問18
X 線回折基底標準吸収補正法によって、粉じん中の石英を定量する方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)基底標準吸収補正法は、試料による吸収の影響を補正して、遊離けい酸含有率の多少にかかわらず、標準試料で作った検量線をそのまま適用できるようにした方法である。
- (2)金属基底標準板には、石英の測定回折線より低角度側のそれに近い回折線をもつ材質を選ぶ。
- (3)定性分析により炭酸カルシウムの存在が確認された試料の場合、金属基底標準板として亜鉛板ではなくアルミニウム板を用いる。
- (4)吸収補正を行うことにより、定量範囲は広くなり、夾雑物の吸収の影響を少なくして精度を向上させることができる。
- (5)1個の微少量試料を10 回程度繰り返し測定したとき、その測定値の標準偏差の3倍を検出下限とする。
正答 (2)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
基底標準吸収補正法で、金属基底標準板には、石英の測定回折線より高角度側で、それに近い回折線をもつ材質(亜鉛かアルミニウム)を選びます。「低角度側」とする選択肢2は誤りです。
吸収補正を行うことで、定量範囲は広くなり、夾雑物の吸収の影響が少なくなります(選択肢4)。炭酸カルシウムがあるときは、亜鉛板の回折線と炭酸カルシウムの回折線が重なるので、亜鉛板の代わりにアルミニウム板を使います(選択肢3)。検出下限は、標準偏差の3倍とします(選択肢5)。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、正答の選択肢が、過去に複数回出題されており、押さえておけば、正答を割り出せるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)
- (2)誤った記述正答(過去に複数回出題):全12回中2回出題(出題確率17%)
- (3)正しい記述頻出のおとり:全12回中2回出題(出題確率17%)/似た記述を含めると3回(25%)
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中2回出題(出題確率17%)
- (5)正しい記述初見:全12回中1回出題(出題確率8%)
この問題のひっかけパターン:金属基底標準板は石英の主回折線より高角度側の材質
基底標準吸収補正法で、金属基底標準板には、石英の測定回折線より高角度側で、それに近い回折線をもつ材質(亜鉛かアルミニウム)を選びます。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)