問20
作業環境評価基準に定める「管理濃度」及び日本産業衛生学会の「許容濃度等の勧告」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)管理濃度の値は、25℃、1気圧の空気中における濃度として示されている。
- (2)有機溶剤を2種類以上含有する混合物に係る単位作業場所において、作業環境測定結果の評価を行う場合、管理濃度に相当する値を1として行う。
- (3)許容濃度とは、労働者が1日8時間、週に40 時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質にばく露される場合に、当該有害物質の平均ばく露濃度がその数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪い影響がみられないと判断される濃度である。
- (4)最大許容濃度とは、作業中のどの時間をとってもばく露濃度がその数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪い影響がみられないと判断される濃度である。
- (5)許容濃度の値は、許容濃度の経皮吸収欄に「皮」と記載のある物質は経皮吸収があることを前提として、それ以外の物質は経皮吸収がないことを前提として定められている。
正答 (5)
許容濃度は、主に吸入によるばく露を想定して定められた値です。「皮」の記号は、経皮吸収によってばく露が大きくなり、許容濃度の値だけでは健康影響を防げないおそれがあることを示す注意の表示で、「皮」がある物質だけ経皮吸収を前提に数値を決めているわけではありません。選択肢5は誤りです。
「皮」の記号がある物質では、空気中の濃度を管理するだけでなく、皮膚への接触を防ぐ対策(保護手袋など)が必要になります。
現在、管理者にて確認中「皮」の記号の意味を「許容濃度は主に吸入を想定した値で、皮は注意の表示」と説明しています。日本産業衛生学会の勧告の記載を確認中です。
この問題で狙われた罠:許容濃度の性質(経皮吸収・相対尺度ではない)
許容濃度は経皮吸収を考慮していない(「皮」の印は経皮吸収に注意という意味)。物質間の毒性の強さを比べる尺度には使えない。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和6年度 第2回・2025年2月実施)