問11
遊離けい酸の分析に用いる堆積粉じんの再発じん法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)目開き 75 µm 程度のふるいを通し、乾燥させたものを再発じん用の試料とする。
- (2)再発じん装置として、ビニール袋を用いる場合には分粒装置として慣性衝突式のものを用いるとよい。
- (3)1回の捕集で十分な質量が得られなかった場合は、小型インピンジャー内の残った試料を再度発じんさせて、サンプリングを行う。
- (4)厚さの薄いフィルターを用いる場合は、採取量が多くなると変形することがあるので、フィルターを2枚重ねにして用いるとよい。
- (5)帯電性の高い粉じんの場合は、装置の内壁に帯電防止剤をスプレーしてから行うとよい。
正答 (3)
法改正に関する注意:令和8年10月1日施行の作業環境測定基準の改正で、遊離けい酸の分析方法に関する規定(第2条の3)が加わりました。この解説は旧版のガイドブックにもとづいています。現行の条文で内容が変わっている場合は、現行の条文が優先されます。
再発じん法で、1回の捕集で十分な質量が得られないときは、小型インピンジャーに、新しい試料を入れて、サンプリングを繰り返します。残った試料を再度発じんさせると、粒度分布が変わるおそれがあります。「残った試料を再度発じんさせて、サンプリングを行う」とする選択肢3は誤りです。
再発じん装置として、ビニール袋を使う場合には、分粒装置として、慣性衝突式のものを使うとよいです。目開き75 µm程度のふるいを通して乾燥させた試料を使います。厚さの薄いフィルターを使うときは、2枚重ねにします。帯電性の高い粉じんの場合は、装置の内壁に帯電防止剤をスプレーします。
(参考:『作業環境測定ガイドブック1[鉱物性粉じん・石綿・RCF]の測定の実務』(旧版))
細かい論点なので、深追いは禁物です。再発じん法で、小型インピンジャー内に残った試料を再度発じんさせない、という点は、旧版ガイドブックで確認できておらず、一般的な知識による説明です。根拠の確認は後回しにしています。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、正答の選択肢が、過去に複数回出題されており、押さえておけば、正答を割り出せるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)
- (2)正しい記述頻出のおとり:全12回中2回出題(出題確率17%)
- (3)誤った記述正答(過去に複数回出題):全12回中2回出題(出題確率17%)
- (4)正しい記述頻出のおとり:全12回中4回出題(出題確率33%)
- (5)正しい記述頻出のおとり:全12回中3回出題(出題確率25%)
この問題のひっかけパターン:再発じん法で試料が足りないときは試料を新しくする
再発じん法で、1回の捕集で十分な質量が得られないときは、小型インピンジャーに、新しい試料を入れて、サンプリングを繰り返します。残った試料を再度発じんさせると、粒度分布が変わるおそれがあります。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和2年度 第1回・2020年8月実施)