問18
作業環境空気中の酢酸エチルを真空捕集瓶に捕集した。この試料ガス中の酢酸エチルを定量するために、酢酸エチル 5.0 mL を含む二硫化炭素溶液 50 mLから 5.0 µLをマイクロシリンジで採取し、清浄空気の入っている 1.0 Lの真空捕集瓶中に完全に蒸発させ、標準ガスを作成した。試料ガス及び標準ガスを同一条件でガスクロマトグラフ分析したところ、試料ガスのピーク面積は、標準ガスのピーク面積の 1 / 5 であった。作業環境空気中の酢酸エチル濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、酢酸エチル(液体)の密度を 0.89 g・cm⁻³、モル質量を 88 g・mol⁻¹とする。また、気温は 25 ℃、大気圧は1気圧とする。
- (1)5 ppm
- (2)15 ppm
- (3)20 ppm
- (4)25 ppm
- (5)50 ppm
正答 (4)
次の順で計算します。
- 標準ガス用の溶液の酢酸エチル濃度:5.0 mL/50 mL = 0.10(体積分率)
- マイクロシリンジで採取した5.0 µLに含まれる酢酸エチル:5.0 × 0.10 = 0.50 µL = 5.0 × 10⁻⁴ mL
- その質量:5.0 × 10⁻⁴ mL × 0.89 g/mL = 4.45 × 10⁻⁴ g、物質量 = 4.45 × 10⁻⁴ ÷ 88 = 5.06 × 10⁻⁶ mol
- 気体の体積(25℃、1気圧のモル体積24.45 L/mol):5.06 × 10⁻⁶ × 24.45 = 1.24 × 10⁻⁴ L
- 1.0 Lの標準ガスの濃度:1.24 × 10⁻⁴ L/1.0 L = 124 ppm
- 試料ガスのピーク面積は標準ガスの1/5なので、試料ガスの濃度は、124/5 ≒ 25 ppm
よって(4)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「n-ヘキサン標準ガスの濃度と試料ガスの濃度の計算」(過去12回中2回出題)に当てはまる選択肢であり、押さえておけば、何とか正答を割り出せるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
この問題のひっかけパターン:n-ヘキサン標準ガスの濃度と試料ガスの濃度の計算
標準ガスの濃度(体積の比)を求め、ピーク面積の比で試料ガスの濃度を出す。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)