問5
化学物質等の性質及び挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)空気中に浮遊する粉じんは、粒径が同じであれば密度が小さくなるほど、沈降速度は遅くなる。
- (2)一定量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する。
- (3)クロロホルムの蒸気密度はキシレンの蒸気密度より大きく、また、25℃における蒸気圧はキシレンの蒸気圧より大きい。
- (4)テトラヒドロフランの極性は、テトラクロロエチレンの極性より大きい。
- (5)クレゾールは、水に溶けるとアルカリ性を示す。
正答 (5)
クレゾールは、ベンゼン環にヒドロキシ基(-OH)とメチル基が付いたフェノール類です。フェノール類の水溶液は弱い酸性を示すので、選択肢5は誤りです。
-OH が付いていても、アルコールのように中性になるのではなく、ベンゼン環に直接付いた -OH は水素イオンをわずかに放出します。フェノール類は酸性、アニリンのようなアミン類はアルカリ性、と官能基で整理しておきましょう。
- (1)正しい。粒径が同じなら、密度が小さいほど沈降速度は遅い。
- (2)正しい。ボイル・シャルルの法則。
- (3)正しい。クロロホルムは分子量が大きく蒸気は重く、沸点が低いので蒸気圧は高い。
- (4)正しい。テトラヒドロフランは極性があり、テトラクロロエチレンはほぼ無極性。
- (5)誤り。クレゾールの水溶液は弱い酸性。
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:いずれも初見の選択肢であり、問題のテーマとしても頻出テーマではないからです。
原理から解く:水溶液の酸性・塩基性(過去23回中2回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中10回出題(出題確率43%)/同じ記述の出題:8回論点「空気中に浮遊する粉じんは、粒径が同じであれば密度が小さいほど、沈降速度は遅くなる」原理「粒子の粒径と沈着する部位」:全23回中10回出題
- (2)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「一定量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する。」
- (3)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「クロロホルムの蒸気密度はキシレンの蒸気密度より大きく、また、25℃における蒸気圧はキシレンの蒸気圧より大きい」
- (4)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「テトラヒドロフランの極性は、テトラクロロエチレンの極性より大きい」
- (5)誤った記述正答(初見):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「クレゾールは、水に溶けるとアルカリ性を示す。(誤りの記述)」原理「水溶液の酸性・塩基性」:全23回中2回出題
この問題のひっかけパターン:水への溶けやすさと液性
1,4-ジオキサンやテトラヒドロフランは水とよく混ざる。クレゾールは弱酸性。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)