問9
金属及びその化合物による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ベリリウムは、感作性があり、吸入や接触により、気管支ぜんそくや肺炎、接触皮膚炎を生じるほか、慢性中毒としては肺に肉芽腫を生じる。
- (2)マンガンは、脳に蓄積し、慢性中毒では、歩行障害、発語障害、筋緊張亢進などの症状が見られる。
- (3)自然界に存在するコバルトは全て放射性で、局所被ばくでは、皮膚、粘膜、眼などに障害を起こす。
- (4)ニッケルは、感作性があり、また、ニッケル化合物は、肺がんや鼻腔がんを引き起こす。
- (5)金属水銀は、経口摂取しても消化管からは吸収されないが、蒸発しやすいため、蒸気を気道から吸入すると脳に達し、感情不安定、幻覚などの精神障害や手指の震えなどの症状を生じる。
正答 (3)
自然界に存在するコバルトは、放射性をもたない安定な同位体(コバルト59)です。放射性のコバルト60は、原子炉などで人工的につくられるものなので、選択肢3は誤りです。
コバルトそのものの健康障害は、気管支ぜんそくやアレルギー性皮膚炎などの感作性によるものです。放射線源としてのコバルト60とは分けて考えましょう。
この問題で狙われた罠:金属ごとの健康障害の取り違え
カドミウム-腎障害・肺気腫、クロム酸-鼻中隔穿孔、6価クロムが3価より強毒。天然のコバルトは放射性ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第2回・2025年2月実施)