ 高い / 大きく / 狭く
正答 ③。テーマ9。温度が低いほど、分配が大きく、ピークの間隔は広い。
ガスクロマトグラム上に二つのピーク、A 及び B があり、保持時間が A は142 秒、B は 194 秒であった。ピーク幅については、A は 4 秒 、B は 6 秒であった。分離度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
① 0.5 ② 1 ③ 5 ④ 10 ⑤ 15
正答 ④。テーマ2。R = 2×(194−142)/(4+6) = 10.4。
吸光光度分析法に関する次の記述の㋑から㋩までの[ ]に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。「300 nm において吸光度を測定する場合、光源には[㋑]を使用し、光源からの光を[㋺]によって単色光とした後、[㋩]に入れた試料液を透過させる。」
① 重水素ランプ / モノクロメータ / ガラスセル ② 重水素ランプ / モノクロメータ / 石英セル ③ タングステンランプ / スリット / プラスチックセル ④ タングステンランプ / スリット / ガラスセル ⑤ タングステンランプ / モノクロメータ / 石英セル
正答 ②。テーマ10。300 nm は紫外部なので、重水素ランプ・モノクロメータ・石英セル。
捕集率が同じ2本のミゼットインピンジャーを直列に連結して、ある有機溶剤蒸気の捕集を行ったところ、1本目には 0.800 mg の有機溶剤が、2本目には 0.0600 mg の有機溶剤が捕集された。このミゼットインピンジャー1本の捕集率(%)として、正しい値は次のうちどれか。
① 86.0 % ② 88.8 % ③ 91.2 % ④ 92.5 % ⑤ 93.0 %
正答 ④。テーマ5。η = 1 − 0.0600/0.800 = 92.5%。
酢酸エチルを含む塗料を用いた塗装作業を行う作業者5名に、能動型試料採取機器(アクティブサンプラー)を装着して、C 測定を6時間実施した。作業後に採取機器を回収し、捕集された酢酸エチルを溶媒 2 mL で脱着し、ガスクロマトグラフで分析したところ、1名の分析結果として酢酸エチル 1750.0µg・mL⁻¹が得られた。この1名の C 測定の測定値として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、吸引流量:0.1 L・min⁻¹ 、酢酸エチルのモル質量:88.1 g・mol⁻¹、脱着率:90 % とする。また、25 ℃、1気圧下とする。
① 3 ppm ② 15 ppm ③ 30 ppm ④ 60 ppm ⑤ 120 ppm
正答 ③。テーマ1。1750.0×2÷0.90÷36 L = 108 mg/m³。×24.45/88.1 = 30 ppm。
次の有機溶剤の組合せのうち、モル質量の値及び常温(25℃)での蒸気圧(hPa)の値のいずれもがⒷに比べⒶの方が大きいものはどれか。
① 酢酸エチル / トルエン ② テトラヒドロフラン / n-ヘキサン ③ シクロヘキサノン / シクロヘキサノール ④ 酢酸メチル / メタノール ⑤ 2-ブタノール / イソプロピルアルコール
正答 ④。テーマ12。酢酸メチルは、メタノールよりモル質量が大きく、沸点が低い(蒸気圧が大きい)。
N,N-ジメチルホルムアミドの物性に関する次の記述の㋑から㋩までのに入る語句の組合せとして、適切なものは下のうちどれか。「N,N-ジメチルホルムアミドは1分子内に窒素が[㋑]あり、官能基としては[㋺]を有する。また、常温、常圧での状態は[㋩]である。」
① 一つ / カルボニル基 / 液体 ② 一つ / アミノ基 / 固体 ③ 二つ / カルボニル基 / 液体 ④ 二つ / カルボニル基 / 固体 ⑤ 二つ / アミノ基 / 液体
正答 ①。テーマ12。N,N-ジメチルホルムアミド:窒素1つ、カルボニル基(アミド)、常温で液体。
固体捕集法-ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述の㋑から㋩までのに入る語句の組合せとして、不適当なものは下のうちどれか。「作業環境空気中の[㋑]は[㋺]に捕集し、[㋩]で脱着して得た試料液を、ガスクロマトグラフに導入して定量する。」
① キシレン / 活性炭管 / 二硫化炭素 ② メタノール / 活性炭管 / 二硫化炭素 ③ イソプロピルアルコール / 活性炭管 / N,N-ジメチルホルムアミド ④ アセトン / シリカゲル管 / メタノール ⑤ クロロベンゼン / シリカゲル管 / メタノール
正答 ②。テーマ8。メタノールを活性炭管に捕集して二硫化炭素で脱着する組は不適当(活性炭管ならN,N-ジメチルホルムアミド)。
