問18
キャピラリーガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)キャリヤーガスの流速には、最適値がある。
- (2)カラムの内径が小さいほど、理論段数は大きくなる。
- (3)カラムの長さが長いほど、理論段相当高さは大きくなる。
- (4)極性液相を用いると、極性官能基を有する化合物の保持時間は大きくなる。
- (5)無極性液相を用いると、飽和炭化水素化合物は、ほぼ炭素数が少ないものから順に溶出する。
正答 (3)
理論段相当高さ(HETP)は、カラムの長さを理論段数で割ったもので、カラムの分離効率を「長さ1単位あたり」で表す値です。カラムを長くすると理論段数は増えますが、HETP はカラムの充填状態や内径、流速などで決まり、長さによって大きくはなりません。選択肢3は誤りです。
カラムの性能を比べるとき、理論段数は「カラム全体」、理論段相当高さは「単位長さあたり」の指標、と区別して覚えておきましょう。HETP は小さいほど分離能が高いカラムです。
- (1)正しい。流速には、HETP が最小になる最適値がある(ファン・デームター式)。
- (2)正しい。内径が小さいほど、理論段数は大きくなる。
- (3)誤り。カラムを長くしても HETP は大きくならない。長くなるのは理論段数。
- (4)正しい。極性液相では、極性官能基をもつ化合物ほど強く保持される。
- (5)正しい。無極性液相では、飽和炭化水素はほぼ沸点の順(炭素数の少ない順)に出てくる。
この問題で狙われた罠:理論段数・理論段相当高さ・ピーク幅とカラム長
N=L÷H。カラムを2倍にすると理論段数は2倍、理論段相当高さは変わらず、ピーク幅は√2倍。膜厚が厚いと理論段数は小さい。
なぜ?
理論段相当高さは「カラム1段あたりの長さ」なので、カラムの長さでは変わらない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)