問8
拡散チューブを用い一定濃度の標準ガスを発生させるとき、チューブの選定に必要となる定常状態で拡散チューブから流出する標準物質の流出速度は、あらかじめ次の式により推定することができる。
この標準ガス発生法に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
m=DS/L(C-Cl)
ただし、C\gg ClなのでCl=0として計算して良い。
m:流出速度(ng・s⁻¹)
D:拡散係数
S:拡散チューブの断面積(cm²)
L:拡散チューブの長さ(cm)
C:液だめ内の蒸気濃度(ng・cm⁻³)
Cl:拡散チューブ出口の蒸気濃度(ng・cm⁻³)
- (1)流出速度は、拡散チューブの断面積に比例する。
- (2)流出速度は、拡散チューブの長さに反比例する。
- (3)流出速度の計算には、標準物質の蒸気圧の値が必要である。
- (4)拡散係数の次元は、体積/時間である。
- (5)拡散係数は、物質によって異なる。
正答 (4)
式 m = D・S/L・(C − Cₗ) を変形すると、拡散係数 D = m・L/(S・C) です。m は質量÷時間、L は長さ、S は面積、C は質量÷体積なので、D の次元は(長さ)²÷時間、つまり面積/時間です。「体積/時間」とする選択肢4は誤りです。
流出速度は断面積 S に比例し(選択肢1)、長さ L に反比例します(選択肢2)。C は飽和蒸気の濃度なので、計算には標準物質の蒸気圧の値が必要で(選択肢3)、拡散係数は物質によって異なります(選択肢5)。
この問題のひっかけパターン:拡散係数の次元(面積/時間)
拡散係数の次元は、面積/時間(例:cm²/s)。「体積/時間」は誤り。流出速度は、断面積に比例し、長さに反比例する。
なぜ?
フィックの法則:流束は、濃度勾配に拡散係数を掛けたもの。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題(令和4年度 第1回・2022年8月実施)