問20
作業環境評価基準に定める「管理濃度」及び日本産業衛生学会の「許容濃度等の勧告」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)特別管理物質など発がんのおそれのある物質については、健康影響が発生しない安全なしきい値を設定することは困難であることから、管理濃度は定められていない。
- (2)A 測定の第1評価値とは、単位作業場所において考え得る全ての測定点の作業時間における気中有害物質の濃度の実現値のうち、高濃度側から5%に相当する濃度の推定値をいい、第1管理区分となるためには、第1評価値が管理濃度より小さくなければならない。
- (3)許容濃度は、作業中のばく露濃度の変動の幅があまり大きくない場合に利用される。
- (4)混合物質について、各物質による健康影響が相加されると仮定できる場合には、各物質のばく露濃度をそれぞれの物質の許容濃度で除した値の総和が1を超えるときに、許容濃度を超えると判断する。
- (5)許容濃度等の勧告において、感作性物質には、気道感作性物質と皮膚感作性物質があり、その両方に分類される物質がある。
正答 (1)
特別管理物質のような発がんのおそれのある物質にも、管理濃度は定められています(例:ベンゼン 1 ppm)。管理濃度は、健康影響のしきい値ではなく、作業環境管理の目標として行政的に定められた値だからです。「管理濃度は定められていない」とする選択肢1は誤りです。
発がん性が明確な物質に定められていないのは、化学物質の自律的管理で使う「濃度基準値」の方です。管理濃度と濃度基準値の違いが繰り返し問われています。
この問題で狙われた罠:管理濃度の決め方(粉じん・混合溶剤・発がん物質)
鉱物性粉じんの管理濃度は遊離けい酸含有率から計算する。混合有機溶剤は換算値の和で評価する。発がん性物質にも管理濃度は定められている。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)