問14
相対濃度指示方法による測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)相対濃度計の感度校正には、粒径0.3µmのステアリン酸粒子が用いられる。
- (2)作業環境測定において、相対濃度指示方法による測定対象となるのは、鉱物性粉じんに係る測定のみである。
- (3)同じ個数濃度であれば、粒径5µmの粉じん粒子の散乱強度は、粒径 0.3µmの粉じん粒子の散乱強度よりも大きい。
- (4)A 測定では、1単位作業場所における採取開始から終了までの時間は、試料採取の間隔を調整することにより1時間以上になるようにする。
- (5)光散乱方式の相対濃度計では、測定値は cpmで表示されるが、圧電天秤方式の相対濃度計では、測定値は質量濃度と同じmg / m³ で表示されるため、質量濃度変換係数を求める必要はない。
正答 (5)
圧電天秤方式の相対濃度計は、測定値を質量濃度と同じ mg/m³ で表示しますが、標準粒子で校正した値なので、実際の作業場の粉じんの質量濃度とは一致しません。光散乱方式と同じく、ろ過捕集方法との併行測定で質量濃度変換係数を求める必要があります。選択肢5は誤りです。
相対濃度計の値は、粉じんの大きさ、形、密度などによって実際の質量濃度とずれるので、その作業場の粉じんについて換算係数を求めて補正します。表示の単位が mg/m³ であっても、この事情は変わりません。
- (1)正しい。感度の校正には、粒径 0.3 µm のステアリン酸粒子が使われる。
- (2)正しい。相対濃度指示方法が認められているのは、鉱物性粉じんの測定だけ。
- (3)正しい。同じ個数濃度なら、大きい粒子ほど散乱光は強い。
- (4)正しい。A 測定は、採取の間隔を調整して開始から終了まで1時間以上になるようにする。
- (5)誤り。圧電天秤方式でも、質量濃度変換係数を求める必要がある。
この問題で狙われた罠:表示単位と質量濃度変換係数
質量濃度変換係数は K = C(質量濃度)÷ R(相対濃度)。圧電天秤方式は表示がmg/m³でも、変換係数は必要。
なぜ?
校正に使った粒子と現場の粉じんでは性質が違うため、現場ごとに併行測定で合わせる。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和8年度 第1回・2026年8月実施)