問12
作業環境空気(25 ℃、1気圧)中のトルエンジイソシアネート(TDI)の濃度を測定するため、1.0 L・min⁻¹ で 10 分間試料空気を1-(2-ピリジル)ピペラジン(2-PP)含浸ろ紙に通気した。得られた TDI-2-PP誘導体を抽出液 4.0 mLで抽出し試料液とした。高速液体クロマトグラフで分析した結果、試料液中のこの誘導体の濃度は 0.15 µg・mL⁻¹ であった。作業環境空気中の TDI 濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、TDI と TDI-2-PP誘導体のモル質量は、それぞれ 174 g・mol⁻¹ と501 g・mol⁻¹、ろ紙への捕集率は 100 % とし、TDI は全て2,4-TDI の形で存在しているものとする。
- (1)1 ppb
- (2)2 ppb
- (3)3 ppb
- (4)4 ppb
- (5)5 ppb
正答 (3)
次の順で計算します。
- 試料液中の誘導体の量:0.15 µg/mL × 4.0 mL = 0.60 µg
- TDIの量に換算:0.60 µg × 174/501 ≒ 0.208 µg(TDI 1分子が誘導体1分子になるとして、モル質量の比で換算)
- 吸引した空気の量:1.0 L/min × 10 min = 10 L
- 濃度:0.208 µg ÷ 10 L ≒ 0.0208 µg/L = 0.0208 mg/m³
- ppbに換算(25℃、1気圧):0.0208 × 24.45/174 × 1000 ≒ 2.9 ppb
よって(3)の3 ppbです。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:最高)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「高速液体クロマトグラフ分析法による濃度の計算(TDI・エチレンイミン)」(過去12回中5回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中4回出題(出題確率33%)
この問題のひっかけパターン:高速液体クロマトグラフ分析法による濃度の計算(TDI・エチレンイミン)
誘導体の量×(TDIのモル質量÷誘導体のモル質量)÷吸引空気量→ppb。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)