問6
化学物質等による健康障害等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。
- (2)二酸化炭素は、気中濃度が 3 %程度になると呼吸数の増加、脈拍や血圧の上昇が起こり、10 %以上では数分間で意識不明となり、致命的となる。
- (3)二酸化窒素による急性中毒では、粘膜刺激症状がみられ、慢性中毒では、歯牙酸蝕症、慢性気管支炎、胃腸障害などがみられる。
- (4)窒素は、空気の約8割を占める無色、無臭の気体であるが、圧気作業や潜水作業などで高分圧の窒素を吸入すると、窒素酔いと言われる飲酒時と似た症状を呈する。
- (5)ガスや蒸気である有害物質のうち、水への溶解度が高いものは、吸入すると肺胞まで到達しやすい。
正答 (5)
水に溶けやすいガスや蒸気は、吸い込むと上気道(鼻やのど)の粘膜の水分に溶けて、そこで吸収されたり刺激したりします。そのため、肺胞まで到達しにくくなります。「肺胞まで到達しやすい」とする選択肢5は誤りです。
アンモニアや塩化水素のような水溶性の高いガスは上気道を、二酸化窒素やホスゲンのような水に溶けにくいガスは肺の奥を障害しやすい、と溶けやすさと障害部位を結びつけて覚えましょう。
この問題は、失点しても仕方がない問題です(初見)。
理由:いずれも初見の選択肢であり、問題のテーマとしても頻出テーマではないからです。
原理から解く:水への溶解度と吸収される部位(過去23回中2回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:1回論点「一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす」原理「一酸化炭素はヘモグロビンと強く結合する」:全23回中11回出題
- (2)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「二酸化炭素は、気中濃度が 3 %程度になると呼吸数の増加、脈拍や血圧の上昇が起こり、10 %以上では数分間で意識不明となり、致命的となる」
- (3)正しい記述:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:1回論点「二酸化硫黄は、慢性気管支炎、歯牙酸蝕症などを生じる。」
- (4)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「窒素は、空気の約8割を占める無色、無臭の気体であるが、圧気作業や潜水作業などで高分圧の窒素を吸入すると、窒素酔いと言われる飲酒時と似た症状を呈する」
- (5)誤った記述正答(初見):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「ガスや蒸気である有害物質のうち、水への溶解度が高いものは、吸入すると肺胞まで到達しやすい(誤りの記述)」原理「水への溶解度と吸収される部位」:全23回中2回出題
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)