寒冷環境での体温調節
労働衛生一般・原理・過去23回中4回、関連する論点が出題
原理
寒冷では、熱を逃がさないよう皮膚の血管が収縮し、熱を作るため、ふるえ(筋緊張)や代謝が増え、酸素摂取量は増える。体温が下がると、筋の動きが悪くなる。
この原理で解ける論点は3個あります。丸暗記ではなく、理屈から答えを導けるようにしておくと、初見の選択肢にも対応できます。
この原理で解ける問題(2問)
令和5年度 第2回(2024年2月実施)
労働衛生一般
得点必須Aトレンド
暑熱又は寒冷の環境及びその人体への影響などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)熱中症は、重症度が小さい順にⅠ度からⅢ度までに分類され、熱失神と呼ばれる症状は、Ⅰ度に分類される。
- (2)着用している衣類によっては、算出した WBGT 値に着衣補正値を加える必要がある。
- (3)暑熱順化とは、熱に慣れ暑熱環境に適応することをいい、その方法としては、作業者が暑熱順化していない状態から、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることなどがある。
- (4)寒冷環境下で体温が低下し始めると、筋肉の弛緩、酸素摂取量の減少などの症状が現れる。
- (5)低体温症は、寒冷環境下で全身が冷やされ、体の中心部の温度が 35 ℃ 程度以下に低下した状態をいう。
正答 (4)
寒冷環境で体温が下がり始めると、体は熱をつくろうとして、筋肉の緊張が高まり(ふるえ)、酸素摂取量が増加します。筋肉の弛緩、酸素摂取量の減少とする選択肢4は誤りです。
体温がさらに下がって重い低体温症になると、ふるえが止まり、意識が低下していきます。初期の反応(熱をつくる)と、進行したときの状態を分けて覚えましょう。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、正答の選択肢の論点は、通算の回数は少なめですが、直近の回に集中して出題されています(トレンド)。押さえておけば、得点できるからです。
原理から解く:寒冷環境での体温調節(過去23回中4回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:1回論点「熱中症はⅠ度からⅢ度までに分類され、このうちⅢ度が最も重症である」
- (2)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「着用している衣類によっては、算出した WBGT 値に着衣補正値を加える必要がある」
- (3)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「暑熱順化とは、熱に慣れ暑熱環境に適応することをいい、その方法としては、作業者が暑熱順化していない状態から、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることなどがある」
- (4)誤った記述正答(直近のトレンド):全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「寒冷環境下で体温が低下し始めると、筋肉の緊張の増強、酸素摂取量の増加などの症状が現れる」原理「寒冷環境での体温調節」:全23回中4回出題
- (5)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「低体温症は、寒冷環境下で全身が冷やされ、体の中心部の温度が 35 ℃ 程度以下に低下した状態をいう」
重い熱中症では発汗が止まり体温が上がる。低体温症にアルコールを与えない。凍瘡(しもやけ)は凍結を伴わない障害。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第2回・2024年2月実施)
平成27年度 第2回(2016年2月実施)
労働衛生一般
何とか得点B暗記で解く
温熱条件及びその生体影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)温度感覚を左右する環境条件は、気温、湿度、気流及び輻射(放射)熱である。
- (2)WBGTは、暑熱環境による熱ストレスの評価に用いられる指標で、屋外で太陽照射がある場合は、自然湿球温度、黒球温度及び乾球温度の測定値から算出される。
- (3)WBGT値がその基準値を超えるおそれのあるときには、冷房などによりWBGT値を低減することや代謝率レベルの低い作業に変更するなどの対策が必要である。
- (4)実効温度は、人の温熱感に基礎を置いた指標で、気温、湿度及び気流の総合効果を温度目盛りで表したものである。
- (5)寒冷にさらされ体温が正常以下になると、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。
正答 (5)
寒冷にさらされて体温が下がると、熱を逃がさないように皮膚の血管は収縮して血流量を減らし、皮膚温を下げます。「血管が拡張して皮膚温を上昇させる」とする選択肢5は誤りです。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「熱中症・低体温症・凍傷の症状と対応」(過去23回中7回出題)に当てはまる選択肢であり、押さえておけば、何とか正答を割り出せるからです。
原理から解く:寒冷環境での体温調節(過去23回中4回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中7回出題(出題確率30%)/同じ記述の出題:1回論点「温度感覚を左右する環境条件は、気温、湿度、気流及び輻射(放射)熱である」
- (2)正しい記述:全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「WBGT は、暑熱環境による熱ストレスの評価に用いられる指標で、日射がない場合は、自然湿球温度と黒球温度の測定値から算出される」
- (3)正しい記述:全23回中2回出題(出題確率9%)/同じ記述の出題:1回論点「WBGT 値が基準値を超えるおそれのあるときには、冷房の利用、代謝率レベルの低い作業に変更することなどが必要である」
- (4)正しい記述頻出のおとり:全23回中6回出題(出題確率26%)/同じ記述の出題:4回論点「実効温度とは、気温、湿度及び気流の総合効果を示す温度感覚を表す指標である」
- (5)誤った記述正答(ひっかけパターンに該当):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「寒冷にさらされ体温が正常以下になると、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる(誤りの記述)」原理「寒冷環境での体温調節」:全23回中4回出題
重い熱中症では発汗が止まり体温が上がる。低体温症にアルコールを与えない。凍瘡(しもやけ)は凍結を伴わない障害。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(平成27年度 第2回・2016年2月実施)