混合有機溶剤について検知管法の使用が認められている場合において、トルエン、酢酸エチル、1,1,1-トリクロロエタン及びキシレンを含有する混合溶剤を使用している単位作業場所内の併行測定点におけるトルエン用検知管の測定値は、15 ppmであった。一方、ガスクロマトグラフで分析した測定値は、トルエン 10 ppm、酢酸エチル 14 ppm、1,1,1-トリクロロエタン 8.0 ppm及びキシレン 4.0 ppmであった。換算値変換係数として、正しい値は次のうちどれか。なお、トルエン、酢酸エチル、1,1,1-トリクロロエタン及びキシレンの管理濃度は、それぞれ 20 ppm、200 ppm、200 ppm及び 50 ppmである。
① 0.0058 ppm⁻¹ ② 0.0115 ppm⁻¹ ③ 0.0230 ppm⁻¹ ④ 0.0460 ppm⁻¹ ⑤ 0.0920 ppm⁻¹
正答 ④。テーマ6。換算値 = 10/20+14/200+8.0/200+4.0/50 = 0.69。÷15 = 0.046 ppm⁻¹。
同族化合物の複数成分からなる試料を分析する際の、ガスクロマトグラフのカラム温度に関する次の記述の㋑から㋩までの[ ]に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。「カラム温度は分析対象物質の沸点を基にして決められるが、カラム温度が[㋑]ほど試料成分の保持時間が[㋺]なり、試料成分の分離は[㋩]なる。」
① 低い / 長く / 良く ② 低い / 短く / 悪く ③ 高い / 短く / 良く ④ 高い / 長く / 悪く ⑤ 高い / 長く / 良く
正答 ①。テーマ9。温度が低いほど、保持時間は長く、分離は良い。
二硫化炭素の吸光光度分析法に関する次の記述の㋑から㋩までの[ ]に入る語句又は数字の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。「 環境空気中の二硫化炭素は、[㋑]に捕集し、捕集液が[㋺]を呈したら、試料空気の吸引をやめ、[㋩]nm付近の波長で吸光度を測定する。」
① ピリジン溶液 / 赤桃色 / 530 ② 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン溶液 / 赤桃色 / 530 ③ 塩酸ヒドロキシルアミン溶液 / 紫色 / 510 ④ ジエチルアミン銅溶液 / 黄金色 / 420 ⑤ ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液 / 黄金色 / 420
正答 ④。テーマ11。二硫化炭素:ジエチルアミン銅溶液、黄金色、420 nm。
作業者がメチルエチルケトンを含む塗料容器を持ち、移動しながら製品に塗装する作業を行っていたため、作業者に受動型試料採取機器(パッシブサンプラー)を装着して15分間のD 測定を実施した。測定終了後、2 mLの溶媒でメチルエチルケトンを脱着し、これを試料液とした。試料液のうち 2 µLをマイクロシリンジでガスクロマトグラフに導入して分析したところ、試料液の濃度は10.5 µg・mL⁻¹であった。D 測定値として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、サンプリング速度:12 cm³・min⁻¹、メチルエチルケトンのモル質量:72.1 g・mol⁻¹、脱着率:0.9 とする。また、25 ℃、1気圧下とする。
① 22 ppm ② 44 ppm ③ 66 ppm ④ 88 ppm ⑤ 110 ppm
正答 ②。テーマ1。10.5×2÷0.9÷0.18 L = 130 mg/m³。×24.45/72.1 = 44 ppm。
1名の作業者により、トルエンを溶剤とした塗料を用いた手吹きによる塗装作業が移動しながら行われていた。作業者に能動型試料採取器(アクティブサンプラー)を装着して、1時間のサンプリングを5回繰り返すことにより C 測定を行った。作業後に回収された採取器の一つについて、溶媒にて脱着した後にガスクロマトグラフで分析したところ、トルエン濃度として 322 µg・mL⁻¹ が得られた。脱着溶媒は 2 mLとすると、測定値として正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、吸引流量:0.1 L・min⁻¹、トルエンのモル質量:92.1g・mol⁻¹、脱着率:95 % とする。また、25 ℃、1気圧下とする。
① 3 ppm ② 5 ppm ③ 10 ppm ④ 20 ppm ⑤ 30 ppm
