問6
次の熱化学反応式で示される溶液中での反応の平衡状態に関する下の記述のうち、誤っているものはどれか。
A + B ⇄ C + q(q は熱エネルギーで q < 0)
ただし、平衡定数(K)は次の式で表される。
K = [C] ÷ ([A][B])
- (1)平衡状態での正反応と逆反応の反応速度は等しい。
- (2)この反応は、温度を上げると左に進む。
- (3)この反応の平衡定数の単位は、mol⁻¹・L である。
- (4)平衡定数は、平衡状態での物質の濃度から計算できる。
- (5)平衡定数は、温度に依存する。
正答 (2)
熱化学反応式の q が負(q < 0)なので、右向きの反応は熱を吸収する反応(吸熱反応)です。温度を上げると、平衡は熱を吸収する向き、つまり右に移動します。「左に進む」とする選択肢2は誤りです。
ルシャトリエの原理では、加えた変化をやわらげる向きに平衡が移動します。温度を上げれば熱を吸収する向き、下げれば熱を出す向きに進みます。q の符号から、どちらが吸熱かを最初に確かめましょう。
この問題は、何とか得点したい問題です(学習の優先度:中)。
理由:下記の通り、原理「ルシャトリエの原理」(過去23回中5回出題)を理解していれば、論点そのものを暗記していなくても、解けるからです。
原理から解く:ルシャトリエの原理(過去23回中5回出題)
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去23回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。頻度は、問われている論点(同じ事実のまとまり)の出題回数です)。
- (1)正しい記述頻出のおとり:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:1回論点「平衡状態での正逆両方向の反応速度は等しい。」原理「化学平衡と平衡定数」:全23回中10回出題
- (2)誤った記述正答(原理から解ける):全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:1回論点「温度を上げると、反応は右に進む。」原理「ルシャトリエの原理」:全23回中5回出題
- (3)正しい記述頻出のおとり:全23回中5回出題(出題確率22%)/同じ記述の出題:3回論点「平衡定数の単位は、mol⁻¹·Lである。」原理「化学平衡と平衡定数」:全23回中10回出題
- (4)正しい記述頻出のおとり:全23回中3回出題(出題確率13%)論点「平衡定数は、平衡状態での物質の濃度から計算できる。」原理「化学平衡と平衡定数」:全23回中10回出題
- (5)正しい記述頻出のおとり:全23回中4回出題(出題確率17%)論点「平衡定数は、温度に依存する。」原理「化学平衡と平衡定数」:全23回中10回出題
この問題のひっかけパターン:化学平衡の移動(ルシャトリエの原理)
平衡は変化を打ち消す向きに移る。発熱反応は温度を上げると左へ。平衡定数は温度だけで決まり、濃度比では変わらない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和5年度 第2回・2024年2月実施)