問10
有機溶剤及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)脂溶性があり、脂肪の多い脳などに入りやすい。
- (2)揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されることはない。
- (3)低濃度の繰り返しばく露による慢性中毒では、頭痛、めまい、記憶力減退、不眠などの不定愁訴がみられる。
- (4)肝機能障害や腎機能障害を起こすものがある。
- (5)皮膚や粘膜の症状には、皮膚の角化、結膜炎などがある。
正答 (2)
有機溶剤は、呼吸器から吸収されるだけでなく、脂溶性があるため皮膚からも吸収されます。「皮膚から吸収されることはない」とする選択肢2は誤りです。
特に、水溶性と脂溶性をともにもつ有機溶剤(N,N-ジメチルホルムアミドなど)は、皮膚から吸収されやすいので、保護手袋による対策が欠かせません。
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:初見の選択肢ですが、原理「脂溶性の物質は皮膚からも吸収される」(過去23回中10回出題)を理解していれば、解けます。
原理から解く:脂溶性の物質は皮膚からも吸収される(過去23回中10回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「脂溶性があり、脂肪の多い脳などに入りやすい。」原理「脂溶性の物質は皮膚からも吸収される」:全23回中10回出題
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中1回出題(出題確率4%)論点「揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されることはない(誤りの記述)」原理「脂溶性の物質は皮膚からも吸収される」:全23回中10回出題
- (3)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「低濃度の繰り返しばく露による慢性中毒では、頭痛、めまい、記憶力減退、不眠などの不定愁訴がみられる」
- (4)正しい記述初見:全23回中1回出題(出題確率4%)論点「肝機能障害や腎機能障害を起こすものがある。」
- (5)正しい記述:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:1回論点「皮膚や粘膜の症状には、皮膚の角化、結膜炎などがある。」
この問題のひっかけパターン:有機溶剤の一般的性質(経皮吸収・引火性)
有機溶剤は皮膚からも吸収される。ハロゲン化炭化水素は不燃性のものが多く、全ての有機溶剤が引火性ではない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第1回・2023年8月実施)