正答 ⑤。テーマ1。322×2÷0.95÷6 L = 113 mg/m³。×24.45/92.1 = 30 ppm。
固体捕集法-ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述の㋑から㋩のに入る語句の組合せとして、不適当なものは下のうちどれか。「作業環境空気中の[㋑]は[㋺]に捕集し、[㋩]で脱着して得た試料液を、ガスクロマトグラフに導入して定量する。」
① キシレン / 活性炭管 / 二硫化炭素 ② アセトン / シリカゲル管 / メタノール ③ イソプロピルアルコール / 活性炭管 / N,N-ジメチルホルムアミド ④ メタノール / シリカゲル管 / 精製水 ⑤ クロロベンゼン / 活性炭管 / 精製水
正答 ⑤。テーマ8。クロロベンゼンを活性炭管に捕集して精製水で脱着する組は不適当。
成分 A、B の保持時間に相当するガスクロマトグラム上の長さがそれぞれ9 cm、12 cmで、ピーク幅がそれぞれ 10 mm、14 mmであるとき、使用したカラムの成分 A、B のピークの分離度として、正しい値は次のうちどれか。
① 0.25 ② 1.25 ③ 1.50 ④ 2.50 ⑤ 3.75
正答 ④。テーマ2。幅を cm にそろえて、R = 2×(12−9)/(1.0+1.4) = 2.5。
ある有機溶剤5.00 mLを精製水で 100 mLとし、この溶液1.00 mLをはかりとり、発色させた上で、更に精製水で100 mLとした。この溶液を波長420 nm で光路長 1.00 cmのセルを用いて吸光度を測定したところ 0.600 となった。発色した物質のモル吸光係数の値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、有機溶剤の密度は 0.900 g・cm⁻³(25 ℃)、モル質量は88.1 g・mol⁻¹とする。
① 1.17 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L ② 1.33 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L ③ 2.26 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L ④ 4.50 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L ⑤ 5.11 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L
正答 ①。テーマ3。0.511 mol/L → 5.11×10⁻³ mol/L。ε = 0.600/5.11×10⁻³ = 1.17×10²。
トルエンを含む塗料が入ったスプレーガンを持ちながら、製品の周辺を移動して行う吹付塗装作業が1名の作業者により行われていた。作業者に能動型試料採取器(アクティブサンプラー)を装着し、15 分間のサンプリングであるD 測定を行った。採取器を回収し、捕集されたトルエンを溶媒 2.0 mLで脱着してガスクロマトグラフで分析したところ、分析結果としてトルエン76.2 µg・mL⁻¹ が得られた。このD測定値として正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、吸引流量は 0.10 L・min⁻¹、トルエンのモル質量は 92.1 g・mol⁻¹、脱着率は 90 % とする。また、気温は 25 ℃、大気圧は1気圧とする。
① 10 ppm ② 15 ppm ③ 20 ppm ④ 25 ppm ⑤ 30 ppm
正答 ⑤。テーマ1。76.2×2÷0.9÷1.5 L = 113 mg/m³。×24.45/92.1 = 30 ppm。
固体捕集法-ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述の㋑から㋩のに入る語句の組合せとして、不適当なものは下のうちどれか。「作業環境空気中の[㋑]は[㋺]に捕集し、[㋩]で脱着して得た試料液を、ガスクロマトグラフに導入して定量する。」
① トルエン / 活性炭管 / 二硫化炭素 ② メチルエチルケトン / シリカゲル管 / アセトン ③ イソプロピルアルコール / 活性炭管 / N,N-ジメチルホルムアミド ④ メタノール / シリカゲル管 / 精製水 ⑤ n-ヘキサン / 活性炭管 / 精製水
正答 ⑤。テーマ8。n-ヘキサンを活性炭管に捕集して精製水で脱着する組は不適当。
