問18
作業者がメチルエチルケトンを含む塗料容器を持ち、移動しながら製品に塗装する作業を行っていたため、作業者に受動型試料採取機器(パッシブサンプラー)を装着して15分間のD 測定を実施した。測定終了後、2 mLの溶媒でメチルエチルケトンを脱着し、これを試料液とした。試料液のうち 2 µLをマイクロシリンジでガスクロマトグラフに導入して分析したところ、試料液の濃度は10.5 µg・mL⁻¹であった。D 測定値として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、サンプリング速度:12 cm³・min⁻¹、メチルエチルケトンのモル質量:72.1 g・mol⁻¹、脱着率:0.9 とする。また、25 ℃、1気圧下とする。
- (1)22 ppm
- (2)44 ppm
- (3)66 ppm
- (4)88 ppm
- (5)110 ppm
正答 (2)
パッシブサンプラーの測定値は、次の順で求めます。
- 脱着液中の量:10.5 µg/mL × 2 mL = 21 µg
- 脱着率0.9で補正:21 ÷ 0.9 ≒ 23.3 µg
- 捕集した空気の見かけの体積:12 cm³/min × 15 min = 180 cm³ = 0.18 L
- 濃度:23.3 µg ÷ 0.18 L ≒ 130 µg/L = 130 mg/m³
- ppmに換算(25℃、1気圧):130 × 24.45/72.1 ≒ 44 ppm
よって(2)です。(ガスクロマトグラフに導入した2 µLは、濃度の計算には使いません。)
この問題は、試験本番では得点しなければならない問題です(学習の優先度:高)。
理由:下記の通り、ひっかけパターン「個人サンプリング(C測定)の濃度の計算(脱着率・移動作業)」(過去12回中4回出題)に当てはまる選択肢から、容易に正答を割り出すことができるからです。
この区分は、過去の全回の出題にもとづく目安です。
出題頻度
この科目の過去12回のうち、同じ内容が出題された回数です(同じ回に重複しても1回と数えます。「似た記述」は、言い回しが違うが、論点が近いものです。実際の頻度は、これらの間にあることが多いです)。
- この形式の問題(計算問題):全12回中2回出題(出題確率17%)
この問題のひっかけパターン:個人サンプリング(C測定)の濃度の計算(脱着率・移動作業)
脱着率で補正した捕集量÷吸引空気量で濃度を出し、ppmに換算する。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和7年度 第1回・2025年8月実施)