問9
金属及びその化合物による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)金属クロムは、接触皮膚炎や気道への刺激症状を生じるが、クロム酸や重クロム酸と異なり、発がん性はないとされている。
- (2)コバルト及びその無機化合物は、気管支ぜんそく、アレルギー性皮膚炎等の疾患を引き起こす。
- (3)水銀は、金属水銀、無機水銀、有機水銀に大別されるが、いずれも経口的に人体に取り込まれた場合は、消化管から吸収され、精神障害や聴覚障害、腎機能障害を起こす。
- (4)バナジウム中毒では、粘膜刺激症状、呼吸器症状や舌の緑着色が特徴的で、その他、心悸亢進、手指のふるえ等が見られる。
- (5)金属熱は、主として亜鉛や銅のヒュームを吸入して発症する疾病で、吸入から数時間後に悪寒や発熱、関節痛などの症状がみられるが、発症の数時間から数日後には発汗とともに解熱し、多少の疲労感を残し回復する。
正答 (3)
金属水銀は、口から入っても消化管からはほとんど吸収されません。金属水銀で問題になるのは、蒸気を吸い込んだ場合です。「いずれも消化管から吸収される」とする選択肢3は誤りです。
水銀は形によって体への入り方と障害が違います。金属水銀の蒸気は吸入されて中枢神経障害(手指のふるえ、精神症状)を起こし、無機水銀は腎障害、メチル水銀などの有機水銀は消化管からよく吸収されて中枢神経障害(水俣病)を起こします。
この問題で狙われた罠:金属ごとの健康障害の取り違え
カドミウム-腎障害・肺気腫、クロム酸-鼻中隔穿孔、6価クロムが3価より強毒。天然のコバルトは放射性ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)