ろ過捕集の機構(慣性・さえぎり・拡散・重力)
鉱物性粉じん・原理・過去12回中11回、関連する論点が出題
原理
1 µm以上は、慣性・さえぎり・重力、0.1 µm以下は、拡散で捕集され、その間(0.1〜0.3 µm)で、捕集効率が最も低い。
この原理で解ける論点は3個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(6問)
令和7年度 第1回(2025年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
繊維状フィルターによる粉じんの捕集原理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)慣性効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど低くなる。
- (2)重力効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど高くなる。
- (3)さえぎり効果による捕集効率は、粒径が小さいほど低くなる。
- (4)拡散効果による捕集効率は、粒径が大きいほど高くなる。
- (5)捕集効率は、粒径 0.1 ~ 0.3 µm の付近で最も低くなる。
正答 (4)
繊維層フィルターの捕集原理は、粒径とろ過速度によって、捕集効率が変わります。
- 拡散効果は、粒径が0.1 µmより小さい粒子で支配的で、粒径が小さいほど捕集効率が高くなります。「粒径が大きいほど高くなる」とする選択肢4は誤りです。
- 慣性効果は、ろ過速度が大きいほど、粒径が大きいほど、捕集効率が高くなります(選択肢1)。
- 重力効果は、ろ過速度が小さいほど、粒径が大きいほど、捕集効率が高くなります(選択肢2)。
- さえぎり効果は、粒径が大きいほど捕集効率が高くなり、小さいほど低くなります(選択肢3)。
- どの効果もあまり効かない粒径0.1〜0.3 µm付近で、捕集効率が最も低くなります(選択肢5)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)
令和4年度 第1回(2022年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
繊維状フィルターによる捕集原理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)捕集効率は、粒径0.1~0.3 µmの付近で最も高くなる。
- (2)さえぎり効果による捕集効率は、繊維径が小さいほど高くなる。
- (3)拡散効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど高くなる。
- (4)重力効果による捕集効率は、粒径が大きいほど高くなる。
- (5)慣性効果による捕集効率は、ろ過速度が大きいほど高くなる。
正答 (1)
繊維状フィルターの捕集効率は、粒径が0.1〜0.3 µm付近で最も低くなります(慣性・重力・さえぎり効果と、拡散効果のどちらも効きにくい粒径です)。「最も高くなる」とする選択肢1は誤りです。
さえぎり効果は、繊維径が小さいほど高くなります。拡散効果は、ろ過速度が小さいほど高くなります。重力効果は、粒径が大きいほど高くなります。慣性効果は、ろ過速度が大きいほど高くなります。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
繊維状フィルターの捕集効率は、粒径が0.1〜0.3 µm付近で最も低くなります(慣性・重力・さえぎり効果と、拡散効果のどちらも効きにくい粒径です)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)
令和3年度 第1回(2021年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
粉じん粒子のろ過に用いられるフィルターに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)繊維層フィルターは、1本1本の繊維が独立した平行円柱群モデルフィルターとみなすことができる。
- (2)粒径が 0.1 µm より小さい粒子では、拡散効果が有効であり、粒径が小さくなるほど捕集効率は低下する。
- (3)繊維層フィルターは、構成する繊維の表面に粒子を捕集する。
- (4)メンブランフィルターは、繊維層フィルターに比べ空間率の低い多孔質フィルターである。
- (5)粉じんを測定する場合には、0.3 µm の粒子に対する捕集率が 95 %以上でなければならない。
正答 (2)
粒径が0.1 µmより小さい粒子では、拡散効果が有効で、粒径が小さくなるほど、捕集効率は上昇します。「低下する」とする選択肢2は誤りです。
繊維層フィルターは、1本1本の繊維が独立した平行円柱群モデルとみなせます。繊維層フィルターは、繊維の表面に粒子を捕集します。メンブランフィルターは、繊維層フィルターに比べて、空間率の低い多孔質フィルターです。粉じんの測定では、粒径0.3 µmの粒子を95%以上捕集できなければなりません。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、論点「拡散効果による捕集効率は、粒径が小さいほど高くなる。」(過去12回中10回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
原理から解く:ろ過捕集の機構(慣性・さえぎり・拡散・重力)(過去12回中11回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)/同じ記述の出題:2回論点「繊維層フィルターは、1本1本の繊維が独立した円柱とみなすことができる」
