問19
作業環境測定におけるX線回折分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)特性X線が用いられる。
- (2)回折線の強度により測定物質の定量を行う。
- (3)回折角により測定物質の同定を行う。
- (4)測定試料は、一般に粒径が 0.1 mm ~ 1 mm の粉末が適当である。
- (5)測定試料の捕集量が多い場合は、その質量に見合ったX線の吸収の補正をする必要がある。
正答 (4)
X線回折分析法の試料は、十分に細かくすりつぶした粉末が適しています。0.1〜1 mm の粒子では、X線が当たる結晶の数が少なく、結晶の向きにも偏りが出るため、回折線の強度が安定しません。選択肢4は誤りです。
X線回折は、多数の小さな結晶がいろいろな向きを向いていて、その一部がちょうど回折の条件を満たすことを利用しています。粒子が大きいと「いろいろな向き」がそろわず、同じ試料でも測るたびに強度が変わってしまいます。作業環境測定で捕集する吸入性粉じんは、もともと十分に細かい粒子です。
- (1)正しい。銅などの対陰極から出る特性X線を使う。
- (2)正しい。回折線の強度から定量する。
- (3)正しい。回折角から結晶面の間隔がわかり、物質を同定できる。
- (4)誤り。試料は十分に細かい粉末にする。0.1〜1 mm では粗すぎる。
- (5)正しい。捕集量が多いと試料自身によるX線の吸収が大きくなるので、補正が必要。
この問題で狙われた罠:測定試料の粒径
試料は微細な粉末にする(0.1〜1mmは粗すぎる)。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)