問15
ベンゼン 1.00 gを容量 1 Lの真空容器に密封し、常温(25℃)にした。このとき容器内に液体として存在するベンゼンの質量に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、25℃でのベンゼンの飽和蒸気圧は12.6 kPa、モル質量は78.1 g・mol⁻¹とする。また、気体定数は 8.31 × 10³ Pa・L・mol⁻¹・K⁻¹とする。
- (1)0 g
- (2)0.20 g
- (3)0.40 g
- (4)0.60 g
- (5)0.80 g
正答 (4)
次の順で、全量が蒸発したときの圧力と、飽和蒸気圧を比べます。
- ベンゼンの物質量:1.00 g ÷ 78.1 g/mol ≒ 0.0128 mol
- 全量が蒸気になったときの圧力:P = nRT/V = 0.0128 × 8.31 × 10³ × 298 / 1 ≒ 3.17 × 10⁴ Pa(約31.7 kPa)
- 飽和蒸気圧(12.6 kPa)より大きいので、一部は液体として残り、気体は飽和蒸気圧(12.6 kPa)になります。
- 気体のベンゼンの物質量:n = PV/RT = 12.6 × 10³ ×1/(8.31 × 10³ × 298)≒ 5.09 × 10⁻³ mol、質量は 5.09 × 10⁻³ × 78.1 ≒ 0.40 g
- 液体として残る質量:1.00 − 0.40 = 0.60 g
よって(4)です。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「真空容器内で液体として残る量の計算(飽和蒸気圧との比較)」(過去12回中3回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
この問題のひっかけパターン:真空容器内で液体として残る量の計算(飽和蒸気圧との比較)
全量が蒸発したときの圧力 P=nRT/V を飽和蒸気圧と比べ、超えた分は液体で残る。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)