- (2)誤った記述正答(出題頻度が高い):全12回中10回出題(出題確率83%)/同じ記述の出題:1回論点「拡散効果による捕集効率は、粒径が小さいほど高くなる。」原理「ろ過捕集の機構(慣性・さえぎり・拡散・重力)」:全12回中11回出題
- (3)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)論点「繊維層フィルターは、構成する繊維の表面に粒子を捕集する。」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中8回出題(出題確率67%)/同じ記述の出題:3回論点「メンブランフィルターは、繊維層フィルターに比べ空間率の低い多孔質フィルターである」原理「フィルターの性質(空間率・吸湿・帯電)」:全12回中12回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中5回出題(出題確率42%)/同じ記述の出題:1回論点「粉じんを測定する場合には、0.3 µm の粒子に対する捕集率が 95 %以上でなければならない」
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和3年度 第1回・2021年8月実施)
令和2年度 第1回(2020年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
粒子の繊維層フィルターの捕集原理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)さえぎり効果による捕集効率は、繊維径が大きいほど上昇する。
- (2)拡散効果による捕集効率は、繊維径が小さいほど上昇する。
- (3)拡散効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど上昇する。
- (4)重力効果による捕集効率は、粒子径が大きいほど上昇する。
- (5)慣性効果による捕集効率は、粒子径が大きいほど上昇する。
正答 (1)
さえぎり効果による捕集効率は、繊維径が小さいほど上昇します。「繊維径が大きいほど上昇する」とする選択肢1は誤りです。同じ型の出題は、令和5年度第1回にもあります(出題実績)。
拡散効果は、繊維径が小さいほど、ろ過速度が小さいほど、捕集効率が上昇します。重力効果と慣性効果は、粒子径が大きいほど上昇します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)
令和元年度 第1回(2019年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
繊維層フィルターによる粒子の捕集原理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)重力効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど高くなる。
- (2)慣性効果による捕集効率は、ろ過速度が大きいほど高くなる。
- (3)拡散効果による捕集効率は、粒径が小さいほど高くなる。
- (4)さえぎり効果による捕集効率は、粒径が大きいほど高くなる。
- (5)捕集効率は、粒径 0.1 ~ 0.3 µm の付近で最も高くなる。
正答 (5)
繊維層フィルターの捕集効率は、粒径が0.1〜0.3 µm付近で最も低くなります。「最も高くなる」とする選択肢5は誤りです。同じ記述は、令和4年度第1回にも出題されています(出題実績)。
重力効果は、ろ過速度が小さいほど高くなります。慣性効果は、ろ過速度が大きいほど高くなります。拡散効果は、粒径が小さいほど高くなります。さえぎり効果は、粒径が大きいほど高くなります。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
繊維状フィルターの捕集効率は、粒径が0.1〜0.3 µm付近で最も低くなります(慣性・重力・さえぎり効果と、拡散効果のどちらも効きにくい粒径です)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和元年度 第1回・2019年8月実施)
平成28年度 第1回(2016年8月実施)
鉱物性粉じん
得点必須S暗記で解く
粒子の繊維層フィルターの捕集原理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)さえぎり効果による捕集効率は、繊維径が小さいほど上昇する。
- (2)拡散効果による捕集効率は、繊維径が小さいほど上昇する。
- (3)慣性効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど上昇する。
- (4)重力効果による捕集効率は、ろ過速度が小さいほど上昇する。
- (5)さえぎり効果による捕集効率は、粒子径が大きいほど上昇する。
正答 (3)
慣性効果による捕集効率は、ろ過速度が大きいほど上昇します。「ろ過速度が小さいほど上昇する」とする選択肢3は誤りです。同様の記述は、令和5年度第1回などにも出題されています(出題実績)。
さえぎり効果は、繊維径が小さいほど、粒子径が大きいほど、上昇します。拡散効果は、繊維径が小さいほど上昇します。重力効果は、ろ過速度が小さいほど上昇します。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成28年度 第1回・2016年8月実施)