問17
X線回折基底標準吸収補正法によって、粉じん中の石英を定量する方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)基底標準吸収補正法は、試料による吸収の影響を補正して、遊離けい酸含有率の多少にかかわらず、標準試料で作った検量線をそのまま適用できるようにした方法である。
- (2)金属基底標準板には、石英の測定回折線より高角度側のそれに近い回折線を持つ材料を選ぶ。
- (3)粉じん試料を採取する前のフィルターを載せた金属基底標準板の回折強度と、粉じん採取後のフィルターを載せた金属基底標準板及び石英の回折線強度を計測する。
- (4)検量線は、縦軸にX線吸収補正係数を乗じた石英の回折線強度をとり、横軸に石英量をとって作成する。
- (5)吸収補正を行うことにより、夾雑物の吸収の影響を少なくすることができるが、定量範囲は狭くなる。
正答 (5)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
基底標準吸収補正法は、試料による吸収の影響を、試料の後ろに置いた基底標準物質の回折線強度の変化から補正する方法です。このような吸収補正を行うことで、定量範囲は広くなり、マトリックスの吸収の影響が少なくなります。「定量範囲は狭くなる」とする選択肢5は誤りです。
金属基底標準板には、亜鉛かアルミニウムを使い、石英の測定回折線より高角度側で、それに近い回折線をもつ材料を選びます。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、正答の選択肢が、過去に複数回出題されており、押さえておけば、正答を割り出せるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中8回出題(出題確率67%)
- (5)誤った記述正答(過去に複数回出題):全12回中2回出題(出題確率17%)
この問題のひっかけパターン:吸収補正で定量範囲は広くなる
基底標準吸収補正法は、試料による吸収の影響を、試料の後ろに置いた基底標準物質の回折線強度の変化から補正する方法です。このような吸収補正を行うことで、定量範囲は広くなり、マトリックスの吸収の影響が少なくなります。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)