問10
有機溶剤の性質及び人体への影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)ハロゲン化されている有機溶剤は、一般に肝臓に対する毒性が強い。
- (2)1,2-ジクロロプロパンは、肝臓及び腎臓に障害を生じるほか、長期間の高濃度ばく露により胆管がんを発症すると考えられている。
- (3)アセトンなど水溶性を有する有機溶剤は、皮膚や粘膜から吸収されやすい。
- (4)トルエンの密度は水より大きく、また、その蒸気密度は空気より大きく、低いところにたまりやすい。
- (5)二硫化炭素は、ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている。
正答 (4)
トルエンの密度は約 0.87 g/cm³ で、水より小さく、水に浮きます。蒸気密度が空気より大きく、低いところにたまりやすい点は正しいのですが、「密度は水より大きい」とする選択肢4は誤りです。
液体の密度と蒸気の密度は別のものです。トルエンは、液は水より軽く、蒸気は空気より重い物質です。水より重い液体は、クロロホルムや二硫化炭素などの塩素・硫黄を含む溶剤です。
この問題で狙われた罠:蒸気密度・液体の密度
蒸気密度は分子量÷29で比べ、多くの有機溶剤の蒸気は空気より重い。液体の密度はトルエンは水より小さく、塩素系の溶剤は大きいものが多い。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第1回・2024年8月実施)