問14
体積2 Lの3個の容器に、アクリロニトリル(A)、酸化プロピレン(B)、ヨウ化メチル(C)をそれぞれ1 gずつ別々に入れて密封し20 ℃に保った。定常状態になったとき、各容器中のそれぞれの物質の分圧(PA、PB、PC)を大きい順に並べたものは下のうちどれか。
ただし、アクリロニトリル、酸化プロピレン、ヨウ化メチルの物性等は次の表のとおりとする。
| モル質量(g・mol⁻¹) | 20 ℃における飽和蒸気圧 | |
|---|---|---|
| アクリロニトリル(A) | 53 | 15 kPa |
| 酸化プロピレン(B) | 58 | 59 kPa |
| ヨウ化メチル(C) | 142 | 54 kPa |
- (1)PA > PC > PB
- (2)PB > PA > PC
- (3)PB > PC > PA
- (4)PC > PA > PB
- (5)PC > PB > PA
正答 (2)
容器内に全量が蒸発したときの分圧を、P = nRT/V で求め、飽和蒸気圧と比べます。蒸発しきれない物質は、分圧が飽和蒸気圧になります。(20℃=293 K、V=2 L=0.002 m³、R=8.314 J/(mol・K))
- アクリロニトリル(A):n = 1/53 = 0.0189 mol、全量蒸発すると約23 kPa → 飽和蒸気圧15 kPaを超えるので、15 kPa
- 酸化プロピレン(B):n = 1/58 = 0.0172 mol、全量蒸発すると約21 kPa → 飽和蒸気圧59 kPa未満なので、約21 kPa
- ヨウ化メチル(C):n = 1/142 = 0.00704 mol、全量蒸発すると約8.6 kPa → 飽和蒸気圧54 kPa未満なので、約8.6 kPa
分圧の大きい順は B > A > C で、(2)です。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「容器内の気体の圧力の大小の比較(エチレンイミン・シアン化水素・ヨウ化メチル)」(過去12回中2回出題)に当てはまる選択肢であり、押さえておけば、何とか正答を割り出せるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- この形式の問題(選択肢が物質名などの問題):全12回中1回出題(出題確率8%)
この問題のひっかけパターン:容器内の気体の圧力の大小の比較(エチレンイミン・シアン化水素・ヨウ化メチル)
全量が蒸発したときの圧力を飽和蒸気圧と比べ、小さいほうをその物質の圧力とする。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)