複数成分を含む試料を分析する際、ガスクロマトグラフの温度設定に関する次の記述の㋑から㋩の[ ]に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。「カラム温度は分析対象物質の沸点を基にして決められるが、カラム温度が[㋑]ほど試料成分の固定相への分配が[㋺]なるので、一般に、試料成分のピークとピークの間隔は[㋩]なる。」
① 低い / 小さく / 広く ② 低い / 大きく / 狭く ③ 高い / 小さく / 狭く ④ 高い / 大きく / 狭く ⑤ 高い / 大きく / 広く
正答 ③。テーマ9。温度が高いほど、分配は小さく、ピークの間隔は狭い。
ガスクロマトグラム上にあるピークの保持時間に相当する長さが 150 mm、ピーク幅が 6.0 mm であった。このピークについて計算した理論段相当高さ(単位段数当たりのカラムの長さ)は 2.0 mmであった。使用したこのカラムの長さとして、正しい値は次のうちどれか。
① 5 m ② 10 m ③ 15 m ④ 20 m ⑤ 25 m
正答 ④。テーマ2。n = (4×150/6.0)² = 10000。L = 10000×2.0 mm = 20 m。
ある有機溶剤 1.50 mLを精製水で100 mLとし、この溶液1.00 mLを正確にはかり、発色させた上で、更に精製水で100 mLとした。この溶液を波長500 nm で光路長 1.00 cmのセルを用いて吸光度を測定したところ 0.500 となった。発色した物質のモル吸光係数の値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、この有機溶剤の密度は0.785 g・cm⁻³(25℃)、モル質量は58.1 g・mol⁻¹とする。
① 1.93 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L ② 2.46 × 10² cm⁻¹・mol⁻¹・L ③ 1.93 × 10³ cm⁻¹・mol⁻¹・L ④ 2.46 × 10³ cm⁻¹・mol⁻¹・L ⑤ 4.25 × 10³ cm⁻¹・mol⁻¹・L
正答 ②。テーマ3。0.2027 mol/L → 2.03×10⁻³ mol/L。ε = 0.500/2.03×10⁻³ = 2.46×10²。
作業環境空気中の酢酸エチルを真空捕集瓶に捕集した。この試料ガス中の酢酸エチルを定量するために、酢酸エチル 5.0 mL を含む二硫化炭素溶液 50 mLから 5.0 µLをマイクロシリンジで採取し、清浄空気の入っている 1.0 Lの真空捕集瓶中に完全に蒸発させ、標準ガスを作成した。試料ガス及び標準ガスを同一条件でガスクロマトグラフ分析したところ、試料ガスのピーク面積は、標準ガスのピーク面積の 1 / 5 であった。作業環境空気中の酢酸エチル濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、酢酸エチル(液体)の密度を 0.89 g・cm⁻³、モル質量を 88 g・mol⁻¹とする。また、気温は 25 ℃、大気圧は1気圧とする。
① 5 ppm ② 15 ppm ③ 20 ppm ④ 25 ppm ⑤ 50 ppm
正答 ④。テーマ4。標準ガス 124 ppm。試料ガスは 1/5 なので 25 ppm。
トルエンを含む塗料が入ったスプレーガンを持ちながら、製品の周辺を移動して行う吹付塗装作業が1名の作業者により行われていた。作業者に能動型試料採取器(アクティブサンプラー)を装着して、8時間のサンプリングを行った。作業後に採取器を回収し、捕集されたトルエンを溶媒 2.0 mLで脱着してガスクロマトグラフで分析した。分析結果としてトルエン1626 µg・mL⁻¹ が得られた。C 測定値として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、吸引流量は 0.10 L・min⁻¹、トルエンのモル質量は 92.1 g・mol⁻¹、脱着率は 90 % とする。また、気温は 25 ℃、大気圧は1気圧とする。
① 16 ppm ② 18 ppm ③ 20 ppm ④ 24 ppm ⑤ 30 ppm
正答 ③。テーマ1。1626×2÷0.90÷48 L = 75 mg/m³。×24.45/92.1 = 20 ppm。
捕集率が同じ2本のミゼットインピンジャーを直列に連結して、ある有機溶剤蒸気の捕集を行ったところ、1本目には800 µgの有機溶剤が、2本目には120 µgの有機溶剤が捕集された。 このミゼットインピンジャー1本の捕集率(%)として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
① 82% ② 85% ③ 87% ④ 90% ⑤ 92%
正答 ②。テーマ5。η = 1 − 120/800 = 85%。