問8
拡散セルを用いた有機溶剤の標準ガス発生において、定常状態となったときの標準ガスの濃度(ppm)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)有機溶剤の拡散係数と飽和蒸気圧が同じなら、分子量の大きな物質ほど高くなる。
- (2)拡散チューブの内径が大きいほど高くなる。
- (3)使用前後の有機溶剤量をセルごと秤量し、蒸発量を求めることにより計算できる。
- (4)飽和蒸気圧が小さいほど低くなる。
- (5)拡散チューブの有効長が長いほど低くなる。
正答 (1)
拡散セルから出る標準物質の物質量(mol)は、拡散係数、飽和蒸気圧、拡散チューブの寸法、温度で決まり、分子量にはよりません。体積比である ppm の濃度は物質量で決まるので、拡散係数と飽和蒸気圧が同じなら、分子量にかかわらず濃度は同じです。分子量が大きいほど濃度が高くなるとする選択肢1は誤りです。
分子量が大きいと、同じ物質量でも蒸発する「質量」は大きくなります。セルごと秤量して求める減少量(質量)と、ppm(物質量の比)を区別しておきましょう。
現在、管理者にて確認中「ppm の濃度は分子量によらない」と説明しています。確認中です。
この問題で狙われた罠:拡散セルの濃度を決める要因(温度・流量・寸法・分子量)
拡散速度はチューブの断面積(内径の2乗)に比例し、長さに反比例、温度で大きく変わる。微調整は希釈空気の流量で行う。ppm濃度は拡散係数と飽和蒸気圧で決まる。
なぜ?
温度を変えると安定するまで時間がかかるので、すぐ効くのは流量。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第2回・2025年2月実施)