問16
電離放射線及びその生体影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)放射性物質の半減期は温度に依存し、温度が高くなるほど半減期は短くなる。
- (2)α線、β線、γ線の中で、最も透過力が大きいのは、γ線である。
- (3)X線のうち、固体の原子の並びの間隔と同程度かそれ以下の波長のものは、その固体に入射すると回折現象を起こすため、これを利用することにより、固体試料の同定や定量を行うことができる。
- (4)確定的影響にはしきい値があるが、このうち、白内障と脱毛とでは、白内障の方がしきい値が小さい。
- (5)確率的影響では、障害の重篤度は線量に依存しない。
正答 (1)
放射性物質の半減期は、核種ごとに決まった値で、温度や圧力などの外部条件の影響を受けません。選択肢1は誤りです。
放射性壊変は原子核の中で起こる現象なので、化学反応のように温度で速さが変わることはありません。分析に関する概論でも同じ論点が出題されています。
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:いずれも初見の選択肢であり、問題のテーマとしても頻出テーマではないからです。
原理から解く:放射性崩壊と半減期(過去23回中2回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)誤った記述正答(初見):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「放射性物質の半減期は温度に依存し、温度が高くなるほど半減期は短くなる(誤りの記述)」原理「放射性崩壊と半減期」:全23回中2回出題
- (2)正しい記述頻出のおとり:全23回中12回出題(出題確率52%)/同じ記述の出題:1回論点「β線とγ線では、γ線の方が透過力が大きい。」原理「放射線の透過力と遮へい・外部被ばく防護の三原則」:全23回中13回出題
- (3)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「X線のうち、固体の原子の並びの間隔と同程度かそれ以下の波長のものは、その固体に入射すると回折現象を起こすため、これを利用することにより、固体試料の同定や定量を行うことができる」
- (4)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「確定的影響にはしきい値があるが、このうち、白内障と脱毛とでは、白内障の方がしきい値が小さい」
- (5)正しい記述頻出のおとり:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「確率的影響では、障害の重篤度は線量に依存しない。」原理「しきい値がある影響とない影響」:全23回中19回出題
この問題のひっかけパターン:壊変(α壊変の質量数・半減期は温度に無関係)
α壊変で、質量数は4、原子番号は2減る。半減期は、温度などに関係しない。
6-1参照。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)