問15
化学物質等の性状及び挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)混合有機溶剤から蒸発する蒸気の組成比は、一般に、元の混合有機溶剤の組成比と異なる。
- (2)有機溶剤の蒸気密度は、空気の密度より大きいため、低いところに滞留しやすい。
- (3)空気中に浮遊する粉じんは、密度が同じであれば粒径が小さくなるほど、沈降速度は遅くなる。
- (4)鉛合金の研磨作業では、鉛は主にヒュームとして発生する。
- (5)液体の微細な粒子で空気中に浮遊しているものを、ミストという。
正答 (4)
鉛合金の研磨作業では、鉛は主に粉じんとして発生します。ヒュームは、鉛を溶かす作業などで鉛の蒸気が冷えて固まったものなので、選択肢4は誤りです。
「削る・砕く・磨く」なら粉じん、「溶かす・焼く」ならヒューム、と作業の種類で判断しましょう。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、原理「エアロゾルの種類と性質」(過去23回中11回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:エアロゾルの種類と性質(過去23回中11回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中6回出題(出題確率26%)論点「混合有機溶剤から出る蒸気の組成は、一般に、元の混合有機溶剤の組成とは異なる」
- (2)正しい記述頻出のおとり:全23回中8回出題(出題確率35%)/同じ記述の出題:4回論点「有機溶剤の蒸気密度は、空気の密度より大きいため、低いところに滞留しやすい」原理「蒸気の密度(空気との重さの比較)と滞留」:全23回中13回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全23回中10回出題(出題確率43%)/同じ記述の出題:7回論点「空気中に浮遊する粉じんは、粒径が同じであれば密度が小さいほど、沈降速度は遅くなる」原理「粒子の粒径と沈着する部位」:全23回中10回出題
- (4)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中2回出題(出題確率9%)論点「鉛合金の研磨作業では、鉛は主にヒュームとして発生する。(誤りの記述)」原理「エアロゾルの種類と性質」:全23回中11回出題
- (5)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「液体の微細な粒子で空気中に浮遊しているものを、ミストという。」
この問題のひっかけパターン:粉じん・ヒュームの発生と粒径
研磨で出るのは粉じん、溶融・溶接で出るのがヒューム。ヒュームの一次粒子は1µm以下。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)